大阪社保協通信  1201号 2019.1.25

メールアドレス:osakasha@ poppy.ocn.ne.jp       大阪社会保障推進協議会

  http://www.osaka-syahokyo.com/index.html      TEL 06-6354-8662 Fax06-6357-0846

 

来年度大阪府国保「統一保険料率」はおどろきの高さに〜111日大阪府主幹課長会議で説明、大阪社保協には本日公開。

来年度大阪府国民健康保険標準保険料率(=統一保険料率)111日の大阪府国保主管課長会議で説明がされました。大阪社保協には本日公開され、ホームページには既にアップしています。

http://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/okk20190111.pdf

11月の仮算定と比べ、数値は若干下がったものの、大きくは変わりませんでした。

【算定結果概要 平成311月本算定】

 

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

8.57%

29,713

31,799

58万円

後期分

2.69%

9,249

9,898

19万円

介護分

2.58%

19,134

0

16万円

【参考:平成30年年度】

 

所得割

均等割

平等割

賦課限度額

医療分

7.98%

27,311

29,668

54万円

後期分

2.69%

9,178

9,970

19万円

介護分

2.32%

17,062

0

16万円

 

★大阪府平均一人当統一保険料は139,669円、今年度より11,775(激変緩和後135,644円・7750円値上げ!!)

平成31年度一人あたり保険料(統一保険料率)

20190125大阪府資料をもとに大阪社保協で加工

市町村名

平成30年度保険料収納必要額A

平成31年度保険料収納必要額B   

B-A    値上げ額

値上率

平成31年度保険料収納必要額C  激変緩和額反映後

C-A    値上げ額

値上率

府全体平均

127,894

139,669

11,775

9.21%

135,644

7,750

6.06%

1

大阪市

123,968

135,118

11,150

8.99%

135,118

11,150

8.99%

2

堺市

120,736

133,668

12,932

10.71%

129,982

9,246

7.66%

3

岸和田市

126,406

137,164

10,758

8.51%

137,164

10,758

8.51%

4

豊中市

139,948

152,770

12,822

9.16%

140,469

521

0.37%

5

池田市

134,835

146,956

12,121

8.99%

146,956

12,121

8.99%

6

吹田市

137,003

151,643

14,640

10.69%

147,599

10,596

7.73%

7

泉大津市

124,670

136,424

11,754

9.43%

129,618

4,948

3.97%

8

高槻市

136,754

149,732

12,978

9.49%

139,013

2,259

1.65%

9

貝塚市

125,821

137,778

11,957

9.50%

125,942

121

0.10%

10

守口市

124,592

136,417

11,825

9.49%

136,417

11,825

9.49%

11

枚方市

131,003

142,494

11,491

8.77%

128,404

-2,599

-1.98%

12

茨木市

140,091

153,363

13,272

9.47%

143,571

3,480

2.48%

13

八尾市

132,906

143,373

10,467

7.88%

135,798

2,892

2.18%

14

泉佐野市

125,932

138,052

12,120

9.62%

138,052

12,120

9.62%

15

富田林市

129,001

140,666

11,665

9.04%

140,271

11,270

8.74%

16

寝屋川市

120,319

131,588

11,269

9.37%

122,252

1,933

1.61%

17

河内長野市

133,509

146,676

13,167

9.86%

146,676

13,167

9.86%

18

松原市

123,540

133,911

10,371

8.39%

133,223

9,683

7.84%

19

大東市

120,848

132,642

11,794

9.76%

129,628

8,780

7.27%

20

和泉市

131,318

143,373

12,055

9.18%

135,159

3,841

2.92%

21

箕面市

146,556

159,409

12,853

8.77%

147,606

1,050

0.72%

22

柏原市

129,522

140,795

11,273

8.70%

140,367

10,845

8.37%

23

羽曳野市

127,871

138,864

10,993

8.60%

129,550

1,679

1.31%

24

門真市

125,597

136,721

11,124

8.86%

126,266

669

0.53%

25

摂津市

136,741

149,143

12,402

9.07%

147,432

10,691

7.82%

26

高石市

124,536

136,972

12,436

9.99%

136,972

12,436

9.99%

27

藤井寺市

124,257

133,563

9,306

7.49%

133,563

9,306

7.49%

28

東大阪市

127,451

139,690

12,239

9.60%

136,730

9,279

7.28%

29

泉南市

112,417

120,750

8,333

7.41%

120,750

8,333

7.41%

30

四條畷市

128,693

140,153

11,460

8.90%

132,572

3,879

3.01%

31

交野市

138,502

151,865

13,363

9.65%

144,173

5,671

4.09%

32

島本町

144,218

155,936

11,718

8.13%

155,935

11,717

8.12%

33

豊能町

151,423

164,273

12,850

8.49%

158,391

6,968

4.60%

34

能勢町

130,622

141,513

10,891

8.34%

129,891

-731

-0.56%

35

忠岡町

124,374

134,859

10,485

8.43%

132,696

8,322

6.69%

36

熊取町

135,888

148,633

12,745

9.38%

148,633

12,745

9.38%

37

田尻町

125,529

134,414

8,885

7.08%

126,107

578

0.46%

38

阪南市

123,253

133,971

10,718

8.70%

133,971

10,718

8.70%

39

岬町

133,056

142,329

9,273

6.97%

140,434

7,378

5.55%

40

太子町

138,901

150,793

11,892

8.56%

138,791

-110

-0.08%

41

河南町

139,046

150,115

11,069

7.96%

149,666

10,620

7.64%

42

千早赤阪村

141,467

153,204

11,737

8.30%

137,704

-3,763

-2.66%

43

大阪狭山市

137,901

149,495

11,594

8.41%

142,564

4,663

3.38%

★実際の今年度保険料と比較〜統一保険料がいかに高いか!!

大阪府の出した一人当保険料はあくまで平均であり、今年度一人当保険料も実際の保険料とは違います。実際の市町村の保険料と比較してみたのが以下の表です。モデルケースごとの保険料でみると、来年度統一保険料がいかに高いかがよく分かります。

モデルケースごとの2018年度国保料と2019統一保険料

  @現役40歳代夫婦と未成年の子供2人の4人世帯の国保料

  A65歳以上74歳以下で年金生活者高齢者夫婦のみ世帯

  B40歳母と未成年の子ども2人のシンママ世帯

 

所得100

所得200

所得300万円

@

A

B

@

A

B

@

A

B

2019統一保険料

210,635

171,139

181,587

419,778

307,663

408,845

605,341

420,263

547,245

1

大阪市

186,179

155,439

166,690

380,825

287,376

379,152

556,831

399,176

517,852

2

豊中市

137,179

96,481

133,664

357,312

267,264

348,166

517,302

368,764

469,466

3

池田市

199,728

130,634

172,953

404,417

300,441

392,736

588,187

419,141

534,636

4

豊能町

187,200

121,600

162,500

371,000

275,700

364,400

533,500

373,500

483,800

5

能勢町

188,200

153,300

165,300

381,300

283,000

375,000

555,000

392,600

509,200

6

箕面市

188,362

157,615

162,962

375,292

284,015

366,712

541,112

388,515

490,312

7

高槻市

154,750

141,690

145,810

320,510

265,950

321,430

480,200

372,650

464,410

8

島本町

200,732

161,582

173,957

398,851

290,805

390,780

874,231

397,505

520,680

9

茨木市

186,238

155,962

162,133

373,269

282,033

365,814

539,924

386,633

491,714

10

吹田市

181,680

162,940

167,600

374,710

299,160

381,570

550,250

413,860

522,070

11

摂津市

184,249

118,185

158,989

367,811

269,007

358,271

530,891

367,907

480,371

12

守口市

196,892

161,582

170,117

392,707

290,805

383,100

566,551

397,505

513,000

13

門真市

187,890

154,730

163,880

382,370

289,650

372,890

557,600

405,250

509,590

14

大東市

192,400

158,900

168,400

391,600

295,000

383,200

571,000

410,700

523,100

15

四條畷市

193,330

154,350

167,360

391,150

285,850

379,870

568,630

397,450

516,670

16

寝屋川市

180,600

144,600

157,700

370,100

272,500

360,300

541,600

382,700

495,800

17

枚方市

174,900

119,400

154,000

358,200

275,200

351,500

524,000

385,300

482,400

18

交野市

191,900

156,700

166,400

386,200

286,600

376,500

559,900

395,600

508,800

19

東大阪市

196,002

127,331

171,957

399,324

293,240

391,238

582,688

410,140

534,638

20

八尾市

193,840

158,970

169,240

394,710

297,040

385,150

575,750

402,330

526,550

21

柏原市

196,890

127,796

170,115

392,701

290,805

383,100

566,551

397,505

513,000

22

松原市

205,133

136,038

178,357

413,247

311,346

403,641

599,392

430,346

545,841

23

羽曳野市

183,090

151,420

158,360

365,120

272,530

356,550

526,720

372,530

477,250

24

藤井寺市

196,890

161,579

170,115

392,701

290,805

383,100

566,551

397,505

513,000

25

大阪狭山市

181,523

119,045

156,850

362,795

271,552

353,630

523,976

372,952

474,630

26

富田林市

196,680

159,690

172,880

402,780

297,850

394,380

589,280

415,850

541,680

27

太子町

180,636

148,275

157,056

360,060

268,011

353,316

519,276

367,311

472,116

28

河南町

176,219

144,605

153,319

354,129

261,925

346,469

512,969

359,425

467,169

29

千早赤阪村

188,362

157,615

162,962

375,292

284,015

366,712

541,112

388,515

490,312

30

河内長野市

196,880

161,570

170,100

392,690

290,790

383,080

566,530

397,490

512,980

31

堺市

181,875

148,797

159,739

371,551

276,739

363,930

542,902

385,739

498,630

32

和泉市

189,753

155,393

164,613

381,285

283,069

372,093

552,273

389,769

501,993

33

高石市

197,783

129,205

171,266

396,702

295,042

386,820

574,054

406,042

521,020

34

泉大津市

196,800

127,700

169,900

392,500

290,700

383,000

566,400

397,400

512,900

35

忠岡町

196,800

161,400

169,900

392,500

290,700

383,000

566,400

397,400

512,900

36

岸和田市

197,200

128,000

170,400

393,400

291,300

383,900

567,600

398,200

514,100

37

貝塚市

196,880

161,570

170,100

392,690

290,790

383,080

566,530

397,490

512,980

38

泉佐野市

196,800

161,400

169,900

392,500

290,700

383,000

530,300

397,400

512,900

39

田尻町

182,894

121,134

159,651

370,967

277,974

362,534

540,018

386,174

493,534

40

熊取町

191,920

122,830

165,140

384,770

280,880

341,930

556,630

387,580

503,080

41

泉南市

194,400

165,900

179,800

404,300

316,300

399,100

596,200

447,100

554,900

42

阪南市

196,880

161,570

170,100

392,690

290,790

383,080

566,530

397,490

512,980

43

岬町

195,879

158,575

169,211

390,668

283,966

381,057

563,594

396,524

510,257

★来年度大阪府統一保険料は全国一高い保険料になる!!

「大阪社保協通信1197号」にも掲載しましたが、中央社保協が行った全国大都市(政令市・中核市・県庁所在地等)2018年度モデル保険料調査では、今年度の大阪府統一保険料が第2位でした。その表に来年度統一保険料を組みこむと、なんと第1位に躍り出ました。

 2018年度大規模自治体(政令市・中核市・県庁所在地)国保料調査

世帯所得100万円40歳代夫婦+未成年の子ども2人の4人世帯の保険料

 

自治体名

保険料

2019年度大阪府統一保険料

210,635

1

津市

201,760

 

2018年度大阪府統一保険料

196,892

2

東大阪市

195,983

3

久留米市

193,138

4

函館市

192,605

5

新宿区

192,573

6

松江市

192,381

7

福井市

190,658

8

秋田市

188,352

9

大分市

187,738

10

大阪市

186,180

11

岐阜市

186,165

12

北海道・旭川市

184,708

13

奈良市

182,450

14

山口市

182,000

15

川崎市

181,032

16

堺市

180,536

17

岡山市

180,305

18

仙台市

176,979

19

倉敷市

176,820

20

福岡市

176,404

21

横浜市

175,078

22

甲府市

174,389

23

札幌市

173,775

24

盛岡市

172,100

25

北九州市

171,961

26

新潟市

167,940

27

鹿児島市

167,100

28

千葉・柏市

163,233

29

川口市

162,375

30

さいたま市

159,045

31

横須賀市

155,463

32

相模原市

154,815

33

千葉市

154,263

34

八王子市

151,630

35

豊田市

145,980

36

船橋市

144,721

37

川越市

138,765

38

名古屋市

114,392

39

越谷市

107,940

★大阪府国保課長でさえ6年後の統一できるとは言えず

確認しておかなければならないのは、大阪府「統一保険料率」は「標準保険料率」であり、厚生労働省は「標準保険料率は理想値にすぎない」としています。あくまでも、保険料を決めるのは現在もなお市町村です。

そして、昨年822日の「国保主管課長協議会」シンポジウムで大阪府の山本国保課長は『大阪府の場合、保険料率統一ありきという形で進めたのも事実。そもそも完全統一という形とは若干ずれている。保険料統一を進める、形とするためにまずは運営しやすい、皆さんが合意していただけるような部分を残して導入した。したがって、運営方針も33年度までという形にしたのが実情』とした。その上で、『今後、進み具合や被保険者への影響をみながら、33年度以降の運営方針で統一的なものに進むのか、もう少し遅めにやらなければならないのかといった状況になると思う』と述べています。(国保実務201893日付 下線寺内)

厚生労働省も大阪府統一国保による負担増について再三警鐘を鳴らしています。

 

★いますぐ市町村に確認すべきこと

今回の算定は市町村にとっても衝撃的な数字であったはずで、動揺が走っていることと思います。各地域のみなさんに呼びかけます。今すぐ、担当課と懇談し、以下を問いかけましょう。

 

□この本計算をどう受け止めているのか

3つの今年度のインセンティブ(ごほうびとしてもらえる交付金)の見込は?

  @保険者努力支援金の市町村分インセンティブ

  A収納率分インセンティブ

  B大阪府2号繰入金インセンティブ

    ⇒今年からの国保会計は「理論的」には赤字にならない仕組みです。これらインセンティブ分は黒字になるはず。これを原資として来年度国保料の引下げが可能です。

2018年度決算見込みは?

□このままでは医療費増加分がそのまま保険料値上げにつながる「統一国保」でいいと考えているのか

 

★さあ、3月市町村議会・4月統一地方選挙にむけて各地域で動きだしましょう! 

これから各地で23月議会が始まります。各地域で「国保料・介護保険料引下げアクション」をどのように展開するかの相談はされましたでしょうか。選挙のあるところは議会が解散となるため、「請願」が有効です。豊中社保協はいち早く昨年の秋から行動をスタートしています。富田林社保協は要望書を提出、大阪社保協も大阪府に交渉を求めて要望書を提出しました。(各地での情報、ぜひメールでお寄せ下さい。)

さらに大阪社保協では現在国保・介護ビラを作成中です。出来るだけ早くホームページにアップしますので、地域での市民向け宣伝行動を計画してください。

 

2019115

大阪府知事  松井一郎 様

大阪社会保障推進協議会

会長  井上 賢二

530-0034 大阪社保協北区錦町2-2

                 06-6354-8662 

osakashapoppy.ocn.ne.jp

大阪府統一国保に対する緊急要望書

【要望の趣旨】

国保実務や国保新聞の記事によると、厚生労働省から大阪府統一国保は、「統一ありき」でつき進んできたことに対していくつもの疑問がなげかけられています。統一保険料はインセンティブを保険料に反映できないことなどにより、被保険者の負担増を招くと強く警鐘をならしています。厚生労働省は条例減免や特定健診充実のための一般会計法定外繰り入れについては全く否定していません。

被保険者にとって必要なのは、無理なく払える保険料にすることと必要な医療が必要な時に重い負担なく受けられることです。統一国保により医療費水準が加味されないことによる健診等の後退は必ず大阪府全体の医療費が膨張させることとなります。豊中市では早速、特定健診内容の大後退が起きています。また、昨年6月の北部地震、9月の台風で多くの被災者が生まれていますが、今年度統一基準にあわせたため一部損壊等が対象とならないため減免が適用されない被保険者が多く生まれています。統一減免の原資を事業費納付金(保険料)とするため、「使えない減免制度」となるのは自明の理です。

さらに、来年度標準保険料率(統一保険料率)および一人当保険料額は大幅アップであり、府民負担は計り知れません。府内市町村では、被保険者の生活も考慮せず違法行為的な差押えで収納率を上げようとしているところも増えています。

ついては以下を緊急要望いたしますので本日より1カ月以内の懇談を要請します。

【要望内容】

1. 大阪の国保被保険者にとつて何のメリットもない「統一国保」をやめ、これまで通り、市町村の賦課権限を尊重し、様々なインセンティブを保険料引下げのために使えるようにすることと。

2. 厚生労働省も懸念している大阪府の保険料負担増について大阪府として繰入を増やし、事業費納付金そのものを小さくすること。

3. 給与や年金が銀行口座に振り込まれた途端に全額差押えをするという違法行為が北河内地域の自治体を中心に横行している。大阪府としてこうした違法行為・脱法行為に対する見解を明らかにし、市町村に対し法令順守をするよう文書を発出すること。

 

2019年1月11日

富田林市長 多田利喜様

要望団体 富田林社会保障推進協議会

会長 荒芝 康夫

連絡先 〒5840054

富田林市大字甘南備216番地

福保労コロニー事業団分会気付

国民健康保険料の大幅な引き下げなどを求める要望書

 

国民健康保険は2018年度より保険者が都道府県と市町村となりましたが、特定検診項目・保険料の決定などは今までと同様に市町村に権限があります。富田林市ではそれを踏まえ、従来より高くなる府の標準保険料率ではなく、市独自の保険料率を算定し、保険料の引き下げを実施していただきました。加えて、独自減免や一般会計繰り入れも継続して実施していただいています。

それでも、市も言われている「高すぎる保険料」は改善されていません。

それどころか大阪府国保は大規模自治体調査でも全国2位高いことが明らかになりました。(中央社保協2018年度モデル保険料調査) 結局、「国保の広域化」は市民にとって何のメリットもなく、高すぎて払えない保険料をますます助長するものです。

以上のことから次年度に向け、下記のことを要望します。

(要望項目)

. 国民保険料を大幅に引き下げて下さい。

. 市民と共に作り上げてきた市独自の減免制度を維持・拡充して下さい。

. 一般会計繰り入れを継続して下さい。