大阪社保協FAX通信 第1146号 2016.10.26
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10/19、最悪の泉州地域「現行相当サービス報酬切下げ」問題で泉南決起集会開催。各地から90人が参加。
泉州地域では各自治体(高石市、和泉市、泉大津市、忠岡町、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、田尻町、熊取町、泉南市、阪南市、岬町)が相談し、横並びで「現行サービス」(現在の事業所が現在と同じサービスを実施する)の報酬の実質切り下げを検討しています。
大阪社保協と泉州ブロックは、10月19日(水)の夜に、泉佐野市内で「介護保険新総合事業現行相当サービス報酬切り下げ許さず、利用者と事業者を守るための泉南地域学習決起集会」を開催、泉州各地から90人が参加しました。
冒頭、日下部雅喜・大阪社保協介護保険対策委員長より問題提起がありました。
★報酬単価から出来高報酬(回数単価)に!!
岸和田市資料によると訪問介護サービスの場合、週一回程度(月4回まで)1回266単位、週2回程度(月8回まで)1回270単位、週2回超える程度(月12回まで)1回285単位となっています。
これでは月4回訪問すると266単位×1064単位となり、現行1168単位ですから8.9%ダウンとなります。また通所介護でも同様に週1回あたり378単位となります。
有資格者が要支援者へのサービスをこれまで通りサービスを提供しても報酬が下がるということになり、採算が合わなくなり、結果、経営が今まで以上に困難になることが予想されます。
★泉州地域訪問介護・通所介護事業所緊急調査を実施、「平均報酬減16.1%」「やっていけない54%」「要支援者受け入れない33%」
大阪社保協と社保協泉州ブロックは9月中旬から2週間で全地域の訪問介護・通所介護事業所の緊急調査を実施しました。138事業所から回答があり、内訳はちょうど訪問介護事業所と通所介護事業所で半々でした。
【泉州地域訪問介護・通所介護事業者アンケート】 138事業所が回答
問1)出来高単価でどれだけ減収になるか
@8月1ヵ月の利用実績×出来高単価 の報酬額
A現行の8月の報酬額 @−A
⇒平均 16.1 %減
問2)出来高制報酬による報酬削減でやっていけますか
やっていける 10%
やっていけない 54%
わからない 33%
問3) 報酬削減への対策は
要支援者を受けない 33%
人件費を削る 25%
その他経費を削る 33%
事業縮小 14%
事業撤退 9%
問1、問2でわかるように事業所を窮地に追う込むことは確実です。先の自治体キャラバン行動で各自治体は、「現行相当の報酬を下げることは利用者にとってはメリットがある」という言い方を一様にしていましたが、問3のように「要支援を受けない」さまり、サービスそのものが使えないという状況が生まれる可能性があり、これは利用者にとっては大変なデメリットとなります。
★泉州地域以外は現行相当サービス報酬これまで通り
8月9月に実施した大阪府内自治体キャラバン行動では、「現行相当サービスは報酬も現行通りか」という確認をしましたが、能勢町で「出来高報酬も検討している」との回答でしたが、それ以外には「報酬は現行通り」との回答でした。
★基準緩和A設定で現行サービスも使えない最悪の岸和田市総合事業案
岸和田市の訪問型サービス類型は
@現行相当サービス(出来高払い報酬で切り下げ)
A緩和A-1(研修受講の無資格者によるサービス、報酬は現行相当の80%)
B緩和A-2(シルバー人材センターによるサービス、報酬は1回1000円程度)
問題は現行相当を利用できるのはどういう人かということですが、岸和田市の介護予防ケアマネジメント基本方針で以下のように明記されており、殆どの人が現行相当サービスを使うことができなくなるのではないかと予想されます。
◆岸和田市介護予防ケアマネジメント基本方針 ●訪問型サービス ○身体介護が必要な方⇒現行相当も利用可 ○生活援助のみ利用者⇒緩和型Aを利用 【サービス選択検討会議に諮る】 @認知機能の低下や精神・知的・身体障害により日常生活に支障があるような症状や行動を伴う者 A退院直後で状態が変化しやすく、自立支援に向けた専念的サービスが特に必要な者 Bゴミ屋敷となっている者や、社会と断絶している者などの専門的な支援が必要とするもの C心疾患や呼吸器疾患、がんなどの疾患により、日常生活の動作時の息切れ等により、日常生活に支障がある者 D受け皿不足で多様なサービスが利用できない者 |
★現行相当のみ実施自治体は吹田市、池田市、八尾市、藤井寺市、和泉市
先の自治体キャラバン行動で判明した「現行サービスのみ」でスタートするのは標記の5自治体です。ただ、和泉市については「現行相当サービスは出来高払い」の方向です。
★泉佐野市の年金者組合、新婦人、共産党は全事業所訪問に取り組む
日下部・介護保険対策委員長からの問題提起の後、各地からの報告がありました。
今回の決起集会開催地である泉佐野市は現在地域社保協が休止状態ですが、泉州ブロックの提起をうけ、2回会議を開催し、事業所アンケートと集会の案内をもち、市内訪問介護と通所介護事業所訪問を行い、100カ所のうち50カ所を直接訪問しました。その結果、40人を超える泉佐野市からの集会参加となり大きな成果を得ることができました。
★泉大津社保協は今年2回の介護事業所訪問を実施
泉大津社保協は今年は夏と今回の2回、市内50介護保険事業所訪問を行いました。既に閉鎖した事業所もあり、会えないところもあったのですが、多くの事業所と対話するなかで、行政からの情報がいまだ殆どないとの声も多いとのことでした。
★岬町は「現行相当は包括報酬のままで」との方向打ち出す
中原あきら日本共産党岬町議員からは、岬町は「決定ではないが、現行相当は包括報酬のままでいきたいとの意向」であることが報告されました。岬町は明らかに私たちの指摘によって、ことの重大性に気がついたとのこと。これは画期的なことです。こうした岬町の動きを全地域に広げていく必要があります。
★泉州地域だけでなく、各地域でただちに取り組もう!!
来年4月まであと半年です。
各地で自治体に対して、直ちに取り組むべきことは以下です。各地域社保協はさらに自治体との話し合いを進めましょう。
@現行相当サービス報酬は必ず現行通りの包括性で、切り下げをさせない
A現行サービスの利用保障のために利用者の考え方や基準、利用者数割合見込みを明らかにさせる
B現行相当サービスを堅持し、無資格・低価格の基準緩和Aは導入させない
Cすべての相談・利用希望者には認定申請を先行してさせる
D更新者には更新認定を保障させる
E「自立支援型ケアマネジメント」について当局の考え方を明らかにさせ、研修資料などを公開させ、地域のケアマネなどと懇談する
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆今後の予定★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
11月1日(火)河南ブロック会議(14:00-松原民商)
11月2日(水)泉州ブロック会議(14:00- 岸和田市職員会館)
11月14日(月)介護なんでも電話相談
11月18日(金)介護保険対策委員会
11月19日(土)大阪社保協「第3回幹事会」(14:00-大阪府保険医協会)
11月20日(日)シンポジウム「地域医療構想と介護保険で『地域包括ケアシステム』は可能か」(13時30分〜大阪民医連)
11月25日(金)11.25介護福祉総がかり学習決起集会(18:30-エルおおさか南館)
12月6日(火)介護保険新総総合事業大阪市・堺市対策会議(19:00-大阪民医連)
12月15日(木)大阪社保協常任幹事会
12月20日(火)差押えホットライン(10時〜20時)