大阪社保協通信   1197号 2018.11.27

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厚生労働省が大阪府統一国保に対して警鐘鳴らす~「保険料を統一するのは大阪府だけ」「様々な実態によって負担増に関わる問題」「市町村、都道府県でコミュニケーションをとりながら考えていただく課題」

822日の「国保主管課長協議会」シンポジウムにおいて厚生労働省・島添課長補佐が大阪府の保険料統一の方針を取り上げた上で大阪府に対して『保険料統一の定義が実は曖昧で、これら保険料統一は一体何かということを県と市町村で議論しなければならない。大阪府も統一保険料率とはいえ、国保運営方針をみると直診勘定分は統一保険料率の外に置いており、2号繰入金で医療費適正化のインセンティブを効かせることに関しては、その2号繰入金は保険料率に反映できないということになる。大阪府が考えた保険料率の定義、統一の枠外に置いた費用はなにかを伺いたい』と質問しました。

それに対して大阪府の山本課長が『大阪府の場合、保険料率統一ありきという形で進めたのも事実。そもそも完全統一という形とは若干ずれている。保険料統一を進める、形とするためにまずは運営しやすい、皆さんが合意していただけるような部分を残して導入した。したがって、運営方針も33年度までという形にしたのが実情』とした。その上で、『今後、進み具合や被保険者への影響をみながら、33年度以降の運営方針で統一的なものに進むのか、もう少し遅めにやらなければならないのかといった状況になると思う』と述べました。(国保実務201893日付)

さらに1018日埼玉県国保トップセミナーで、今度は厚生労働省野村国保課長が「保険料統一」についての考え方を述べています。

 「保険料水準の統一は、ある程度共通化するというのが方向性としていいのではないかと国のガイドラインで示しているが、各都道府県の運営方針を拝見すると保険料の扱いを統一するというのは大阪府だけであり、それ以外の自治体ではいつまでを目標に検討すると明示しているのが北海道、福島等である。」

「国保運営方針を3年、6年単位で作ってもらっている。その間に私どもが何年までに、あるいはその先の12年後までになどと目標年次を示していなのは、様々な実態によって負担増にも関わる問題なので、そういった意味では都道府県の調整交付金、国の調整交付金があるが、こういったものを活用しながら毎年度の保険料設定の際に各県の基本方針で示した各県の保険料の扱い、方針を踏まえながら、市町村、都道府県でコミュニケーションをとりながら考えていただく課題だと思う」(国保実務20181029日付)

つまり、国保料の統一をするのは大阪府だけですから、厚生労働省は大阪府に対して「負担増になる問題だから市町村とコミュニケーションをよくとって熟慮せよと警鐘を鳴らしていると考えられます。

先日大阪府が試算した来年度の「統一保険料率」は驚きの大幅値上げの金額に。(詳細は大阪社保協通信1196号参照のこと。大阪府からの統一保険料率試算全資料は大阪社保協ホームページ「国保都道府県単位化問題」のページにアップしています。

 

一般会計法定外繰入もせず、保険料独自減免もしないとなると、私たちが危惧したとおり、天井知らずの保険料値上げとなることは確実です。

大阪府および市町村は「統一ありき」について今一度立ち止り、勇気を持って考え直すべきです。

 

中央社保協が全国大都市国保料調査実施~大阪府統一保険料は全国2位の高額保険料!!

中央社保協・国保部会では、全国大都市(政令市・中核市・県庁所在地等)2018年度モデル保険料調査を行いました。昨日、中央社保協からその結果が送られてきました。モデル保険料は大阪社保協が市町村アンケートで使っている世帯所得100万円・200万円・300万円の①40歳代夫婦+未成年の子ども2人の4人世帯②65歳~74歳年金生活夫婦2人世帯③40歳代母と未成年の子ども2人のシンママ世帯です。

以下は、各都市の世帯所得100万円①の国保料の高い順に並べたもので、さらに今年度の「大阪府統一保険料」を入れ込みました。その結果、全国第二位の高額保険料に。大阪府統一国保料が如何に高いかが証明されました。

 

2018年度大規模自治体国保料調査

世帯所得100万円40歳代夫婦+未成年の子ども2人の4人世帯の保険料

 

自治体名

保険料

1

津市

201,760

 

大阪府統一保険料

196,892

2

東大阪市

195,983

3

久留米市

193,138

4

函館市

192,605

5

新宿区

192,573

6

松江市

192,381

7

福井市

190,658

8

秋田市

188,352

9

大分市

187,738

10

大阪市

186,180

11

岐阜市

186,165

12

北海道・旭川市

184,708

13

奈良市

182,450

14

山口市

182,000

15

川崎市

181,032

16

堺市

180,536

17

岡山市

180,305

18

仙台市

176,979

19

倉敷市

176,820

20

福岡市

176,404

21

横浜市

175,078

22

甲府市

174,389

23

札幌市

173,775

24

盛岡市

172,100

25

北九州市

171,961

26

新潟市

167,940

27

鹿児島市

167,100

28

千葉・柏市

163,233

29

川口市

162,375

30

さいた

159,045

31

横須賀市

155,463

32

相模原市

154,815

33

千葉市

154,263

34

八王子市

151,630

35

豊田市

145,980

36

船橋市

144,721

37

川越市

138,765

38

名古屋市

114,392

39

越谷市

107,940

 

 

   2019年春にむけて地域でどんな運動を作りだすのか

大阪府統一国保・介護保険料問題学習決起集会

 

★目的  2019年度の国保料がどうなるのか、高すぎる介護保険料について、3月議会・統一地方選挙にむけての学習と意思統一を図る。

★日程 1212()18時~20時半 

★会場 大阪府保険医協会MDホール

★内容  ①「大阪府統一国保問題」 大阪社保協・寺内事務局長

       ②「高すぎる介護保険料問題」 大阪社保協介護保険対策委員会・日下部委員長

★資料代 500