大阪社保協通信  1170号 2017.12.4

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大阪府は統一国保試算を2ヶ月も遅らせたうえ、府民への説明は全くなくパブコメも1ヶ月足らずで打ち切り、12月1日「大阪府国保運営方針」をホームページで突然アップする暴挙!!

大阪府は当初8月末に公表すると言っていた「第2回国保事業費納付金・標準保険料率試算」を2ヶ月も遅らせたうえ、やっと1025日の大阪府内市町村主幹課長会議で公表・説明されましたが、その説明はなんとたった一時間でした。

★大阪社保協に対して説明会を開くという約束も反故に!!

大阪府は大阪社保協にはこの資料を2日後の27日にはデータとして送ってきましたが、以前から約束していた大阪府による説明会については忙しい事を理由に反故にしました。

大阪府の試算資料  http://www.osaka-syahokyo.com/16kokuken/s20171025.pdf

大阪社保協では、「なんの説明もなくパブコメをかけという方が無茶だ。大阪社保協に対して最低でもレクをしてもらわないと困る」と要望し、1124日に大阪府国保課によるレクチャーを受け、その内容を27日の「大阪府統一国保問題緊急学習会」で説明しました。その内容は以下です。

大阪府国保「第2回事業費納付金・標準保険料率試算」に関する質問に対する回答

2017.11.24 大阪府国保課レク

1. そもそも8月末試算公表というスケジュールが、なぜ2ヶ月も遅れたのでしょうか。

・追加システムが多数入れていかないといけなかったため、ひとつひとつ国に確認しながらの作業となったため時間がかかった(これは統一しない場合でも同じ)

・考えられないような数字が何度も出てきたため、疑義の照会をし、手間取った。

(他の都道府県についてはこんなに時間がかかったようには思えないが)

完全統一は大阪府だけなので、他は国が示したやり方でやっていけるが、大阪府は修正が多く必要であった。おおもとの算定から変えてやっているのは大阪府だけ。

2. 資料1について

@来年度からの追加公費1700億円のうち、なぜ400億円しか反映していないのでしょうか。

・全国400億円は大阪府では24億円

・国の普通調整交付金拡充も加味している。156千万円程度、既存の分と分けては国から示されていないので。

・国の激変緩和用の暫定措置分250億円、保険者努力制度市町村分300億円、都道府県分200億円は保険料に反映していない。

・激変緩和暫定措置は保険料上がる市町村のための財源なので、全市町村に全て行き渡るように納付金計算には入れずにはずしている。大阪府18億円程度。28年度ベースとして自然増を上乗せした保険料と比較して。

A保険者努力支援制度については、都道府県分200億円、市町村分300億円の具体的な配分が出され、平成28年度実績も出されていますが、なぜ反映していないのでしょうか。

・市町村分は市町村に直接いくお金なので納付金計算には入れない。

・都道府県分も独自のインセンティブとして配分するので、納付金計算には入れない。

・都道府県分についてはまだ精査できていない。

・各市町村分はざっくりした数字は国から出ている。

・市町村分のインセンティブは保険料引き下げではなく、保健事業に使っていただきたいとお願いしている。

(他の都道府県では納付金計算にいれているところがあるが・・・)それは都道府県の考え方次第。大阪府は統一の考え方でやっているので。

B今回、激変緩和の試行という目的で全国的には第3回試算が行われていますが、なぜ激変緩和試算をしていないのでしょうか。

・激変緩和試算本当はしないといけなかったが、試算が遅れた関係で市町村に早く示さないといけなかったので保険料試算を優先した。

C各市町村の保険料過年度収納分をなぜ納付金計算で反映するのでしょうか、また「一部」とありますが、どれだけ反映しているのでしょうか。割合をお知らせください。

・国の考え方にも入っている。

・過年度収納割合の過去3年間平均の60%を納付金計算に入れることとした。

D『今後のスケジュール』で次回試算が12月となっていますが。

12月上旬を目指している。

・また、国のシステム、バージョン変わっているので・・・・

・今度は30年度の保険料を試算していく。ただ公費は全額入ってこないが。

・最終係数は1228日くらいか、そこから本算定になるのか・・・遅くとも1月中旬までに出さないといけないと思っているので。

・賦課限度額4万円アップは2月頃の政令改正となるので、間に合わないのでいまのままで計算する。

3. 資料2について

@第2回試算と次の試算はどう変わりますか。

・次の試算については1700億円のうち、今回の400億円とほぼ変わらない。

・激変緩和も試算上は入らない。

・追加公費が反映する。

・平成30年度は予測でいく。医療費は増えるか減るか、まだ分からない。

・前期高齢者交付金の数字の変動がどうなるか。

・大阪府繰入金(調整交付金)の配点・加点については考え方は基本的には変わらないが、国からのいくらはいるかによって配点と評価指標については変わる。納付金計算の時に入っている。

・国の調整交付金も納付金計算に入っている。国からの金額は年末に示される。

4. 資料3-1について

@参入している経費の資料4以外の具体的な金額の提示をお願いします。

・最終ではなく、今後変わるので提示は出来ない。

5. 資料5の各市町村の所得割の元データとなる市町村ごと被保険者の平均所得データの提示をお願いします。

・試算に使ったものとは違うが、旧但し書き方式での課税標準額は国保実態調査のデータとして出ている。

・所得データは一定の基準に基ずいて市町村があげてきたデータで作っている。

・βは本算定では平成29年度ベースの所得データを作って計算する。

・この数字は億まで全国平均に基づいてということになるので全国平均の動向次第。   

6. 直近の大阪府市長会での意見とりまとめはどうなっているのでしょうか。

10月中旬に開かれた大阪府市町会では概ねの賛意は得ているかな。「試算出ていなければどうにも話出来ない」との意見頂戴し、早急に出すということとなった。市長会でも再度10月中に日程調整して開催を探ったが日程調整むずかしく、市町村主幹課長会議での示しとなった。

7. 法定意見聴取を終え、市町村からどのような意見がだされているのでしょうか、「統一」で意思統一しているのでしょうか。見通しをお聞かせください。

・各市町村からの意見書については現在取りまとめ中で、12月上旬までは府の考え方を示したいと思っている。

・大阪府としての考え方をまとめる形で、QA方式でお示ししたい。

・調整会議でも運営協議会でも示すことは考えていない。

 (市町村の意見書を情報公開請求してもいいか)⇒検討させてほしい。

・統一については2月の主幹課長会議で合意を得ているという認識。

(5月の国保緊急キャラバンでは、調整会議に出ていない市町村から、「統一するかどうかは一度も賛否聞かれていない」とか「どこまで決まっているのか分からない」「大阪府からちゃんと説明受けていない」と言った声が課長から出ていたが・・・)

・統一させていただく前提で試算させていただいているので、各市町村議会もあるし、府議会もあるし、運営方針も決定ではないので「統一で検討」という状況。

8. 保険料統一には賛成していても減免統一は反対といっている自治体がありますが。

・市町村の長い歴史の中でされているので意見ももらっている。

・激変緩和措置期間もあるので、検討しないといけない。

・最終的に減免どうするか決めていない。

・共通基準以外のところ、激変緩和で市町村には解消してくださいとお願いしている。あとは財源見合いで、激変緩和期間中に検討の余地があるかなと考えている。

・低所得者減免については、判例をみながら違法にならないのかどうか、慎重に判断したい。

  (大阪府の財源で子どもに対する減免の創設をという意見を出している自治体があると思うが)

・財源を考えながら必要なのかどうか検討。

9. 今回の試算には「標準収納率」の記載がありませんが

・前回計算と同じ標準収納率で試算した。

・標準収納率を超えれば納付金は集めきれるはずだが、被保険者数が減れば集めきれな

い場合もある。

・次の試算には標準収納率は出す。

10. 次の運協は?方針案はどこの時点で決定するのか

12月上旬には決定したい。

・運協はいただいた意見をどう書き込むか、会長にご一任頂き、会長から答申うける。

・運協開かずに決定する。

・議会には報告する。

 

学習会の最後に大阪府国保運営方針骨子案についてのパブコメ書き込みを行い、翌28日に大阪府国保課に70通分faxしました。

 

121日「大阪府国民健康保険運営方針策定」を突然アップ、府民からの意見にも、市町村からの意見にも答えず「見切り発車」する異常さ!

大阪府はこれまで、大阪府国民健康保険運営協議会資料もホームページにアップせず、第2回試算資料も全くアップしておらず、大阪社保協のホームページ以外にはパブコメ用の「大阪府国民健康保険運営方針」については、「骨子案」しか見ることができませんでした。

しかし、121日、突然に大阪府のホームページには「大阪府国民健康保険運営方針を策定」としてデータがアップされたのです。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00000000/houshin.pdf

さらには、「素案へのご意見」としてパブコメでの意見と大阪府からの回答がアップされ、

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00269531/iken-kangaekata.pdf

「大阪府国保運営方針策定に係る市町村意見に対する大阪府の考え方」として、法定意見聴取で出された市町村からの意見を自治体名入りでだし、それに対する大阪府の考え方を出しています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00269565/shichoson_iken.pdf

この市町村からの意見はぜひ読んで頂きたいのですが、市町村からの意見は相当細かく出されており、大阪府の回答が「調整会議でこれから検討する」など回答になっていないもの多い事がよくわかります。またその回答が大阪社保協のレクの時に言っていたこととかなり違うことにも注目する必要があります。

★大阪府は二枚舌で市町村を言いくるめようとしているのではないか

例えば、大阪市の「保険料負担の抑制について今般、大阪府において第2回目の平成29年度保険料で仮試算が行われたが、平成30年度から全国で約1,700億円の追加公費が措置されるが、そのうち約400億円のみ算入し、残りの約1,300億円については考慮されていない。その結果、法定外繰入等がある1人当たり保険料で比較すると、府内平均で約5.5%の上昇(本市で6.7%の上昇)となっている。市町村としては激変緩和措置を講じるものの、新制度への円滑な施行を図る観点から、今回の試算において算入されていない追加公費の財源1,300億円について、最大限保険料を抑制するための財源として活用し、被保険者の保険料負担を少しでも緩和していただきたい」という意見に対して大阪府は「標準保険料率の算定結果を踏まえながら、被保険者への影響を考慮の上、保険者努力支援制度(都道府県分)の活用等により、保険料をできるだけ抑えられるよう、引き続き、「府・市町村国保広域化調整会議」で協議してまいります。」と回答しています。しかし、大阪社保協へのレクでは「保険者努力支援制度の都道府県分も市町村分も納付金算定の時には組み入れない」と明言していました。

★多くの自治体から「低所得者減免」「多子世帯減免」が求められているが

多くの自治体から「低所得者」「多子世帯」に対する減免制度が求められています。しかし、大阪府の回答は以下です。

「低所得者対策としては、・世帯の所得が一定以下の場合には、応益分保険料(均等割・世帯割)の7割、5割又は2割を軽減する制度(保険料軽減分)の拡充 ・倒産などで職を失った失業者に対し、保険料を軽減する制度(非自発失業者の軽減措置)など、既に一定の配慮がなされています。 保険料減免の統一基準については、最高裁判決では「恒常的に生活が困窮している状態にある者については生活保護法による医療扶助等の保護を予定して、これを市町村が行う国民健康保険の被保険者としないものとして」おり、「当該年において生じた事情の変更に伴い一時的に保険料負担能力の全部又は一部を喪失した者に対して保険料を減免するにとどめ、恒常的に生活が困窮している状態にある者を保険料の減免の対象としないことが、法77条の委任の範囲を超えるものということはできない。」と判示されていることを踏まえ、「府・市町村国保広域化調整会議」において、法第77条の減免の対象事由となる「特別の事情」は、保険料が前年度所得に応じて賦課されるため、所得状況が前年度より著しく低下するなどにより、保険料負担が過度となる場合に限り、減免を実施する」という基本的な考え方を整理した上で、「別に定める基準」のとおり設定したものです。なお、被保険者への影響を考慮する必要があるため、6年間の激変緩和期間中は、激変緩和の計画を定めていただいた上で、その取扱いは各市町村の判断に委ねることにしています。 国保制度は、国民皆保険を支えるナショナル・ミニマムであり、本来、国において、権限・財源・責任を一元的に担うことが基本であると考えており、府として独自の財政措置を行うことは考えていません。」

★自治体からも大阪府への不信・懸念が

さらには岸和田市からは「この意見聴取は法定のものであり、我々市町村が意見を表明するための重要な機会であると認識している。広域化に向けての作業がかなり遅れ気味の中で、この求意見もこの時期に、しかも、前述のような重要な機会であるにもかかわらず、短い時間で意見を提出しなければならない。やむを得ない事情もあることはわからないことはないが、この状況を見ると、大阪府としてはこの意見聴取を形式的なものという認識しかないのではないかという見方もでき、共同保険者としての今後の信頼関係に懸念を覚える」という意見がだされるなど、各自治体が大阪府の方針に対して一枚岩で「統一賛成」「方針賛成」としているとは到底思えません。

★どう考えても見切り発車でしかない!!

こうしたことから、大阪府のまさに[見切り発車]だと言わざるを得ず、大阪社保協としても大阪府に対してさらに意見を出していきたいと考えています。いま開催されている12月議会で、それぞれの市町村での意見を反映した論戦が行われること、そして各社保協も当局の考え方をしっかりと聴き取り、「保険料はあげるどころか下げさせる」「これまで通りの減免を実施する」との確約を取ることが重要です。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 今後の会議・企画のお知らせ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

124()大阪市堺市介護保険総合事業対策会議(1900- 大阪民医連)

127() 事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

            シングルマザーとサポーター養成講座B(1830-ドーンセンター)  

1211()大東市総合事業問題現地対策会議(1830-協立診療所)

1220()中央社保協医療介護運動交流集会(1030-日本医療労働会館)   

1221日(木)大阪社保協第6回常任幹事会(1800- 国労会館2階円卓会議室)

227()仕事おさめ

1月4()仕事はじめ

110()中央社保協運営委員会

111()事務局会議(1400-大阪社保協事務所)

            シングルマザーとサポーター養成講座C(1830-ドーンセンター)  

112()河南ブロック会議(1400-松原民商)

115()北河内ブロック会議(1400-北河内ブロック)

117()北摂豊能ブロック会議(1400-吹田市さんくすほうる)

118日(木)大阪社保協第7回常任幹事会(1800- 国労会館2階円卓会議室)