大阪社保協通信 第1163号 2017.5.24
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5月15日から国保緊急キャラバン行動展開中〜14自治体国保課長と懇談、試算後大阪の市町村は大きく揺れている。
大阪社保協では、5月15日から「国保緊急キャラバン行動」を実施しています。懇談で聞く内容は主に以下の4点(累積赤字がある自治体については5点)です。なお、最新日程は大阪社保協ホームページ⇒2017自治体キャラバン行動のページに随時アップしているのでチェックをお願いします。
【各市町村への質問内容】
@2月に大阪府が試算した内容についてどのように考えるか
A8月の次回試算はどうなると考えているか
B事業費納付金が保険料で集めきれない場合はどのような方策をとるのか
C条例減免制度は「共通基準」を決めて統一すると大阪府は言ってきたが、いまどこまで決まり、共通基準以上の減免制度を持っている場合、どうするのか
D今年度中に累積赤字が解消しない自治体・・・・累積赤字の解消を来年度以降どのように行うのか
★緊急キャラバン行動での特徴点
◎第一回目の試算は「参考にならない数値」といいながらも、試算での統一保険料額が大きく跳ね
上がったところはショックを隠しきれない。
「ここまで上がるとは思っていなかった」「下がるならまだしも上がるなど市民に説明がつかない」「うちは単独でいけば来年も黒字になるし保険料も下げられるのに」などの声も。
◎今回の標準保険料率(統一保険料率)は大阪の所得水準β=0.8154(全国平均がβ=1)であるため、所得割が50%を大きく割り、均等割・平等割が大きくなる。そのため、多人数世帯=子育て世代と政令軽減がかかる低所得世帯の保険料が高くなる。
◎2016年度保険料で、医療分均等割で3万円を超えるところは殆どない。
【第一回試算・統一保険料率】 |
|||
統一保険料試算 |
所得割料率 |
均等割金額 |
平等割金額 |
医療分 |
8.79% |
34,970 |
24,976 |
後期高齢者支援金 |
2.60% |
10,455 |
7,467 |
介護納付金 |
2.41% |
12,190 |
6,292 |
合計 |
13.80% |
57,615 |
38,735 |
◎守口市では現行保険料より若干低めの試算が出ているため問題意識がなかったが、「守口市長の施政方針は子育て現役世代支援だが、この国保料はそれに逆行するが、市長はこのことを知っているのか」との問いに対してしどろもどろの回答となった。
◎富田林市は昨年より「減免制度は統一せず市町村の権限尊重を」との考えを議会でも表明し、大阪府に対しても意見を挙げている。
◎3月1日の大阪府による試算説明会で、上嶋総括主査が「市町村データが間違っているのでこの試算はあてにならない」と何度も言っていたが、「市町村が間違ってるのではなく、国・大阪府からの指示の仕方があいまい、予算ベースの数字で出せと言ったり、決算ベースで出せといったり」「府は市町村の実務が全く分かっていない」との声も。
◎「大阪府は2月16日の課長会議で『この数字は公表しない』と言っておきながら、マスコミに流し、新聞報道がされた。各市の反応をみているのか」との不信の声も。
◎5月15日に大阪府主幹課長会議があったが、試算内容以上のものは全く出てきていない。均等割りが高すぎることについても意見がだされるなど意見噴出であったらしい。
◎今後7月に示される新たな財政支援1700億円については期待する声もあるが、全額投入されても1人当5000円程度、特に半分の保険者努力支援制度については、「特定健診・がん検診の過去の受診率に対して交付されるが、大阪では殆ど基礎点しかもらえないのではないか」との問いに対して答えられる自治体はいまのところはない。
◎どの自治体も大阪府から十分な説明を受けておらず、「大阪社保協さんの方がよく知っておられると思うので今日お会いするのを楽しみにしていた」、「今日は思っていること全部お話したい」などの声も出てくるほど市町村の不満が高まっている。しかし、大阪府にタテつけば「なにかペナルティーがあるのではないか」との漠然とした不安をどこももっている。
◎大阪社保協主催の大阪府説明会で主査が「一般会計法定外繰り入れなど保険料賦課決定権限は市町村の首長にある。大阪府がそれをするなとは言えない」「ただ、尊重してほしい」と言ったとつたえると、一様に「大阪府はそんなことは一度も我々には言わない」との声も。
◎14市町を回って、「どこまでが決まっているのか」「何が決まっていないのか」「なぜこんなに決まらないのか」との声がどこからもでた。大阪府は2015年5月に調整会議を立ちあげ、ワーキングも月2回開催してきたが、ここにきて、「まだ何も決まってない」という状況に陥っている。「こんな準備状況では2018年4月スタートは無理だ」、「統一なんて絶対に無理」との声まで上がっている。
★今後、どのような取り組みが必要か
◎今後もこうした声が次々とでる可能性は高い。
◎情勢は去年と全く違っている。「第一回試算」が出たことが大きい。具体的な数字により、統一することでデメリットしかないということに直面し、市町村が大きく揺れている。
◎大阪府もこうした市町村からの声を押さえきれなくなっているのではないか。
◎次回の8月試算(公表は8月末?9月?)は本計算にかなり近い数値が出てくる。
◎埼玉県は1回目試算より2回目試算の方が圧倒的に高くなっている。
◎殆どの都府県は試算公表もせず。徳島県などは12月にしか公表しないと公言(本計算)。千葉県では準備が間に合わないので、2018年度はこれまでと同様にせざるを得ないのではないかとの市町村からの声も出ているとのこと。
◎中央社保協国保部会では、「実施の延期」も要求すべきではないかとの議論に。
◎7月7日厚生労働省レクの予定。大阪の市町村の声を反映したい。
◎大阪社保協としては、大阪府に対する署名と第一回試算でのデメリットを明記したチラシの作成を急ぐ。
5月12日『介護の切りすてアカン!みんなの大集会』に370名が参加!個人賛同269名、団体賛同392!介護・福祉総がかり行動がスタート!
2017年5月12日夜、大阪市北区民センターで開催された『介護の切りすてアカン!みんなの大集会』は、370名が参加し大成功に終わりました。
冒頭、福島瑞穂国会議員、辰巳孝太郎国会議員のご挨拶がありました。メイン講演として服部万里子先生から次期介護保険制度の危機的な問題点がわかりやすく話され、大阪社保協・介護保険対策委員長の日下部雅喜さんからは、新総合事業の問題点が鋭く指摘されました。介護現場からのリレートークでは、新総合事業の弊害に対する切実な声が上げられました。
★総がかり行動へのメッセージ(一部紹介)
◎守ろう!介護保険制度・市民の会
大阪の皆さんの奮闘に深く敬意を表します。私たち、「守ろう!介護保険制度・市民の会」は、昨年の8月3日の発足以来、介護保険制度スタート時に掲げられた理念・目的を大切にし、制度の充実・発展を望んでいます。市民の会は、現在「政策提言」づくりに向けて検討を進めております。そして、各党との政策懇談会を開催すべく取り組みを進めております。ともに連帯して頑張りましょう。
◎中央社会保障推進協議会
第193通常国会で、安倍政権は「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」を強行しようとしています。(5月2日現在)
今回の制度の見直しは、高額介護サービス費の負担上限額の引き上げや現役並み所得者の利用料3割化などの新たな負担増、そして長期療養を担う療養病床の削減・廃止、生活援助(訪問介護)のヘルパーの配置基準の緩和・介護報酬の引き下げなどが盛り込まれています。
利用者からは、「医療費も上がっており、介護費用がこれ以上増えたらサービスを減らさざるを得ない」、「ヘルパーの生活援助が減らされたり、ボランティアに移されたら自宅での生活が続けらない」など、法案に対する深刻な声が多数寄せられています。
事業所においても人手不足が深刻化し、「特養を全室オープンできない」「ショートステイを半減させざるを得ない」「デイサービスを廃止した」などのきびしい事態が生じています。
衆議院厚生労働委員会では、このような国民のいのちと生活に係わる重要な内容にもかかわらず、31本の法案を一括して審議し、地方公聴会を開くこともなく、わずか20時間余りの審議で強行しました。国会の審議を軽視し、国民の声、要求に耳を傾けないもので絶対に許すことはできません。
高齢化が進んでいく中、お金の心配をすることなく、行き届いた介護が保障される制度への転換はすべての高齢者・国民の願いです。そして介護を担う職員が自らの専門性を発揮し、誇りをもって働き続けられる条件整備を一刻も早く実現させなければなりません。
憲法をいかして安全・安心の介護の実現を求め、今国会での介護法案の徹底した審議と廃案を求めるものです。
そのために、介護に関わる職員、労働者、事業者をはじめ、高齢者、障害者、利用者、家族、市民のみなさんと、しっかりと声を上げて、ともにがんばりましょう。
〔当面の機関会議・取り組み予定〕
5月26日(金)介護福祉総がかり行動5.12集会総括会議(19:00-国労会館)
5月28日(日)近畿社会保障学校(10:00-16:00 エル大阪)
5月29日(月)介護保険対策委員会(19:00-大阪民医連)
6月1日(木)大阪社保協事務局会議(14:00- 大阪社保協)
6月2日(金)泉州ブロック会議(14:00- 岸和田市総合福祉センター)
6月5日(月)大阪市・堺市介護保険総合事業対策会議(19:00- 大阪民医連)
6月8日(木)介護保険抜本見直し検討会議(19:00-大阪民医連)
6月14日(水)大阪市内ブロック会議(18:30- 大阪民医連)
6月15日(木)大阪社保協第3回常任幹事会(18:00-国労会館円卓会議室)
7月5日(水)北摂豊能ブロック会議(14:00- 吹田市さんくすほーる)
7月6日(木)大阪社保協事務局会議(14:00- 大阪社保協) 滞納処分対策委員会(19:00-彩法律事務所)
7月7日(金)国保都道府県単位化問題厚生労働省レク・中央社保協国保部会
7月10日(月) 北河内ブロック会議(14:00- けいはん医療生協)
7月11日(火) 河南ブロック会議(14:00- 松原民商)
7月18日・19日 第64回全国総会(伊東温泉「伊東ホテル聚楽)・国保運動交流集会
7月20日(木) 大阪社保協第4回常任幹事会(18:00-国労会館円卓会議室)
7月21日(金) 「地域包括ケア推進法・わがごとまるごと・大阪府方針学習会(18:30-保険医協会MDホール)
7月24日(月)〜2017年度自治体キャラバン行動スタート