大阪社保協通信

メールアドレス:osakasha@ poppy.ocn.ne.jp  

http://www.osaka-syahokyo.com/index.html 

1269号 2023.9.12

  TEL 06-6354-8662 Fax06-6357-0846

大阪社会保障推進協議会

  

大阪府子どもの医療費・ひとり親医療費助成「窓口負担500円はとても重い」〜シンママアンケート実施

全国で子どもの医療費助成制度が前進しています。

現時点で、鳥取県が「18歳まで」「所得制限無」「窓口負担無」というのが都道府県制度としては最も優れています。

 

18歳年度末・所得制限なし・窓口負担なし

  鳥取県(入院窓口負担有)、東京都(未就は窓口負担無)

 

★中卒年度末・所得制限なし・窓口負担なし

  群馬県(18歳までになる予定)、沖縄県

 

★中卒年度末・所得制限なし・年齢により窓口負担あり

福井県・栃木県・京都府・兵庫県・徳島県・福岡県

   

★中卒年度末・所得制限なし・窓口負担あり

秋田県・奈良県

 

一方、大阪府の制度は未だ「就学前」「所得制限なし」「窓口負担1回500円」という全国最低レベルです。この府の制度に市町村が上乗せし、大阪府内市町村では7月1日現在で表のようになっています。

★大阪維新の会ホームページでは「18歳までの子ども医療費が無料」と?!

 しかし、驚くべきことに、大阪維新の会ホームページでは「18歳までの子ども医療費が無料で46万円お得」というページいまもあり、当時大阪市長だった吉村玄大阪府知事に市民が以下のように対話するというページとなっています。なお、500円が必要な事務手数料という事実はありません。

18歳までの子ども医療費が無料で46万円お得|大阪維新の会の子育て・教育支援 (oneosaka.jp)

 

以下、ホームページから転載

大阪市民:吉村さん、大阪市って子どもの医療費が無料って本当ですか?

吉村氏:そうですね、僕が市長になってから子どもの医療費は入院、通院ともに18歳まで実質無料にさせてもらいました。

大阪市民:この間病院に子どもを連れて行ったときには500円って言われて支払ったんですが、無料にならない項目もあるんですか?

吉村氏:それはちょっとややこしいんですが、治療のための医療費じゃなくて、病院がいろんな事務手続きをするのに必要な事務手数料なんですよ。そこだけは無料にできなくてすみません。

大阪市民:いえいえ、とんでもない!それでも十分助かりました。それどころか、保護者的には子育てにかかる医療費が安くてとっても助かりますけど、大阪市に凄いお金がかかるんじゃないかと心配です。大阪市の財政は大丈夫なんですか?

吉村氏:たしかに相当お金はかかります。平成29年の決算見込みで76億円くらいのお金を計上しています。でも、大阪市はいま収入の範囲内で予算を組むというのを徹底して、節約するところは節約しながら予算管理していますので大丈夫ですよ。

大阪市民:金額が大きすぎて逆にピンとこないですね(

★では、「500円は負担が軽いのか、重いのか」?〜ママたちに聞きました

大阪社保協では、「窓口負担ゼロ」にする必要があるとの要求を掲げてきました。しかし、私たち運動団体のなかにも「一回500円はわずかな負担」だという意識があるのは事実です。

そこで大阪社保協が立ち上げた一般社団法人シンママ大阪応援団で「窓口負担500円アンケート」を7月に行いました。応援団では現在シングルマザーとその子どもたち、ひとり親世帯で育った女性たち200世帯・500人以上をサポートしており、その7割が大阪府在住です。35人から回答がありました。

@   府の制度が全国で一番悪いことを   知っていた1(3%)   知らなかった34(97%)

A窓口負担ゼロの自治体があることを   知っていた9(26%)  知らなかった25(74%)

B500円負担は                 重い26(76%)     重くない2(6%)

C500円をねん出するために犠牲にするもの

◆圧倒的に多いのは「食費」です。

500円をねん出するためにおかずを減らしたり遠いところに行くときも電車に乗らず歩いたりします

○食費、雑費、外出費を犠牲にします。健康のため、生きるために、楽しいこと、嬉しいこと、好きなことを犠牲にします

○親のごはんのおかずを減らしたり、ポイ活(ポイント活動)しています

○果物やおやつ、遊び等を削らざるを得ない

○食べることを犠牲にします。それ以外はもう最低限で既に生活しているので、犠牲にするものがありません。減らすとすれば食費のみです

○衣服を購入しない、食費を削る、出かけない

◆そして「医療費」です。窓口負担500円のために「医療」を我慢しているという逆転現象がおきています。

○自分を犠牲にする。なるべく病院に行かないようにしている。行くときは、診療科目が多い病院を選び、まとめて行く。(皮膚科と整形外科など)2診察かかっても500円の負担で済むため

○他の病院をあきらめたりします

○病院に行く回数を減らす。病院に行かないように常備薬を置いておく

○東京のひとり親は医療費がかからないと聞きました。羨ましい。子どもの病院は行っても自分は控えたり、月をまたぐようなら病院に行かなかったりしてます

 

★自由記述から

○大阪市も負担なしにしてほしいとずっと思っていました。他の自治体もしているならしてほしいです。すこしのおかねだとしてもしんどいです。

○大阪府の制度はいい方だとおもっていた。長女がすでに18歳になっていて3割負担なのでそれに比べればだいぶ安いと思っていました。22歳まで無料の地域もあると聞いて大阪市もそうなってほしいです。長女が体調不良の時は私が代わりに受診して薬を処方してもらっています。3割負担はとてもじゃないけと支払えません。

○体のことや病気のこともあり、色々な科にかかります。それが一人ではないので、かなりの金額になります。でも、医療費だから仕方がないと思っていましたし、10割負担から考えるとありがたいとも思っていました。本来の医療費を考えれば、500円はありがたいです。ですがその500円はたくさんの事を我慢している貴重なお金です。他府県では自己負担なしが実現しているのに、大阪では実現しないのは悲しいです。

○1回500円とだけ見たら安いと思ってしまうのかも知れませんが、その500円があれば一日のご飯代になります。必死に働いても母子家庭の収入からすればとても大きい500円です。少しでも病気になれば給料は減ります。そんな中の500円は決して負担が軽いとは言えません。

500円はとても大きいです。どなたかのように、500円なんて大した金額じゃない!と言ってみたいです。きっと500円を500円くらいと思えるような生活をされているからでてくる言葉だと思うので。こんなに苦しくて、不安な毎日を送るのはとても辛いです。かといって、モラハラ元夫との暴力生活を続ける事は不可能でした。私だって家族4人暮らしがしたかったです。でも、それが叶わなかった。その結果、医療費の支払いすら躊躇する生活を送る事になりました。子ども達に満足な生活をさせてあげられない自分が嫌になります。100円均一の物も、1つ買うのに何度もためらい諦める事も沢山あります。500円の負担は大きいです。その、500円の支払いが大したこともないと理解しようとするわけでもなく、その立場に置き換える事もできない方がおられる事が1番痛いです。

500円払えないかといえば、今払うことは不可能ではないですが、500円払うなら行くか?と思うと、我慢します。月上限が2500円なので、病院に行かなければならない月は、行きたかった病院全てをまとめてひと月に行くようにします。出来れば、初診は月初にしたいのですが、必要に迫られる時は初診が何故か月末になってしまいます。なので、なかなかうまくひと月にまとめられません。子供は大きくなるにつれ、体力も付き行かずとも治す機会が増えてきましたが、それに反比例して、自分は年齢と共に持病が出てきます。私の場合、難病指定されてもよい病気がありますが、指定されていない為、定期的な通院と、このままいけば一生薬を飲むことになりそうですが、特定疾患の為、特別な点数が加算されており、薬も相当に高額なはずです。それを一生続けることになります。今は500円で、それでも辛いですが、これが子供が18歳を超えると3割負担かと思うと、払えないなと思います。年齢と共に病気は増える訳で、子供に払える限りのお金を費やして育て上げた後、何も残っていないところで自分は年を取っていることを考えると不安でしかありません。経済状況は相当悪いはずです。医療費だけは命に関わるので、子供が18歳を超えてからも、継続してサポートして欲しいと切に願います。