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高額療養費制度「見直し」閣議決定 医療費負担限度額引上げ8月から!?政府の狙いを多くの国民に知らせていくことが大切
石破内閣は12月27日、2025 年度政府予算案を閣議決定しました。一般会計総額は115 兆5414 億円で過去最大を更新。社会保障など国民生活を支える予算は抑制する一方、軍事費(防衛省予算)拡大と大企業優遇を継続する内容になっています。
社会保障関係費は高齢化などに伴う6500億円を見込んだ自然増分を高額療養費の「見直し」や薬価(保険給付される医薬品の価格)改定により1300億円程度を圧縮し5200億円とし、38兆2778億円を計上しました。
高額療養費の「見直し」は、この間議論され続けていましたが、12月12日の厚労省社会保障審議会(医療保険部会)で、患者が支払う医療費負担限度額(高額療養費制度)を引き上げる方向での「見直し」が了承され、2025 年度予算案に盛り込まれたかたち。
高額療養費制度の「見直し」は、自己負担上限額を収入に応じて決める所得区分を細分化して、8月から2年かけて段階的に引き上げる方針(70 歳以上の高齢者の「外来特例」廃止は見送られた)で、年収370万円〜770万円の場合、10%引き上げられる(表参照)。
厚労省は「見直し」の理由として、約10年前(2017年)と比べて「賃上げの実現」で世帯収入が増えたことを挙げていますが、実質賃金・実質年金の減少で、国民生活は一層逼迫しており、「見直し」の正当性はまったくありません。2022年10月からの窓口負担の2割への引き上げと合わせて、高齢者のいのちと健康を脅かされ続けています。なお、予算案では後期高齢者の現役並所得水準の「見直し」で新たな負担増も見込まれています。
1月20日から召集される通常国会の来年度予算の中で審議され、予算案が可決されれば今年8月より実施されます。更なる患者負担増を許さない闘いを緊急に広げるため、政府の狙いを多くの国民に知らせていくことが大切です。地域社保協の宣伝でもぜひ触れてください。 (大阪府保険医協会 田川研)