大阪社保協通信 第1227号 2020.1.27
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「申し訳ない」「努力する」しか答えられない大阪市
「持ち帰り検討、再回答」を約束〜1月22日大阪市要介護認定大幅遅延問題交渉
大阪社保協は、1月22日午前、大阪市介護保険課と要介護認定大幅遅延問題で交渉(団体協議)を行いました。
この交渉は、2019年5月頃から、大阪市の要介護認定が、法律で「申請から30日以内」と決まっているにも関わらず、調査員の退職補充ができなかったため大幅に遅れ、2〜3ヶ月経たないと認定されないという異常事態が続いているため、その改善を求めて行ったものです。
★改善の目途も見通しも示せず 「来年度中には改善したい」!?
大阪市側は、訪問調査を一括委託している市社協の調査員について、「現在216人まで確保した」と回答しました。しかし、その中には週2〜3日しか勤務しない調査員もいるため、「常勤換算数」について示すように求めましたが、「計算していない」と無責任な返答でした。
認定遅延の改善状況については、「ピークは9月で16000件の未処理があったが、12月には1500件ほど減って14500件程度になった」と返答しましたが、いつまでに解消するのかについては答えられませんでした。
申請から調査までの日数についても、9月が「42日」で、12月は「40日」とわずか2日しか短縮できておらず、30日以内認定には程遠いものでした。
昨年10月の大阪市会委員会で課長が、「今年度末までには30日以内認定ができるようにしたい」と答弁しているが、この状態でできるのかと聞くと「3月末までには難しい」と返答。「いつになったら改善するのか」と追及すると、苦し紛れに「来年度中には改善したい」と言い出す始末でした。交渉参加者からは「府内で一番高い介護保険料を高齢者から取りながら、要介護認定は法律を守らないとは納得できない」と怒りの声が上がりました。
大阪市側は「認定が遅れていることは申し訳なく思っています」「期間内に認定できるよう努力します」と繰り返すだけでした。
社保協側は、早急に30日以内認定ができる体制を確保するために、改めて数値的な根拠をもって、改善見通しを示すよう強く求め、大阪市側は「分かりました」と答えました。
★認定事務は民間委託、調査は市社協一括委託 構造的問題の改善触れず
大阪市は認定事務の大半を「認定事務センター」に集約し民間事業者に委託し、訪問調査は、大阪市社協に一括委託しています。交渉では「認定調査委員の多くが契約社員で有期雇用で、昨年3月末で55人が退職して補充が遅れたというが辞めさせているではないか」との調査員の雇用形態、待遇についての問題も指摘しました。
大阪市は、こうした構造的問題の改善についても何ら答えず、「次期委託契約で改善を検討したい」と述べるにとどまりました。
★認定遅れに伴う不利益解決問題 検討・再回答を約束
大阪市の要介護認定が大幅に遅れるため、要介護度が決まらないため、介護サービスの利用を一時中止したり、要介護度が変わったことが遅れて分かるために、介護給付がされなかったりという「不利益」の被害が少なくない利用者に生じており、ケアマネジャーの負担もきわめて大きくなっています。
○ケアプラン作成依頼届の月遅れ問題
介護保険では、ケアマネジャーにケアプラン作成依頼したことを市に届け出ている場合には原則1割負担で介護サービスを利用できます。
大阪市は、要介護認定を遅らせた自らの責任を棚に上げて、利用者が提出する「ケアプラン作成依頼届」(大阪市は『旨の届』と言っている)について、「月をまたがっての届出は認めない」としています。認められないといったん10割を支払わないと介護サービスが受けられなくなります。
大阪社保協側は、介護保険法令や他市で月を遡って受け付けている実態を示し、大阪市に対し、月をまたがって受け付けるよう柔軟な取り扱いを求めました。
大阪市側は、「現在の運用になった経過を調べて検討します」と、持ち帰り検討を約束しました。
○介護ベッドなど福祉用具の理由書提出遅れ問題
介護保険制度では、介護ベッド(特殊寝台)などの福祉用具貸与は、「要介護2以上」でないと給付の対象になりませんが、市に「理由書」を提出し確認を受ければ給付が認められます。要介護認定が遅れて、要介護2以上だった人が認定更新で、後から要介護1以下に下がった場合は、理由書を遅れて提出することになります。大阪市が「理由書の提出を確認した日以降でないと給付対象としない」としているので、それまでの間は給付対象とならず、利用者が10割負担となったり、ケアマネジャーが負担を肩代わりする事態になっています。
大阪社保協側は、国の通知でも理由書提出時期はいつまでとは書かれていないことを示し、「理由書提出が遅れるのは大阪市の認定遅れが原因であり、柔軟に対応すべきだ」と迫りました。これについても、持ち帰り検討をすることになりました。
○「暫定ケアプラン」問題 2度手間は省略できることを通知せよ
要介護認定が遅れて、要介護度が決まらない期間は、「暫定ケアプラン」をケアマネジャーが作成して介護サービスを利用し、認定結果が出た後に、改めてケアプランを作成しています。ケアプラン作成に当たっては介護保険の運営基準で、アセスメント(利用者に自宅で面接)、サービス担当者会議、ケアプラン説明、交付など一連の手続きが義務付けられています。一部でも抜けていると「運営基準違反」として、ケアマネジャーの介護報酬がカットされます。要介護認定が遅れて暫定ケアプランを作ると認定後のケアプラン作成時と2度同じことをしなければならないことになり、ケアマネジャーの負担は2倍になります。
この問題について、大阪市側は、「要介護認定が出た後、利用者の状態も利用しているサービスも変化が無ければ2度やる必要はなく、経過記録さえあれば暫定ケアプランを本プランとみなすことが出来ます」と返答しました。交渉参加のケアマネジャーからは「そのような説明は、大阪市から受けていない」「多くのケアマネジャーは報酬カットが怖くて2度手間をしている」との声が上がりました。
大阪社保協側は、認定遅れで暫定ケアプランを作成した場合、状況変化が無ければ「2度手間は必要ない」とはっきりケアマネジャーに通知を出して周知徹底するよう強く求めました。
大阪市側は、「ご意見を踏まえて検討します」と答えました。
速やかな検討と回答を求める
今回の交渉では、大阪市側はほとんどまともな説明や回答ができなかったため、約束した「再検討」を速やかに行い、解決できる回答を示すよう今後も要請していくことにしています。
藤井寺市民病院を守るため、病院の良さを広げ市民に知らせる活動を展開中〜藤井寺社保協
私たちは10月に2回の幹事会を開催し、9月26日に厚生労働省が公表した424公的・公立病院の中に藤井寺市民病院も入っており、これはえらいことになると議論しました。
市民病院の良さを広げ、何よりも市民に知らせることが大事だと(市民があまり知らない中)、署名の取り組みでまず知らせることと、市長・医師会・歯科医師会・薬剤師会・病院長・区長会長に申し入れました。藤井寺市としては「本市としては、今までどおりの医療サービスを提供していきたいと考えている」とのことでした。 しかし、最終的に3月に大阪府知事が判断するもので(維新の会の知事で安倍さんの言うとおりに動く危険があるので)えらいことになると判断し、署名とビラの配布をしました。
12月24日午後3時から30分の市長との懇談に役員5名が参加し、市長・副市長・病院事務局長・事務局自治用と懇談させていただき、市の考えを聞く中で市民の声を訴えさせていただきました。
「藤井寺市には産婦人科もなくお産ができない。市民病院は地域の基幹病院、災害時の拠点病院になっていることからも絶対に守ってほしい。頑張ってほしい」と。懇談の中で市長は「国は撤回する気がないと言っている。知事は国の決めたこととだと言っている」と発言あり。「岡田市長になって市民病院が無くなったという汚名をのこしてはならないなどお願いしました。市長自身も「就任と同時に大阪市大病院にも2回出向き、医師の支援をお願いしている。今まで通りの医療提供ができるように頑張る」と。
さらに私たちは保守的な区長会にもお願いの訴えと署名用紙を入れて封書で送付しました。区長会に持参してくれた区長もあったり、郵送してくれた区長もおられびっくりしました。無理かな?という思いもありましたが、やはり区長会にでて発言していくことの大切さを実感しました。
市民病院前では12月と1月に署名宣伝行動に取り組みました。また、イオン前でも12月に取り組み、市民の協力をいただけるよう少しずつ前進しています。患者さんは「絶対に守ってほしい」「耐震化したばかりなのに何を国は考えているんや」「家族ががんで入院し助けられている。絶対に持ってほしい」「子も孫も世話になった」「つぶさんといて」などたくさんの声をお聞きしました。
1年の新年会を兼ねた区長会では市議会議長の議員が参加されたので「何回も議会にお伺いさせていただいてもなかなか議長にはお会いできないですね(公明党議員)。私たちは市民病院を守るためのお願いをさせてもらっています。署名も取り組んでいます。公明党さんも守るためにご協力をお願いします」伝えると、「もちろん私たちも守らなあかんと思っていますよ」「心強いですわ。よろしくお願いします」と話す。
12月の議会回りをしたときには、維新の会の一人の市議と自宅でお会いしお願いすると、「勿論市民病院は守らなあかんと思っています」と言われたので、「うれしいですわ。絶対守ってくださいね」と伝える。
署名の提出は2月18日に府議会あてに提出予定で、とりあえず1月めどに頑張って署名を集めきることを確認しています。また、18日には団体請願署名も提出する予定で、社保協河南ブロックとして取り組んでいます。 (藤井寺社保協 関屋会長)
大阪社保協 地域・団体活動者会議 ★日 時・・・2020年2月1日(土)13時〜16時 ★場 所・・・大阪府保険医協会 ★議 題 @「第30回総会(3月7日)議案」に対する討議 A地域での社会保障運動についての交流 B国保・介護保険の取り組み等 ★活動報告用紙を1月29日までにお送りください。 |
当面の機関会議・取り組み予定】
□1月28日(火)大阪府国保課との懇談(15:00- 大阪府本庁新別館8階共用会議室)
□1月31日(金)介護保険対策委員会(19:00-大阪民医連)
□2月1日(土)2019年度地域・団体活動者会議(14:00-大阪府保険医協会)
□2月3日(月)「自立支援介護」問題検討会議(19:00-大阪民医連)
□2月6日(木)大阪社保協事務局会議(14:00-大阪社保協事務所)
□2月7日(金)大阪府統一国保問題を検証し問題提起する討論集会(仮称)」(大阪府保険医協会)
□2月13日(木)大阪医療問題連絡会学習交流会(18:30-大阪グリーン会館)
□2月20日(木)大阪社保協第8回常任幹事会(18:00-国労会館)
□3月4日(水)中央社保協運営委員会
□3月5日(木)大阪社保協事務局会議
□3月7日(土)大阪社保協第30回総会
□3月16日(月)大阪社保協滞納処分対策委員会(18:00- 国労会館)
□3月27日(金)大阪市国保をよくする実行委員会・大阪社保協滞納処分対策委員会・大阪市との「大阪高裁判決」についての協議