大阪社保協通信  1221号 2019.11.19

 

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大阪市〜異常な要介護認定遅延に対して1115日「要望書」提出。大阪市内居宅介護支援事業所アンケート312事業所から回答、深刻な実態寄せられる。

大阪市で5の連休明け以降、要介護認定の異常な遅れが続いています。

大阪社保協では、93日にこの件で担当課のヒアリングを行いましたが、「調査員不足が原因。補充について鋭意努力をしている」とのことでしたが、昨日開催された生野社保協キャラバン事前学習会でケアマネジャーから「121日更新の要介護2の方のケースで101日に更新申請をしたところ先日『認定調査に122日に伺います』との連絡がきた。年内に認定がでるかどうかもわからない」との報告もあり、一向に事態は解決していません。

大阪社保協では、先週15日に担当課に要望書を提出し、文書回答及び団体協議をもとめました。

 

 

2019年11月15日

大阪市長 松井 一郎  様

 大阪社会保障推進協議会

 会長  井上  賢二

 

大阪市の要介護認定事務遅延問題の抜本的解決を求める要望書

 

 大阪市の要介護認定の大幅な遅延問題について、本年9月3日に担当課の事情聴取(ヒアリング)を行い、11月1日には関係資料の提供を受けたところである。その結果、介護保険法の規定どおり「申請から30日以内」に認定できているのはわずか2.0%(2019年8月分。以下同じ)、「31日〜59日」が51.4%、「60日〜89日」が44.6%、「90日以上」が2.0%という実態が明らかになった。

 9月3日に、担当課は「遅延の原因は、制度見直しにより今年度申請件数が増えたことと調査員の補充が出来なかったこと」と説明し、「8月末で190人、あと10名程度、合計203人の調査員が配置できれば解消できる」とのべ、提供資料よればその人数はほぼ充足された。10月1日の大阪市会民生保健委員会では、大阪市は「今年度末には『原則30日以内』に認定できるようにする」と答弁している。

 しかし、現場では一向に改善の兆しが見られず、「9月に申請した人の調査がやっと11月。このままでは3ヶ月以内に出るかどうか分からない」という事態も生まれている。「必要なサービスが利用できなかった」「暫定ケアプランで二度手間がかかっている」「介護度が下がったことが後からわかり10割負担が発生した」など深刻な事態が日々生まれている。

 法定期間内に要介護認定をするという保険者として最低限の義務も果たさないまま、今日まで事態を放置した大阪市の責任は重大である。

 下記のとおり要求するので速やかに回答し、団体協議を開催すること。

 

 

1 認定申請から30日以内に認定できる体制を直ちに確保すること

2 現時点での遅延状況と調査員の稼働状況から根拠ある見通しを示すこと

3 大阪市の現行方式(@認定事務の大半を「事務センター」に集約、A調査は一法人に全て委託)を見直すこと。そのために介護支援専門員及び関係者からなる検討委員会を設置し広く市民の意見を聞くこと

4 要介護認定が遅延している場合、ケアプラン作成依頼届(いわゆる「旨の届」)の月をまたがっても受け付けるなど柔軟に扱うこと

5 「福祉用具の例外的貸与理由書」提出・確認についても、要介護認定が遅延した場合は遡って給付対象とするなど柔軟な扱いとすること

6 予防プランの扱いについて、地域包括支援センターによって取り扱いが異なり、ケアマネジャーに負担をかける扱いを是正すること

7 要介護認定が遅延している場合の「暫定ケアプラン」の扱いにおいて、実地指導・事業者調査で、わずかな不備や事務の遅れをあげつらって運営基準減算とするなどの過剰な指導は行わないこと

 

大阪市内ケアマネ事業所98%「困っている」と回答

 大阪社保協では111日〜15日の2週間、「緊急ケアマネアンケート」を大阪市内全居宅介護支援事業所(1340事業所)に対して実施、312事業所から回答がありました。質問内容は@ケアマネ有料化とA要介護認定遅延問題です。

 要介護認定遅延問題では、98.1%が「困っている」と回答。さらに、遅延したことでなにがおきているのかについては、

要介護認定結果が出るまでの間の暫定ケアプラン作成等が必要になり手間と負担が増えた・・・95.8%

要介護認定結果が出ないので利用者・家族が不安になられた・・・81.7%

◆要介護認定が決まらないために必要なサービスが利用できなかった・・・79.2%

◆要介護認定が出ないため介護給付できず事業者・利用者に迷惑がかかった・・・70.8%

との回答が寄せられており、大変な支障が起きていることがわかりました。

 

【寄せられた深刻な実態についての声の一部】

◆要介護と要支援のサービスのはざまにいる利用者が要支援となると計画していたサービスが自費になってしまう

◆更新の度に暫定のプラン作成が発生している。60日前から申請しているにもかかわらず、事務負担の発生はおかしい。特例で更新遅延の場合は、暫定プラン作成を免じてもいい事態である。

◆状態が悪化し区変をするが、認定調査がかなり遅いため、必要なサービスを受けることができず困っている。

◆現プランが自動的に暫定プランになる形を取れるといいと思います。

◆請け負っている利用者さんで、介護と障害のダブル更新認定の申請をしているにもかかわらず、障害認定の調査のみで、こちらから確認すると、いったん帰られた調査員から、数時間後電話がかかってきて、介護保険の調査は利用者さん本人とその日電話のやり取りで調査したとの報告。こんなこと初めてです。

◆ヘルパー事業所が入っていた利用者が要介護1の見込みで暫定プラン1時間の生活援助3を週1回、それまでと同じように使っていたが、結果が要支援2となりました。状態が悪化して入院し、在宅復帰が難しい状態になり入所を検討したいとの意向で区分変更の申請をしたかったが、既にサービスを利用していたので取り下げもできずただ待ち続けた。急性期病棟での入院期間日数制限があり、施設選びに要介3・・・

◆術後の区変で結果要支援(以前要介1)となり、又、結果一ヶ月半遅れの為、身体介護の請求ができなかった。

◆暫定プランが毎月2〜3件あり、手間と負担が増え、書類作成に終われおわれ忙しさが増しつらいです。

想定する要介護度と実際の介護度のひろさによる、サービスの減少を利用者に説明するも理解が得られない。区変の対応が遅れる。

◆介護給付と予防給付は全く別物なので支援2と介護1の利用者の遅れは非常に困ります。

◆更新にもかかわらず、認定が下りないため、要支援の人のデイサービスが利用できなくなり、入浴もできず大変困った。月半ばで結果が出てすぐに利用したが1ヶ月分の支払いとなり利用者に大変迷惑がかかった。

◆結果が出るのが遅いということで多くの高齢者がまだ利用する予定なく、もしもの時にと申請しようとしている悪循環!!認定が出ないままサービス担当者会議の開催をしなくては、暫定ケアプランが立てられず結果もいつ出るかわからず困る。

◆サービスを利用している人が、結果が出ないことで、結果が出るまで全ての利用しているサービスを中止した。60日前に手続きしているのにケアマネが手続きを忘れているように思われ、人間関係がおかしくなった。サービスを必要としている人に必要なとき使えないのは制度的にどうかと思われる。

◆期限が切れてからの調査、月を跨ぐことになり全く予測ができない、状態の悪い方であれば死去して調査を受けられず期間を過ぎてしまった際、必要でサービスが入った際保険がきかない。

◆要介護→要支援に月遅れで結果が出ると、包括との契約やサービスの制限があるので困る。介護ベッドを利用している方の理由書作成に手間がかかる。

◆大阪市はサービス事業所には協力という名の命令を強要するが自分達は努力という言葉で法を犯している。

◆サービス利用ができなく、筋力低下、意欲低下する利用者様がいた。

◆1ヶ月〜2ヶ月、サービスを止めざるを得ない。支→介、介→支などの場合の処理が手間がかかりすぎる。

◆区分変更で3ヶ月かかり施設(ショートステイ)や各事業所への支払いが利用者様に1度に請求が行き、各月の支払いでは理解できていても1度に多額の請求となり説明を受けていても精神的に負担金の支払いが心配になった家族様が増えた。

 

 

1112月「介護保険次期4大改悪を学び動く月間」に〜府内各地で学習決起集会を企画

大阪社保協では11月・12月を「介護保険次期4大改悪を学び動く月間」に設定。各地での介護保険改悪許さない学習決起集会の企画を呼びかけています。

本日開催の河南ブロック学習決起集会では富田林社保協が富田林市内全介護事業所に案内したところ、30を超える事業所から参加申し込みがありました。ぜひこれからの学習会でも同様に地域の介護事業所に案内し、共同行動をすすめていきましょう。

 

 【現時点で決定している学習決起集会】

  北摂豊能ブロック

     豊能ブロック  1211()1900〜  豊中市蛍池公民館

     吹田社保協   119()1030〜  いのこの里

  北河内ブロック    1213()1830〜 

     交野社保協   1130()1400〜 青年会館

     枚方社保協   121()1000〜  枚方市民会館

  南河内ブロック    1119日(火)18:30〜 富田林消防署4階視聴覚室

  大阪市内ブロック   1120日(水)18:30〜 大阪民医連

  泉南ブロック      1126()1830〜 岸和田市総合福祉センター

大阪民医連       1115           ケアマネジャー学習会 

【当面の機関会議・取り組み予定】

122()大阪社保協介護保険対策委員会(1900-大阪民医連)

124()中央社保協介護部会・運営委員会

125()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

126()「自立支援介護」問題研究会(1900-大阪民医連)

1219()大阪社保協第6回常任幹事会(1800-国労会館)

1226()大東市介護保険現地対策会議

1227()大阪社保協仕事納め

16()大阪社保協仕事始め

18()中央社保協国保部会・運営委員会

19()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

115()河南ブロック会議(1400-松原民商)

116()大阪社保協第7回常任幹事会(1800-国労会館)

123()大阪社保協滞納処分対策委員会(1800-国労会館)

21()2019年度地域・団体活動者会議(1400-大阪府保険医協会)

25()中央社保協全国代表者会議(1030-国会議員会館)

26()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

220()大阪社保協8回常任幹事会(1800- 国労会館)

37()大阪社保協第30回総会