大阪社保協通信

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http://www.osaka-syahokyo.com/index.html 

1276号 2024.2.2

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大阪社会保障推進協議会

  

来年度大阪府統一保険料公開〜2023年度より2.02%アップ。統一に合わせていない自治体はさらに大幅値上げに!!

19日「大阪府・市町村国保主管課長会議」で2024年度統一保険料出されました。大阪社保協として大阪府に情報公開請求をし、一昨日公開されましたのですでに大阪社保協ホームページにアップしました。     https://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/oth2024.pdf

 

その内容を具体的に見ていきます。

保険料率と金額以下のようになっており、一人当必要保険料では2.02%アップです。

 

2024年度大阪府統一保険料率】

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

9.56%

35,040

34,803

65万円

後期分

3.12%

11,167

11,091

22万円

介護分

2.64%

19,389

0

17万円

 2023年度大阪府統一保険料率】

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

9.18%

33,730

33,698

65万円

後期分

2.97%

10,584

10,574

20万円

介護分

2.61%

19,552

0

17万円

 2022年度大阪府統一保険料率】

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

8.71%

31,854

32,105

63万円

後期分

2.66%

9,426

9,500

19万円

介護分

2.48%

18,306

0

17万円

 

次にモデル保険料で試算してみると別表のようになります。国保が都道府県単位化された2018年度から2024年度の統一保険料の値上げ率はおおむねどのモデルでも20%前後の値上げとなっています。そしてこれはあくまでも統一保険料で試算していますので、いまなお統一保険料にあわせていない自治体ではさらに大幅な値上げとなります。

 

【大阪府統一国保料試算】

@    40歳代夫婦と小学生・中学生の4人家族 A6574歳年金生活夫婦 B40歳代ママと小学生・中学生の3人家族

 

★統一保険料にあわせていない自治体は大幅値上げ

さらに今年度統一国保料に合わせていない自治体では大幅値上げとなります。なお、この一覧表については、添付で大阪府内市町村モデル保険料と統一保険料試算のエクセルのデータを作っています。統一保険料のところにカーソルを合わせてスクロールをしていただくと2023年度保険料がどれだけ値上がりするのかが比較できるようになっていますので、ぜひ活用してください。また、2019年度からいかに値上がりがされてきたのかを確認することができます。

 

★府内全市町村が心から賛成しているわけではない

 この大阪府統一国保について43市町村が心から歓迎しているわけではありません。寝屋川市が被保険者向けに「大阪府で保険料が統一されるためあなたの保険料が高くなるかも」というチラシ配布を行ったことはご存知のとおりです。

●大阪社保協通信1273号 https://www.osaka-syahokyo.com/fax/1273.pdf

 

さらに、都道府県国保運営方針案に対する市町村からの法廷意見聴取の内容が大阪府ホームページにアップされていますが、昨年夏から秋に実施した大阪社保協自治体キャラバンでの意見交換がかなり反映した意見を上げている自治体が多いのが特徴です。

●法定意見聴取の内容 https://www.pref.osaka.lg.jp/kokuho/iryouseido/ikenchoshu3.html

●大阪社保協通信1274号 https://www.osaka-syahokyo.com/fax/1274.pdf

 

また、「黒字分は基金に積み上げない、独自に保険事業に使う」とキャラバンの中で発言した自治体もいくつかあります。これは、大阪府国保運営方針の中に基金について以下のように書かれており、制約を受けるのを避けるためだと考えられます。

 

@ 財政調整基金の積立て

収納率の向上等により市町村の国民健康保険特別会計に余剰が発生した場合に限り、積み立てることができるものとし、一般会計繰入による積立ては行わない。

   A 財政調整基金の繰出し

     次の各号の場合に限り、繰り出すことができるものとする。

なお、保険料率引下げを目的とする繰出しは認めない。

(ア)収納不足の場合の事業費納付金への充当のため

(イ)府財政安定化基金への償還のため

(ウ)府内共通基準を上回る保健事業等を実施するため

(エ)府及び市町村の国民健康保険特別会計における財政調整事業を実施するため

(オ)国通知に基づく保険料・一部負担金の減免を実施するため(ただし、調整会議での協議により実施が認められたものに限る。)

 

★国保運営方針はあくまで「技術的助言」

202312月に開催された中央社保協国保運動交流集会での神奈川自治労連・神田氏は記念講演の最後に、「国保運営方針はあくまで技術的助言であり法律でもなんでもないので、従わなくても罰則はない」「あくまで市町村の合意のもとで運営されるものなので一自治体でも反対すれば合意ではなくなる」旨の指摘をされました。その通りだと思います。

 

 

★統一保険料は絶対に高額になる

以下は厚生労働省が作った資料です。完全統一の場合、矢印が一番長くなっています。これは、納付金にすべて(保健事業費や減免のための費用等)を含むため、高くなるということを示しています。統一でなければこうした費用は市町村が独自に支出するので、納付金には含まれないし、減免制度の原資については厚労省も一般会計法定外繰入を認めています。

23月市町村議会にむけて〜請願・陳情の提出、議員訪問、市民宣伝など

2月に入り市町村議会が迫ってきました。

大阪社保協からの統一国保料資料などを基に、寝屋川市のチラシからも学んで市民向けのチラシを作って地域宣伝に取り組みましょう。さらに議員にむけてのアクションや議会に向けての請願・陳情行動にも取り組みましょう。

いま、物価高で国保被保険者の暮らしはさらに貧困化しています。モデル保険料のBはシングルマザー世帯です。シングルマザーたちの所得は100万円程です。例えば大阪市の場合、2023年度年間保険料は176,779円が2024年度統一国保料では204,596円となり、なんと年間27,817円もの値上がりとなります。28,000円はお米(5キロ2000円相当)70キロ分となります。食べ盛りの子どもが二人いる家庭の場合一か月に最低10キロは必要です。なんと7か月分の米代が国保料値上げで消えてしまうこととなります。「米食べずに保険料を払えというのか」・・・こうした具体的な生活に即したデータも示しながら市町村議員に迫っていきましょう。