後期高齢者医療制度での負担増は?
●後期高齢者の保険料算定基礎は世帯の収入と考えていいのでしょうか?
→保険料算定は、被保険者(ご本人)の所得のみです。他の家族の所得は合算されません。
年金収入−公的年金等控除または、収入-必要経費を「所得(ただし書所得)」といいます。
 保険料の計算式は
   年金収入のみの場合は
   @所得割(大阪の料率は8.68%)
   =年金収入−公的年金等控除(概ね120万円)−基礎控除(33万円)×料率
   A均等割(大阪は47415円)
   ・・・@+Aの金額になりますが、
 
 ★ただし、所得の低い方の場合は、均等割が政令軽減されるのですが、その際の「基準額」は被保険者の所得に世帯主の所得が合算されたものになります。これは、国保の政令軽減は世帯でみるので、そのやり方がそのままスライドされているのでこんなことになっているのです。
  
 政令軽減は以下のようになっています。
  □7割軽減  基準額=基礎控除額(33万円)
  □5割軽減  基準額=基礎控除額+24.5万円×(世帯主の被保険者数)
  □2割軽減  基準額=基礎控除額+35万円×(被保険者数)
※公的年金等控除をうけている場合は上記の式に当面15万円が加算されます。
●家族と同居している後期高齢者の場合
世帯分離したほうが保険料算定収入が低くなると考えてよいでしょうか?
→1の説明のように、所得が低い(所得168万円以下)方で家族と同居の場合は、世帯主の所得が合算されるので政令軽減がうけられなくなります。
 つまり、所得が低くても均等割47415円全額がかかってきます。
 ただし、その方が、被用者保険の扶養家族の場合は、4月から半年は無料、10月から半年は均等割の1割、来年4月から1年は均等割の半額という経過措置があります。
 ただし、国保だった方は経過措置がありませんので、この4月から均等割全額です。
●上記の場合、世帯分離手続きのタイミングはどのように考えたらいいのでしょうか
→被用者保険の扶養家族だった方は、4月から1年間は経過措置のほうが保険料は安いですが、1年後は均等割半額で、こちらの金額の方が7割軽減された場合より高くなります。
  今国保の方は、すぐに世帯分離をしてください。
  3月31日までに世帯分離をしてください。世帯所得の判定は4月1日です。4月以降に世帯分離しても2009年度の保険料にしか反映されません。
  
  □被用者保険の扶養家族の方の保険料は、
   2008.4-9      月0円
   2008.10-2009.3  月395円
   2009.4-2010.3  月1975円
   2010.4-     次回は大幅値上げとなる見通しです。
  □大阪の保険料で7割軽減された場合  月1185円
 年金収入が120万円+33万円+15万円=168万円未満の場合は7割軽減です。
介護認定を受けている方は・・・・
●障害者控除を受けましょう
「障害者手帳」がなくても「障害者控除」認定をうけることができます。
高齢者にとって、「障害者手帳」取得は医療機関に行き診断書を取らなければならないなど、相当な負担となります。
介護保険認定をうけていれば、各市町村に申請すれば「障害者控除認定書」を交付してもらえます。
※認定の基準は市町村によって異なります。 
※障害者控除とは
世帯分離をしましょう!
●世帯分離って?
・既存世帯の世帯員が、住所を異動せずに新たな世帯を設けることです。
・それぞれの生計が別々であることを基準としていますので、同じひとつの家に住んでいても、世帯主家族と生計を別にする場合も世帯分離となります。
※問い合わせ・申請は各市町村の住民票登録係などに。
●非課税世帯になると・・・・
もともとご本人の所得が低い、または無いのに家族に課税者がいると「世帯課税」となり、介護保険料・利用料、医療費などが高くなります。
そんなときは「世帯分離」ができます。これは、住民票を分けるということであり、同じ家に住んでいてもかまいません。
世帯分離をすると、国民健康保険に新たに加入しなければなりませんが、実質的な負担はそれ以上はありません。

詳しくは大阪社保協発行の「負担増から住民を守る相談活動ハンドブック」をご覧下さい。