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ホームヘルパー切捨て絶対に許せない!訪問介護費引下げ撤回、処遇改善の報酬再改定を求めます(アピール)
2024年4月18日2024年度第一回常任幹事会を開催し、大阪社保協は標記アピールを発表します。
ホームヘルパー切捨て絶対に許せない!訪問介護費引下げ撤回、処遇改善の報酬再改定を求めます(アピール) 2024年4月18日大阪社会保障推進協議会 「絶望」の4月改定 訪問介護の報酬引き下げ 2024年4月、3年に一度の介護報酬が改定されました。わずか+1.59%のプラス改定で、大半のサービス種別が引上げられましたが、ホームヘルパーの報酬(訪問介護費)だけが基本報酬ダウン、しかも引き下げ率は2%〜3%と大幅な引下げです。 「心が折れた」「コロナでも必死にがんばったのに」「国はヘルパーはもう要らないと言うのか」 怒りと悲しみの声が多くのホームヘルパー(訪問介護員)から沸き起こっています。 絶望的と言うほかない人手不足は、有効求人倍率15.5倍という数字が物語っています。ホームヘルパーの37%が60歳以上で、後継者がいない事業所も多数あります。国も「このままではサービス提供体制が確保できないおそれがある」と認めています。 なぜ、よりによってその訪問介護の基本報酬を下げたのでしょうか。 訪問介護事業所の約4割は赤字 国は、訪問介護事業所の「黒字幅」が他のサービス種別と比べて大きいことを引下げの理由にしています。しかし、厚生労働省調査でも、訪問介護事業所のうち36.7%が収支差率0%未満(赤字)であることが明らかになっており、小規模事業所の収支差率は平均して1%台しかありません(月訪問回数200回以下1.2%、200〜400回1.4%)。一方で大規模事業所(月訪問回数2001回以上)の収支差率は13.2%と10倍近い差があるのです。また、サービス付き高齢者住宅などの集合住宅併設の訪問介護や都市部で「効率的」に事業を展開している大手事業者などが、収支差率を押し上げていることも指摘されています。 こんな数字を口実に、訪問介護の報酬を切り下げられてはたまりません。介護報酬は介護サービスの「公定価格」であり、それを引き下げるということは評価を下げることに外なりません。ホームヘルパーの誇りを傷つける介護報酬引き下げを撤回し、引き上げるよう強く求めます。 今からでも「再改定」は可能 介護報酬改定は、法律改正事項ではありません。厚生労働省告示によって決められるものであり時期も法定されていません。今からでも厚生労働大臣が「決定」すれば報酬改定のやり直し(再改定)は可能です。2024年度予算はすでに成立していますが、訪問介護費の引下げ分は国庫負担で50〜60億円程度であり、3兆円を超える介護給付費のごくわずかであり直ちに補正予算が必要になるような額ではありません。 立場を超え「引下げ撤回・再改定を」の声を 今回の訪問介護の報酬切り下げに対しては、ホームヘルパーや訪問介護事業所はもとより、自治体関係者や利用者からも多くの「抗議」「懸念」が示され、賛同する介護関係者はほとんどいません。 あらゆる立場を超え、全国各地から「訪問介護費引下げ撤回の再改定」を求める声を上げ、あらゆる行動を起こそうではありませんか。 まったく不十分な処遇改善も「再改定」すべき 今年6月1日からは、新たな「処遇改善加算」が実施されます。従来の3つの処遇改善加算(介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算)を一本化し加算率を引き上げるとされていますが、その引上げはわずか2.1ポイント(従来の3加算の最高位の加算率計22.4% 新しい介護職員等処遇改善加算の最高位24.5%)しかありません。国は、「2024年度2.5%、2025年度2.0%のベースアップに確実につながる」と言っていますが、到底足りません。すでに2024年春闘では民間賃上げは5%を超えており、介護現場の働き手の賃金は大きく地盤沈下しています。この処遇改善についても2年後、3年後を待つことなく早急に「再改定」を求めるべきだと考えます。 行動提案 〇訪問介護費の切り下げを撤回し、改善する介護報酬再改定を早急に行うことを政府に対する要求しましょう 〇すべての事業所・地域・団体等で政府に対し「訪問介護費切り下げ撤回・報酬再改定要請」とアンケートを訪問・送付などして集め、あらゆる手段(要望書、署名、FAX、決議など)で政府に声を届けましょう 〇地方議会にも「訪問介護費切り下げ撤回・報酬再改定」を国に求める意見書採択を陳情・請願しましょう 〇厚生労働省に対するアクションを地域で企画し取り組みましょう 〇マスコミや世論に訪問介護の実態と報酬切り下げの不当性をアピールしましょう |