大阪社保協通信  1206号 2019.3.13

 

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32日「大阪社保協第29回総会」に70人が参加。「大阪府民生活実態調査」報告も受け、政治を変え、住民を具体的にサポートする活動を進めようと意思統一。

32日午後、大阪社保協は「第29回総会」を開催し、加盟団体・地域社保協・個人会員70人が゛参加しました。

★井上賢二会長あいさつ

 総会参加の皆さん、ご苦労様です。

私は毎日の診療の中で、高齢者が増えてきていることを実感しています。100歳を超えても元気な患者さんもいますが問題なのは足腰が弱ってくることです。高齢者の筋肉の衰えはフレイルと呼ばれていますが誰にでもおこります。予防していくには運動することが重要です。散歩やスクワット運動がいいといわれています。

厚労省の2016年のデーターでは女性は平均寿命が87.14歳、健康寿命は74.79歳で12.35歳の差があります。男性は平均寿命が80.98歳で健康寿命は72.14歳で差は8.84歳です。健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことです。女性は12.35年間、男性は8.84年間介護の世話になることになります。「ピンピンコロリ」ということも言われていますがそううまくいくかどうかはわかりません。

もう一つの問題は認知症です。物忘れと認知症は別です。認知症は90歳をこえると半数の人に出てくるといわれています。認知症の予防は自分で買い物と料理をすること、おしゃべりをすることがとても大切だと思います。男性はいまから料理を覚えることをおすすめします。もう一つは足腰が弱らないために運動することです、散歩で十分です。1時間ぐらい、6000歩以上を目標に歩きましょう。

安部政権のもとで、社会保障制度は自助・互助・共助にかえられ、自己責任が強調されています。一方で軍事費は5兆円を超え増え続けています。1990年に大阪社保協は再建され、「人間らしく生きるために」をかかげ運動を続けてきました。現在では大阪府下に51の地域社保協ができ、地域住民の生活と医療・福祉を守る砦の役割を果たしてきました。安倍政権や大阪の維新政治の下ではますます社保協の存在意義が増してきています。後継者をつくりながら運動を継続させていきましょう。

大阪社保協は昨年8月末から11月の3か月、府民生活実態調査に取り組みました。地域社保協の皆さんが中心となりおこないました。2500件をこえる調査ができました。今日は分析された大学の先生から報告をいただきます。この結果をもとに行政や社会への問題提起・政策提言していきたいと思います。

私たちの生活や医療・福祉を守るのが大阪府や市の役割です。大阪府・市が巨額の税金をつぎこむ巨大開発の無駄遣いやカジノは中止し、生活や医療・福祉の充実にこそ税金をつぎ込むべきです。今年4月の統一地方選挙と参議院選挙、大阪府・市の首長選挙での勝利にむけ総力をあげ頑張りましょう。以上で挨拶といたします。

 

 

★祝電・メッセージありがとうございました(敬称略・順不同)

【自治体首長】

島本町長 山田紘平/寝屋川市長 北川法夫/八尾市長 田中誠太/貝塚市長 藤原龍男/

泉大津市長 南出賢一/大阪狭山市長 古川照人/羽曳野市長 北川嗣雄 /吹田市長 後藤圭二 

岬町長 田代尭/泉佐野市長 千代松大耕/能勢町長 上森一成/泉南市長 竹中勇人

阪南市長 水野謙二/枚方市長 伏見隆/茨木市長 福岡 洋一/高石市長 阪口伸六/

和泉市長 辻 宏康/高槻市長 濱田 剛史/岸和田市長 京西 且哲

【議会議長】

 富田林市議会議長/堺市議会議長/和泉市議会議長/能勢町議会議長/東大阪市議会議長

【社保協関係】 

神奈川県社保協/岡山県社保協/京都社保協/三重県社保協/山口県社保協/奈良県社保協/

福島県社保協/兵庫県社保協/東京社保協/埼玉県社保協/中央社保協/大分県社保協/

群馬県社保協/山梨県社保協/福岡県社保協

 

なお、中央社保協からは、住江憲勇・代表委員に来賓ご挨拶をいただきました。重ねてお礼申し上げます。

★特別報告〜「大阪府民の生活実態調査・報告案」

大阪社保協は2018年度の活動方針の大きな柱に「大阪府民生活実態調査」をすえました。

調査目的は2つです。一つは、国や自治体の調査が非常に杜撰であること。いま統計調査改ざんが問題となっていますが、介護保険制度改定に係る調査などについてもデータが信用出来ない、疑問があることを大阪社保協として問題視してきました。やはり、自ら調査し、データをつくるという必要性があります。もう一つには、困難を抱えた人は声を出さない傾向にあるということ。そのために私たちが困難を抱えている人の元に行く、探し出す=アウトリーチをする必要があるということです。

調査手法ですが、各地域社保協にご議論いただき、困難な人がいるであろう場所を選定していただき、100サンプルを目標に取り組んで頂きました。事前に自治会・町会等にも申し入れ、配布予告ビラをいれて調査票を配布する留め置き方式で、回収も最後まで行っていただきました。郵送では困難な方は回答しないと考えたからです。

その結果、51地域社保協のうち31社保協が昨年9月〜11月に取り組まれ、2500サンプルを回収していただき、データをエクセルフォーマットに入力するところまでご協力を頂きました。

集約されたデータは、高倉さん(立命館大学講師)・鴻上さん(健康福祉短期大学准教授)・北垣さん()3人の研究者のみなさんにより、分析・評価がされました。総会では高倉さん・鴻上さんにより報告がされました。

分析は、@単純集計A各データを年齢と収入でクロス集計B自由記述集計によって行われています。

注目すべきデータについていくつか報告します。

 

【単純集計から】

◆病院に行くのを先延ばしにしたことがあるのは・・・28.6%

◆未治療状態の病気・怪我があるのは・・・・21.27%

◆生活のしづらさを感じているのは・・・・60.43%

◆生活のしづらさの原因は・・・・自分の健康・病気33.67%、将来・老後の収入28.89%、自分の介護28.3%

◆悩みやストレスの相談・・・・誰にも相談していない4.36%、相談先がわからない4.19%

◆今年のお正月を誰と過ごしたか・・・・ひとりで過ごした12.4%

 

【クロス集計から】

 ◆75歳以上の43.19%は一人暮らし

 ◆世帯収入150万円以下の58.58%が一人暮らし、400万円以上は19.42%

 ◆生活のしづらさを感じているのは全年代通じて65%以上。

  ◆世帯収入150万円以下の74.82%が生活のしづらさを感じている。

 ◆お正月をひとりで過ごしたもののうち84.03%65歳以上。

 ◆お正月をひとりで過ごしたもののうち49.52%は世帯収入が150万円以下、300万円以下が79.21%

 ◆全世代が「社会保険料」を負担に感じ、65歳以上は「医療費」を負担に感じている。

 ◆未治療中の怪我があるのは、世帯収入150万円未満28.51%150-300万円未満23.29%300400万円未満17.08%<400万円以上は15.21%

 

【自由記述集計から】

 「困りごと」についての自由集計で出てきた言葉で多い順に並べると「生活」「年金」「介護」「保険」「不安」「高い」「税」「医療」・・・と続きます。そして、言葉と言葉の繋がりをみると「生活」と「年金」「介護」「保険」「医療」が繋がりをもち、その先に「負担」[消費]「税」「上がる」が繋がっています。さらに「生活」は「不安」「心配」「収入」「老後」「将来」につながっています。

ここからわかるのは、調査協力者には根本的に生活不安が広がっており、年金、介護保険、医療保険がその要因として上がってきていことが分かります。基本的な生活条件を保障するはずの公的年金、公的保険が生活不安を引き起こす要因になっています。

「病院に行くことを先延ばしし治療を中断した病気・症状」についての自由記述ではどの収入でも「歯」が出現が一番大きく、理由を収入ごとにみてみると、150万円未満だと「お金・経済・高い・支払い治療費かかる」がトップに出現しますが、400万円以上だと「時間・仕事・忙しい」がトップとなります。

 

*今後は医療・福祉関係の専門家によるコメントやアドバイスを頂きながら、さらに文節・厚生労働省冊を深め、最終的な報告書にしていきます。

報告と議案提案が行われました。(欠席された加盟団体・地域社保協・個人会員のみなさんのところには発送しました)

 

 

2019年度活動方針・大きな柱】

1)大阪府民生活実態調査を次に生かす取りくみをすすめよう

2)介護保険においては保険料の7期内での引下げ、さらに「自立支援介護」問題検討委員会を立ち上げ議論を進めていく

3)浅田裁判高裁判決を生かし、障害者65歳問題・地域共生社会問題についても常に介護保険に対する取り組みの中で一緒に進めていく。介護・福祉総がかり行動をさらに広げる

4)大阪府統一国保を許さず、市町村に対する「国保料引き下げ」「条例減免制度の拡充」運動を緩めず、3年目の見直し、6年目の見直しで「統一」を撤回させる取り組みをすすめていく

52018-2020年版相談活動ハンドブックを活用し、府民のいのちと暮らしを守る活動をさらに進める。各地で「相談活動ハンドブック活用講座」を開催し、相談員を養成する。

14団体・地域社保協からの発言がありました

@高石社保協「高石社保協結成と取り組みについて」

A泉佐野社保協「泉佐野社保協発足の経緯と生活実態調査について」

B住之江区社保協「住吉市民病院跡地に出産・入院できるベツトの確保を」

Cきょうされん大阪支部「障害児者のくらしの厳しさと介護保険優先問題、生活保護裁判について」

D大阪自治労連「自治体職場の現状について」

E大阪労連「医療・福祉労働者の処遇改善と社会保障拡充」

F年金者組合大阪府本部「年金者組合府本部の活動〜今年結成30周年、年金裁判、重税反対全国統一行動等」

G城東社保協「区役所跡地の売却反対のとりくみ」

H箕面社保協「箕面市政の元凶と私たちの取り組み、課題、成果」

I富田林社保協「府民生活実態調査から今後の課題を考える」

J松原社保協「統一国保に反対し保険料値下げ、条例減免復活を求める請願陳述について」

K大阪狭山社保協「府下51番目に設立した大阪狭山社保協の活動について」

L八尾社保協「公立保育所、公立保育園問題について」

M大東社保協「大東社保協の取り組み〜介護保険、生活実態調査を通して」

 

★☆★☆★☆★☆★☆★当面の会議・企画のご案内☆★☆★☆★☆★☆★☆★

314()大東市介護保険現地対策会議

319()「自立支援介護」問題研究会(1900-大阪民医連)

327()介護保険対策委員会(1900-大阪民医連)

329()河南ブロック会議(1400-松原民商)

3月の常任幹事会はありません

 

43()中央社保協 国保部会・運営委員会

44()大阪社保協事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

413()和泉社保協「相談活動ハンドブック活用講座」(1400-職員会館)

418()大阪社保協第1回常任幹事会(1800- 国労会館)