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第1285号 2024.6.7 TEL 06-6354-8662 Fax06-6357-0846 大阪社会保障推進協議会 |
6月3日、国会内集会〜介護制度改善求める署名29万3043筆、訪問介護費引き下げ撤回求める要請3720、大阪社保協訪問介護事業所アンケート提出。
★大阪社保協「訪問介護事業所緊急アンケート」結果報告書を提出
国は、2024年4月の介護報酬改定で、訪問介護費(基本報酬)を2〜3%引き下げました。深刻な人手不足に陥っている訪問介護事業は、ますます求人難になり、ホームヘルパーの退職や事業所の縮小・撤退を招くことが危惧されています。しかし国は、こうした実態を十分に把握していません。
大阪社保協では、国(厚生労働省)に対し、早急に介護報酬の「再改定」を行い、訪問介護費の引下げを撤回し、報酬を引き上げることを国に求めたいと思います。そのために訪問介護事業所の実態を広く明らかにするための緊急アンケートを実施いたしました。
4月19日から5月15日と3週間余りの限られた期間ではありましたが、1480件配布し、大阪府内一円から366件の回答がありました。 アンケート回答には、介護報酬引き下げに対する怒りや悔しさとともに、訪問介護の現場の実態や事業経営の困難さを切々と訴える記述が非常にたくさん寄せられました。報告書にはこの切実で深刻な声をすべて収録しました。アンケート結果についてここでは紹介します。なお、報告書について大阪社保協ホームページにアップします。
【訪問介護事業所緊急アンケート概要】
◆アンケート実施期間 2024年4月19日〜5月15日
◆ アンケート配布・回収方法
@大阪市内訪問介護事業所の一部に大阪社保協からFAX依頼A大阪市外は地域社保協が訪問介護事業所を訪問し依頼B大阪民医連加盟の事業所に郵送で依頼
上記ともグーグルfoam及びFAXでの回答を併用 アンケート配布・回収
◆配布数 1480件 回収数 366件
1 訪問介護の介護報酬が引き下げられたことについて
(1)訪問介護の介護報酬引き下げについてどう思われますか。
〜だれひとり納得していない報酬引き下げ
2024年度介護報酬改定において、訪問介護の基本報酬が引き下げられたことについては、95.4%が「納得できない」と回答しました。「どちらでもない」が1.9%あったものの、「納得できない」は0件であり、今回の介護報酬引き下げは訪問介護事業所のうち誰一人納得していないことが分かります。
(表1)訪問介護の介護報酬が引き下げについてどう思われますか。(回答:366件)
回 答 |
件 数 |
割合 |
納得できない |
349件 |
95.4% |
納得できる |
0件 |
0% |
どちらでもない |
7件 |
1.9% |
不明 |
10件 |
2.9% |
(2)訪問介護の介護報酬が引き下げで考えられる影響(複数回答)
〜9割が「経営困難」、8割が「賃金改善困難」などヘルパー不足に拍車
「意欲低下」、「募集困難」「離職増加」も7割の事業所が危惧
訪問介護の介護報酬引き下げで考えられる影響についての回答では、89.3%が「事業所の経営が苦しくなる」と答えました。次に「ホームヘルパーの賃金改善が難しくなる」が79.8%に上り、経営難がすすめば賃金改善も展望が持てなくなっていくことが伺えます。
さらに、介護報酬が下がることにより、「ホームヘルパーの意欲・モチベーションが下がる」と76.8%が答えています。
「ホームヘルパーの募集が困難になる」(70.8%)、「ホームヘルパーの離職につながる」(68.6%)とヘルパー不足にいっそう拍車がかかる事態となりつつあることが分かります。
厚生労働省は「処遇改善加算の加算率引き上げ」を強調しますが、訪問介護事業所の約8割がホームヘルパーの賃金改善が難しくなると考え、募集困難、離職につながることも7割の事業所が危惧している事実を受け止めるべきです。
(表2)訪問介護の介護報酬が引き下げで考えられる影響(複数回答可) 回答:366件)
回 答 |
件 数 |
割合 |
327件 |
89.3% |
|
ホームヘルパーの賃金改善が難しくなる |
292件 |
79.8% |
ホームヘルパーの意欲・モチベーションが下がる |
281件 |
76.8% |
ホームヘルパーの募集が困難になる |
259件 |
70.8% |
ホームヘルパーの離職につながる |
251件 |
68.6% |
その他 |
7件 |
1.9% |
6.12日本一高い「大阪市介護保険料と万博・カジノ問題緊急意思統一学習会」にご参加ください!
予想していたことではありますが、大阪市の65歳以上の人の介護保険料は、全国一高額となりました。「基準月額」で9,249円(年額で11万988円)で、全国平均6,225円より3,000円以上高く、もっとも低い東京都小笠原村(3,374円)の2.74倍という異常な格差になっています。その一方で大阪市は、高物価に苦しむ市民の暮らしは放置しながら、万博とそれにつづくカジノのために大阪湾の埋め立て地・夢洲を舞台としたインフラ整備など大型開発には惜しみなく税金をつぎ込んでいます。
7月19日に介護保険料決定通知が大阪市の被保険者のもとに届く予定と聞いています。限界を大きく超えている大阪市の介護保険料問題と万博・カジノの現状と財政等を学び、22日以降大阪市内全区での大運動を展開していくための意思統一学習会を大阪市をよくする会とともに企画しました。
ぜひ、多数ご参加ください。