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第1281号 2024.4.8 TEL 06-6354-8662 Fax06-6357-0846 大阪社会保障推進協議会 |
保険証廃止に伴う「資格確認書」送付などに関する緊急アンケート報告〜「電子証明書の失効時期」すべての自治体が把握していない
現在の国民健康保険(国保)の保険証が12月2日以降に廃止(1年の経過措置あり)になることを受けて保険者には「資格確認書」の発行などの対応が求められています。しかし、通常の国保関連実務に加えて、紐づけ不一致者の点検や「資格確認書」の発行に向けた対応に、担当職員の方においては、かなりの過重労働になるとの声も届いています。こうしたことを受けて大阪社会保障推進協議会は、府内全ての市町村に「資格確認書」送付などに関するアンケートを行い、41市から回答が寄せられました(2町未回答)。以下集約・分析は田川事務局次長(大阪府保険医協会)。
■マイナ保険証の利用登録は半数ほど
厚労省が指示している紐づけ不一致者の点検の状況では、ほぼ全自治体で点検が終了しており、国保加入者の「マイナ保険証」の利用登録率は、平均で54.8%(最低48.9%、最大64.3%)でした。「資格確認書」の送付については、「全加入者に送付」6自治体(3市3町)、「登録者以外全ての方」が25自治体となっていますが、「統一国保」を進めている大阪府の動向を注視している自治体もありました。「資格確認書」発行に対応したシステム構築については、殆どが「検討中」でしたが、「他システムとの連携の問題で改修が難しい」「国の財政支援が分からないと検討できない」との回答もありました。
■今年の国保証は1年期限の「保険証」発行
なお今年の国保証の発行も、殆どが「通常通り発行」(来年10月31日まで有効)と回答しました。
■マイナ保険証の「2025年問題」
ただ今回のアンケートでは、「マイナ保険証」の利用登録者の「電子証明書の失効時期」(有効期限は5年)の把握について、すべての自治体が把握していない¥態も明らかになりました(「把握できていない」35自治体、「わからない」5自治体)。自治体は「把握していない」状態ですが、更新期日の3か月ほど前には手続きの案内文が送られてきます。これは全国の自治体の電子証明書の登録状況を把握している「地方公共団体情報システム機構」が発送業務を担うようです。(封書は自治体の担当課名で来ているような体裁になっています。別紙参照)。
電子証明書の更新(有効期限5年*)については、有効期限の2〜3ヶ月前に有効期限通知書が送付されることになっています。電子証明書の有効期限を迎える方には、この3か月前くらいに「地方公共団体情報システム機構」から、有効期限通知書(青色の封筒)が送付されるようです syoumeipamphlet_A4.pdf
(kojinbango-card.go.jp) 。発送は各自治体が行うのでなく、「地方公共団体情報システム機構」が行いますが、郵便物は自治体から来ているような体裁です(次頁イメージ画像参照)。
*マイナンバーカードの保険証利用には、「マイナンバー」は使われていません。オンライン資格確認に使用されているのは「利用者証明用電子証明書」です。「利用者証明用電子証明書」の有効期間は発行日から5回目の誕生日までです。
最近マイナンバーカードを取得した方は、更新はまだ先になりますが、以前からe-TAX利用をしている方はすでに期限を迎えた方もいるようです。特に新型コロナの特別給付金支給が始まった2020年4月以降に電子証明書を利用し始めた方は多くおられる(マイナンバーカードを使った方が早く支給されたため)ことが予想されますが、この方々は2025年に期限を迎えます。電子証明書の期限である5年が訪れると、更新されていなければ「突然保険証利用ができない」ということが起こりえます。こうしたことを「2025年問題」と指摘されている方もおられます。
なお、「地方公共団体情報システム機構」の案内文には「更新当日は、健康保険証、コンビニ交付等のサービスを利用できない場合があります。 また、e-Tax等、更新当日に利用できないサービスもありますので、各サービスの利用案内等をご確認ください」と…。簡単に「利用できない」と書かれても、2025年12月以降は健康保険証廃止の猶予期間も終了しており、「健康保険証での確認」もできず、医療現場では「資格確認」できないことから、一旦全額負担をお願いするしかありません。
結局、健康保険証廃止の猶予期間も終了する2025年は、役所や医療機関が大変な混乱にならないか危惧します。
【アンケート回答】
1.
厚労省は紐づけ不一致への対応を3月末までにと通知していますが、貴自治体での国民健康保険加入者の紐づけ不一致者の点検の状況は。
・不一致者なし 25
・点検を終えた 14
・一部残っている 2
・点検できていない 0
2.
現在の国民健康保険証は12月2日以降の廃止になりますが、貴自治体で国民健康保険加入者の「マイナ保険証」の利用登録率はどのくらいですか。
・凡そ45〜50% 9 51%〜55% 15 56%〜60% 12 61%〜65% 3
*平均値54.8%
・一部は把握できているが登録率は不明 1
・把握できていない 1
3.
貴自治体で国民健康保険加入者の「マイナ保険証」の利用登録者の有効期間や電子証明書の失効時期を把握していますか。
・把握している 0
・把握できていない 36
・わからない 5
4.
「マイナ保険証」利用登録がない方に「資格確認書」を送付することになっていますが、貴自治体の対応は。
・全ての国民健康保険加入者に送付する 6
・利用登録者を把握しているので、利用登録者以外の全ての方に送付する 26
・原則、申請があった方のみ送付する 1(上記回答と重複回答)
・他 8 (大阪府に合わせる 3/大阪府単位で保険証廃止後の運用を協議している段階で確定した運用に基づいて送付を行う予定 /未定 /わからない /検討中 /近隣の市町の動向を見て検討する)
・NA 1
5.
今年10月から「マイナ保険証」の利用登録解除ができるようになりますが、貴自治体では「資格確認書」発行に対応したシステム構築についての状況は(複数回答可)。
・システム構築の検討をしている 26 *コメントあり1件「登録・解除については不明」
・他システムとの連携の問題で改修が難しい 1
・国の財政支援が分からないと検討できない 1
・まだ検討していない 8
・内容が複雑すぎて見通したたない 1
・わからない
5
・他 1(当市では市町村事務処理標準システムを使用しているため現在、国保中央会にて開発が行われている状況)
6.
現在の国民健康保険証は12月2日以降の廃止になりますが、経過措置は1年あります。貴自治体では今年10月末期限の国民健康保険証の更新についてどうされますか。
・今年は通常の保険証を送付 34
・今年10月31日をもって終了 0
・未定 6
・他 1(大阪府単位で保険証廃止後の運用を協議している段階であり、確定した運用に基づいて送付を行う予定。)
※全体を通してご意見などございましたらご記入下さい。
・マイナ保険証利用登録有無の確認について、システム上の即時性、正確性が担保されるのか不安視している。
・保険証の廃止に伴うシステム改修については、大規模な改修となるが、本市でも、現在、法令で定められた対応が行えるよう努めているところである。
□自治体名 □担当課名 □担当者名 □TEL □fax □mail 1.厚労省は紐づけ不一致への対応を3月末までにと通知していますが、貴自治体での国民健康保険加入者の紐づけ不一致者の点検の状況は。 □不一致者なし □点検を終えた □一部点検が残っている □点検できていない 2.現在の国民健康保険証は12月2日以降の廃止になりますが、貴自治体で国民健康保険加入者の「マイナ保険証」の利用登録率はどのくらいですか。 □凡そ( )% □一部は把握できているが登録率は不明 □把握できていない 3.貴自治体で国民健康保険加入者の「マイナ保険証」の利用登録者の有効期間や電子証明書の失効時期を把握していますか。 □把握している □把握できていない □わからない 4.「マイナ保険証」利用登録がない方に「資格確認書」を送付することになっていますが、貴自治体の対応は。 □全ての国民健康保険加入者に送付する。 □利用登録者を把握しているので、利用登録者以外の全ての方に送付する。 □原則、申請があった方のみ送付する。 5.今年10月から「マイナ保険証」の利用登録解除ができるようになりますが、貴自治体では「資格確認書」発行に対応したシステム構築についての状況は(複数回答可)。 □システム構築の検討をしている □他システムとの連携の問題で改修が難しい □国の財政支援が分からないと検討できない □まだ検討していない □内容が複雑すぎて見通したたない □わからない 6.現在の国民健康保険証は12月2日以降の廃止になりますが、経過措置は1年あります。貴自治体では今年10月末期限の国民健康保険証の更新についてどうされますか。 □今年は通常の保険証を送付する □今年10月31日をもって終了する □未定 ※全体を通してご意見などございましたらご記入下さい。 |