大阪社保協通信  1172号 2017.12.22

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本日大阪府に「大阪府民及び市町村からの意見に耳を貸さず、見切り発車的な「大阪府国民健康保険運営方針」策定に強く抗議し「統一国保」に反対する要請書」提出

2018年度から国民健康保険は都道府県と市町村との共同運営となります。都道府県は財政運営の責任をもちますが、これまでどおり、保険料賦課や給付等々の権限は引き続き市町村にあり、国保実務も市町村が行います。大阪府は最初から「統一」ありきで議論を進めてきましたが、試算実務が遅れる一方、市町村の意見を全く聞こうとしない姿勢に、市町村からも多くの意見や疑問、さらには堺市のように「統一の延期」を提案する自治体まで出てきています。

なお、全国47都道府県のうち、大阪府のように「統一」を目指しているのは他に滋賀県、奈良県、広島県しかなく圧倒的少数派です。

大阪府はこれまで3回の保険料試算を行いましたが、殆どの自治体の平均保険料が上がるだけでなく、低所得世帯・多人数世帯の保険料が上がることとなります。大阪社保協試算では、所得100万円所得でのモデル保険料では8割を超える自治体の保険料が上がることとなります。

大阪の各市町村は戦後60年近くの国民健康保険運営の中で、低所得者が多くを占める被保険者の保険料負担を少しでも軽減するべく、一般会計法定外繰入等により保険料を下げる努力や、健診事業に力をいれてきました。こうした市町村の努力を反故にし、意見にも全く耳を傾けない大阪府の姿勢に強く抗議するため、、大阪社保協及び下記団体は大阪府に対して「大阪府民及び市町村からの意見に耳を貸さず、見切り発車的な『大阪府国民健康保険運営方針』策定に強く抗議し「統一国保」に反対する要請書」を提出しました。

【賛同団体 敬称略】

阪社会保障推進協議会会長井上賢二・大阪府保険医協会理事長高本英司・大阪府歯科保険医協会理事長 小澤力・大阪民主医療機関連合会会長向井明彦・大阪商工団体連合会会長藤川隆広・全大阪生活と健康を守る会連合会会長大口耕吉郎・全日本年金者組合大阪府本部執行委員長加納忠・全日本年金者組合天王寺支部 支部長山崎健逸・農民組合大阪府連合会会長田中豊・枚方社会保障推進協議会会長小山栄三・枚方交野生活と健康を守る会会長野田隆治・枚方交野民主商工会会長柿木正裕・新日本婦人の会枚方支部支部長沢田登喜子・高齢期を豊かにする枚方市民の会会長伊藤和嘉子・全日本年金者組合枚方支部支部長山地茂行・大阪狭山社会保障推進協議会会長橋本啓修・羽曳野民主商工会会長松原龍夫・富田林社会保障推進協議会会長荒芝康夫・新日本婦人の会富田林支部支部長中尾香与子・富田林生活と健康を守る会事務局長大山昌代・富田林民主商工会会長 溝田義一・全日本年金者組合富田林支部支部長西村康夫・堺社会保障推進協議会会長今田光俊・寝屋川社会保障推進協議会会長南貢・天王寺区社会保障推進協議会会長山崎健逸・中央区社会保障推進協議会会長神崎達久・都島区社会保障推進協議会会長西岡定雄・北区社会保障推進協議会会長嘉村健彦・泉大津社会保障推進協議会会長畠田博司・茨木社会保障推進協議会会長梅田育生・吹田社会保障推進協議会会長阿部誠行・門真社会保障推進協議会会長石橋章一・東大阪社会保障推進協議会会長貴島真彦・八尾社会保障推進協議会会長矢部あずさ・大東社会保障推進協議会会長中村鎮夫・くまとり社会保障推進協議会会長伊藤守・和泉地域社会保障をよくする会代表委員古久保暢男・中川鉄也・岡勝仁

20171222

大阪府知事  松井一郎 様

大阪府民及び市町村からの意見に耳を貸さず、見切り発車的な「大阪府国民健康保険運営方針」策定に強く抗議し「統一国保」に反対する要請書

大阪府は来年4月からの国民健康保険都道府県単位化にむけて、「大阪のどこにいても同じ医療が受けられるのだから医療費水準を一切考慮せずに保険料も減免制度も統一する」として結論(統一)ありきで検討を進め、2月に「事業費納付金・標準保険料(粗い試算)」を公表した。

その後、当初8月末公表としていた第2回の試算は、2カ月も遅れた末に1025日の市町村への説明会にて公表された。試算結果で示された標準保険料率をもとに大阪社保協で保険料を試算したところ、とても支払えない水準の金額であった。この試算には、府民の生活実態が考慮されていないことは明らかである。

一人当たり保険料については「25市町村では保険料水準が下がる」と結論付けているが、これは実際のものから法定外繰入を除いた数字と試算結果との比較に過ぎない。2月試算にはあった「繰入有」の数字との比較もなく実態を反映していないばかりか、「統一化によって保険料負担が軽くなる」との誤解を招きかねない不誠実な資料である。このような資料を使用した点についても大いに疑問が残る。また、共同の保険者である市町村に対しても、説明会の招集を前日に行なった上でわずか1時間程度の説明で済ませている。さらに本来すべき「激変緩和」試算もされず相変わらず「粗い試算」としたままで、1030日には「大阪府国民健康保険運営方針(素案)」に対するパブリックコメント募集が公表され締め切りは1129日とされた。一方で、その間大阪府は10月の大阪府国民健康保険運営協議会資料も、第2回試算資料も全く府のホームページ上では公表していなかった。この点においても、大阪府のやり方はきわめて一方的で非民主的である。

 

121日、突然に大阪府のホームページには、()がとれた『方針』と「素案へのご意見」としてパブコメでの意見と大阪府からの回答がアップされ、さらに「大阪府国保運営方針策定に係る市町村意見に対する大阪府の考え方」として、法定意見聴取で出された市町村の意見とそれに対する大阪府の考え方もあわせて公表された。試算公表が大幅に遅れたことと比して、方針・パブコメ・市町村からの意見の公表がきわめて迅速であったことに違和感を持たざるを得ない。

96件の府民からのパブコメは概ね「統一化に反対」「市町村の裁量を認めるべき」という意見が占めている。

さらに住民に近く、住民の状況をよく知り、国保行政運営を進めてきた市町村だからこそ出せる意見は傾聴に値する。

例えば、大阪市は「法定外繰入がある1人当たり保険料で比較すると、府内平均で約5.5%の上昇(本市で6.7%の上昇)となっており、今回の試算において算入されていない追加公費の財源1,300億円について、最大限保険料を抑制するための財源として活用し、被保険者の保険料負担を少しでも緩和していただきたい」として保険料そのものを下げる努力を求めている。

また、多くの自治体が低所得世帯・多人数世帯での保険料値上げを危惧し、府による独自財源による「低所得者」「多子世帯」に対する減免制度を求めているが、大阪府は低所得者対策は政令軽減や非自発的失業者の軽減があるとし、低所得者減免については判例を持ちだし、「府として独自の財政措置を行うことは考えていません」と切り捨てている。

さらには大阪府のこれまでのやり方に対して強い意見もでている。

岸和田市からは「この意見聴取は法定のものであり、我々市町村が意見を表明するための重要な機会であると認識している。広域化に向けての作業がかなり遅れ気味の中で、意見もこの時期に、しかも、前述のような重要な機会であるにもかかわらず、短い時間で意見を提出しなければならない。この状況を見ると、大阪府としてはこの意見聴取を形式的なものという認識しかないのではないかという見方もでき、共同保険者としての今後の信頼関係に懸念を覚える」、堺市からは「府内43市町村の円滑な制度移行を図るには、統一保険料率のより一層の低減が必要であるため、国に対して更なる公費投入の拡大を求めるとともに、大阪府においても、被保険者の急激な負担増加を抑制するための方策や特段の財政支援措置等を講じることで、国保財政運営の責任主体としての責務を果たすことを強く求める。上記措置等が講じられない場合は、混乱を回避し、円滑な新制度移行を図るため、統一保険料の導入の延期も含め、然るべき判断を強く求める。」との抗議とも聞こえる強い意見が出されている。

 

1214日に市町村に対して説明が行われた来年度試算(3)では、こうした市町村からの意見を全く考慮せず、第2回試算と同様に納付金計算には公費は殆ど繰入れず、納付金そのものを小さくし、保険料を下げる努力を行っていない。そのため、来年度保険料試算は、大阪社保協試算では国保加入世帯の多くを占める世帯所得100万円層、つまり低所得者層が総じて値上がりするという結果となっている。

ついては、私たちはこうした大阪府の府民及び府内市町村の意見に全く耳を貸そうとしない大阪府のやり方・姿勢に対して強く抗議するともに、以下について強く要請する。

 

【要請内容】

 

1. 国民健康保険は社会保障制度であるのに、保険料が生活を圧迫するような事態は異常である。こうしたことから「保険料高騰」に対する府民及び市町村から出された意見を充分に反映した事業費納付金・標準保険料の計算を行い、来年度以降も市町村の保険料については、これまで通りの市町村裁量による賦課とすること。特に保険料額については値上げすることなく一般会計法定外繰入を行えるようにし、ペナルティ的な大阪府繰入金減額を行わないこと。なお、一般会計法定外繰り入れについては法で禁止できないという厚生労働省判断を充分に認識すること。

 

2. 第3回試算後も市町村の意見を反映する場を早急に設定し、本計算についても見切り発車はしないこと。また、自治体から出された多くの意見については『調整会議で検討』と回答しているが、今年度中はもとより来年度も会議を設定し、引き続きオープンな議論を行うこと。

 

3. 市町村条例による減免制度についてはこれまで通り市町村判断に委ね、条例改正について大阪府として圧力をかけないこと。なお、市町村への圧力は違法行為となることを充分に認識すること。

 

4.大阪府が財政運営の責任主体として市町村に収納率向上に向けた指導を行う以上は、不当・違法な徴収に対しても責任が生じることを認識すること。目標収納率の提示とセットになった府繰入金によるインセンティブ制度は、市町村による不当・違法な徴収を誘発するので中止すること。各市町村の収納担当者に対し、国税徴収法等の法令・判例を周知徹底させ、国保加入者の権利保護に努めること。

 

 

 

 

大阪府統一国保問題

意思統一学習決起集会

 

214日、大阪は事業費納付金・標準保険料率(統一保険料率)3回試算(来年度試算)を公表しました。

http://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/os20171212.pdf

 

その内容は10月に公表された第2回試算とほぼ変わらず、納付金計算に新たな公費1700億円のうち400億円しか反映しないため納付金はかなり高くなります。

 1月中旬には来年度納付金・標準保険料率(統一保険料率)が出されます。大阪社保協として23月市町村議会にむけての意思統一学習決起集会を開催します。

多数ご参加ください。

 

★と き 2018年1月15日(月)18時30分〜20時半

★ところ 大阪府保険医協会M&Dホールhttps://osaka-hk.org/access/

★資料代  500円

  主催 大阪社会保障推進協議会 

fax06-6357-0846 メールosakashapoppy.ocn.ne.jp

  資料印刷の関係上、事前にfaxでお申し込みください。

         

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2018.1.15大阪府統一国保問題意思統一学習決起集会

 

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