大阪社保協通信  1214号 2019.9.19

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912日大阪市と交渉〜生活援助ケアプラン、届出させたが、「検証」体制はいまだに未定!?  


 昨年10月から一定回数以上の訪問介護(生活援助中心型)を位置付けたケアプランは市町村への届出が義務化された。市町村は届け出たケアプランを「検証」するとされているが、大阪市では、いまだに「検証」体制すら決まらず。今年5月13日のヒアリング会場では届出されたケアプランがドーンと箱に入れて置かれていた。
 
制度改定により、2018年10月以降、次の回数以上の訪問介護(生活援助中心型)を位置付けたケアプランは市町村への届出が義務化された。市町村は届け出たケアプランを地域ケア会議等で多職種の参加を得て「検証」するとされた。
     
要介護1:月27回 
     
要介護2:月34回  
     
要介護3:月43回 
     
要介護4:月38回
     
要介護5:月31回

大阪社保協は9月12日午前、生活援助ケアプラン届出問題で大阪市介護保険課と  

交渉を行いました。
【大阪社保協が2019年5月23日に提出した要求書】   
.事業所に対する通知(事務連絡)に、「回数制限を目的とするものでない」ことを明記すること。また、ケアプラン 

は利用者の同意なしに変更できない旨も明確に記載するなど、周知文を改めて出し直すこと
.提出の必要がないにもかかわらずケアプランを届け出られた事業所に対しては直ちに、その旨を連絡しケアプ 

ランを返却すること
3「適正化」(ケアプラン点検)の対象に振り分けるとしている「複数プランのある事業所」「身体介護を生活援助で

請求している疑い」については、機械的な扱いであり、断じて行わないこと
.「検証」のための「地域ケア会議」には、利用者・家族の実態と意向が最大限尊重されるようにすることとし、利

用者・家族の参加が可能な形態にすること
.国に対し、この生活援助ケアプラン届出制度について見直し・撤回を要望すること。あわせて、大阪市の基準

条例を改定し、届出義務化を撤廃すること。

★「利用制限でない」趣旨の周知—社保協要求でようやく改善
 大阪市は「回数制限を目的とするものでない」という説明をこれまで周知文に記載せず、今年5月13日のヒアリングで指摘し、5月23日の要求書で改善を求め、6月の集団指導資料にやっと記載されました。

【大阪市の回答要旨】
 介護保険事業者等集団指導で「一定回数以上となったことをもって、利用制限を行うものではありません。また、ケアプランを変更するためには、利用者の同意を得る必要があり、ケアプランの変更を強制することはできません。」と資料に掲載し説明済みです。

 【交渉内容要旨】
社保協:利用制限でない趣旨については、大阪市は、今年523日提出の要求を受けて6月の集団指導資料には  

掲載したが、大阪市の昨年の事務連絡には一切記載されていなかった。事業所への周知文は出すのか。集団指導資料には「詳細は決まり次第周知します」とあるが。いつ出すのか。
大阪市:詳細が決まり周知文を出すことがあればそれに記載することになる。

★届出不要ケアプラン 半年放置してようやくケアマネに連絡
 届出対象のケアプランは「生活援助中心型」の回数が一定以上のものだけで、身体介護や身体+生活は届け出る必要がありません。5月13日のヒアリングでは、届出が必要ないにも関わらず届出された大量のケアプランがそのまま放置されていることが判明。大阪社保協は「直ちに、その旨を連絡しケアプランを返却すること」と要求していました。

【大阪市の回答要旨】 
 届出の必要がないにもかかわらずケアプランを届け出られた事業所に対しては、個別連絡のうえ、届出書類を破棄しています。

【交渉内容要旨】
社保協:昨年10月からケアプランを届出させ、届出不要にもかかわらず、半年近く放置し、5月13日のヒアリングでこちらが指摘してようやく連絡したことになる。これまでに何件届出があって、その内の何件が届出不要プランだったのか。
大阪市:本年91日時点で279件のケアプランが届け出られ、その内112件は届出不要だった。
社保協:届出不要であることは、事業所にはいつ、どのように連絡したのか。
大阪市:5月の指摘を受けて、その後リストアップし担当職員で手分けをして事業所に連絡した。6月初めには全件連絡処理できたと思う。

適正化(ケアプラン点検)の対象振分けについて
 大阪市が2018年12月に示した「実施要領案」では、「同一事業所で複数の多数回プランがある」「身体介護を生活援助で請求するなど不適正な疑い」の二つの類型については、機械的に「適正化」(ケアプラン点検)の対象に振分ける案が記載されていました。

【大阪市の回答要旨】 
お尋ねの機械的な扱いについては、現時点で確定した取扱いではありません。

【交渉内容要旨】
社保協:「機械的な扱い」と自ら認めたが、現時点での扱いはどうなっているのか。
大阪市:届出ケアプランを市が確認するところまではしている。地域ケア会議での検証は今のところ難しく、検証方法は決まっていない。

社保協:昨年12月時点での「実施要領(案)」で適正化の対象としていたE「複数プランのある事業所」とF「身体介護を生活援助で請求している疑い」については、どうするのか。
大阪市:E「複数プランのある事業所」は、利用者の状態象に関わらず画一的に生活援助を位置付けるプランを想定していたが、届出プランにはそのようなプランはなかったので、このEの類型はなくなる。F「身体介護を生活援助で請求」については、届出理由にそのように書いてある場合は、ケアマネジャーに対し、給付請求のルールとして不適切であることはお伝えしないといけない。ただ、適正化(事業者調査)の対象にするかどうかは未定である。

社保協:厚生労働省の実地指導見直しでは確認項目が大幅に減り、確認する対象も1年以内の書類に限定されたが、大阪市の実地指導、事業者調査はどうするのか。
大阪市:国の実地指導の効率化は実地指導の頻度を上げるためのものであり、大阪市は実地指導率16.6%を達成しているので確認項目は減らすことは考えていない。事業所の提出書類の負担は減らす。事業者調査において今年7月までは「過去5年分」のケアプランの給付情報を用意するように事務連絡に書いていたが、8月実施分からは、原則確認するのは「過去1年分」と事務連絡に記載して通知している。ただ、1年分を見ていくなかで、過去もさかのぼる必要があると判断した場合はその分も書面上確認することがある。

社保協:「身体介護を生活援助で請求」が不適切と言うが、区分支給限度基準額を超えないためにケアマネジャーが苦労している実態がある。利用者の在宅生活を支えるために、責任を持った対応が必要である。「身体介護中心型」と「生活援助中心型」は厚労省通知(老計10号)改定でその区分は微妙になっており、それを踏まえた柔軟な扱いが必要である。限度額を超える場合はどうするのか。
大阪市:利用者の自立支援と地域資源の有効活用の観点からケアプランを検証することになるが、限度額を超える場合は@10割負担で利用するか Aインフォーマルサービスを利用するか B在宅生活での限界として施設等の他の生活を検討 することになる。
社保協:わざわざケアプランを届出させ、地域ケア会議等で検討するのは、こうした現行制度では支援困難な利用者をどう地域で支えるかを保険者としても検討するためである。例えばヘルパーの回数が不足する利用者には支給限度額を大阪市独自で「上乗せ」して在宅生活を支えるという方向も検討するべきである。
大阪市:介護保険は全国統一の制度であり、大阪市だけでは上乗せは困難。
社保協:大阪市は独居高齢者の割合が極めて大きく低所得者も多い、独自の上乗せ措置は滋賀県などでは例があり検討すべきである。

★多職種でのケアプラン検証の仕組みについて

【大阪市の回答要旨】 
 ケアプランの多職種による検証については、様々な事情のあるケースが多く、地域ケア会議の活用の是非も含め、検証の仕組みや対象、参加職種等を慎重に検討しているところです。

【交渉内容要旨】
社保協:昨年10月からケアプラン届出をさせているのに、いまだに「検証体制は検討中」として何の回答もしないのは、届出たケアマネジャーをないがしろにするものである。市担当者が確認して「検証の必要がない」という問題なしケアプランは、その旨をケアマネジャーに連絡して、「もう確認は終わった。ケアプラン見直しの促しはない」とはっきりさせるべきである。
大阪市:ケアプランが適切かどうかをきめるものではないので通知は考えていない。
社保協:何の音さたもないのでは、届け出たケアマネジャーはいつまでも安心できない。早急に連絡するべきである。例えば、ケアプランを届け出たケアマネジャーに「ケアプランは確認済み」という押印をして返却するなどの方法もある。
大阪市:できるかどうか検討する。

社保協:ケアプラン届出開始から1年になろうとしているのに、いまだに検証体制が決まっていない。いったい何時までに決まるのか。
大阪市:申し訳ないが時期は言えない。

★国への撤廃要望、大阪市としての独自に届出制廃止について
【大阪市の回答要旨】 
 本市におきましても、制度改正の趣旨を踏まえ、適正な制度運用に努めているところですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【交渉内容要旨】
大阪社保協:この生活援助ケアプラン届出制度は、いまだに検証体制もできない大阪市の対応が示すように、大阪市の介護現場の実態にそぐわない。国に対し見直しを求めるべきである。
大阪市:政令指定都市の介護保険担当課長の会議があり、そこで共通事項になれば、国へ要望することも考えられる。各政令指定都市はいろいろ対応を検討しており、例えば横浜市は、ケアプランの傾向を地域ケア会議で報告していると聞く。

社保協:大阪市がイニシャチブをとって国への要望をまとめていくべきである。居宅介護支援の運営基準13条18号の2で生活援助ケアプラン届出が義務化されたが、大阪市の基準条例でこれを除外すれば、大阪市として生活援助ケアプラン届出義務はなくせる。
大阪市:居宅介護支援の運営基準13条18号の2は「従うべき基準」とされているので、難しい。
社保協:国が自治体の現場の実情に合わない届出制度を義務化した。これに従う必要はない。地方自治体として独自の基準を条例化すべきである。

★大阪市での生活援助ケアプラン届出問題の経過
 2018年8月31日 大阪市周知・照会 事務連絡
      
9月28日 大阪市周知    事務連絡
     12月 大阪社保協アンケートに大阪市回答・資料提供
    (12月18日 生活援助ケアプラン届出問題学習会)
 2019年3月13日  大阪社保協の情報公開請求に資料提供
      5月13日  大阪市介護保険課ヒアリング
      5月23日  大阪市へ要求書提出
      6月11〜18日  大阪市「介護保険事業者等集団指導」(
指導事項に「利用制限を行うものではありませ    

ん」と記載  
     (6月18日  生活援助ケアプラン届出問題ケアマネ懇談会)
      6月20日  
大阪市文書回答
      7月10日  交渉(協議)予定 ⇒大阪市の事情により延期 
      9月12日  交渉(協議)開催

(文責 大阪社保協介護保険対策委員長 日下部雅喜)

 

★☆★☆★☆★☆大阪社保協 当面の機関会議・取り組み予定★☆★☆★☆★☆

919()大阪社保協第4回常任幹事会(1800- 国労会館)

□920()介護保険料・国保料・後期高齢者保険料不服審査請求一斉提出行動

928()大東市介護保険聞き取り調査スタート学習会(2時〜 大東市民会館)

102()中央社保協国保部会・運営委員会

103()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

1017()大阪社保協第5回常任幹事会(1800- 国労会館)

1022()国保問題西日本集会(10時半〜 大商連会館)

115()河南ブロック会議(14時〜松原民商)

116()中央社保協国保部会・運営委員会

117()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

118()大阪社保協滞納処分対策委員会(18時半〜大阪社保協事務所)

1111()「くらし困りごとなんでも無料電話相談」(10時〜18時 会場は大阪民医連)

1116()大阪社保協第3回幹事会(1400- 大阪府保険医協会)

1119()河南ブロック主催「秋の介護保険学習会」(18時半〜富田林消防署)

124()中央社保協国保部会・運営委員会

125()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

1219()大阪社保協第6回常任幹事会(1800- 国労会館)

国保都道府県単位化・滞納処分問題西日本集会

 

9月10月議会では都道府県単位化後初めての国保特別会計の決算がだされます。そして、11月末から12月初旬にかけて、来年度の事業費納付金・標準保険料の試算がだされます。さらには、来年度からの「保険者努力支援制度」では、赤字解消・一般会計法定外繰入に対する減算が導入されます。また、来年は都道府県国保運営方針見直しの年に当たります。

こうした最新情報を学び、また都道府県単位化で強まる滞納処分について交流し、地域での運動交流をするための西日本集会を企画しました。ぜひご参加ください。

 

★日時 2019年10月22日()10時半〜16時

★会場 大阪商工団体連合会

大阪市中央区玉造2-28-4 (JR大阪駅から環状線「玉造駅」下車徒歩10分)

  第一部(10時半〜12) 

基調報告「都道府県位化最新情報と年度保運方針見直しにむけての地域での運動課題について

      講師) 神奈川県保改革担 神田隆史氏

  ●第二部(13時〜16)

各地での差し押さえ態と運動について

助言者)大阪社保協委員

       楠晋一亮太勝俣彰人・冨田真平 各弁護士

★主催  中央社保協・社保協西日本各ブロック

★現地事務局 大阪社保協  Tel06-6354-8662 fax06-6357-0846 

osakasha@poppy.ocn.ne.jp

★規模  130人(先着順)

★資料代 500円  ★弁当代1000(持ち込み可)

資料作成の関係上、下記申込書記入の上、事前に必ず大阪社保協あてfax06-6357-0846にお送りください。申込先着順ですのでお断りをする場合もあります。キャンセルの方は必ずご連絡ください。

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2019.10.22国保都道府県単位化・滞納処分問題問題西日本交流集会に参加します

 

 ふりがな

   氏名                  □都道府県名

   地域・団体名

   連絡先 Tel                fax             アドレス

   弁当申し込み  □あり  □なし

 

FAX06-6357-0846またはosakasha@poppy.ocn.ne.jpにおねがいいたします。