大阪社保協FAX通信 第1137号 2016.5.23
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5月17日〜北摂豊能「大阪府統一国保問題」緊急キャラバンスタート!!各自治体の温度差際立つ。
5月17日の茨木市を皮切りに、「大阪府統一国保問題」で北摂豊能地域の全自治体の担当者と話し合う緊急キャラバン行動がスタートしました。これまで北摂豊能10市町のうち8市町との懇談を終えました。
3月29日の第3回大阪府・市町村国民健康保険広域化調整会議でのとりまとめ案は以下にアップされていますのでご覧ください。http://www.pref.osaka.lg.jp/kokuho/iryouseido/h27_tyouseikaigi03.html
★茨木市〜財政運営検討ワーキングメンバーとして孤軍奮闘
(取りまとめ案の位置付け)
2010年当時、橋下大阪府知事と市町村長との合意「統一国保をめざす」のもと、「一つの国保=同じ保険料」ということで進んでいる。第3回調整会議のとりまとめ案はたたき台であるが、方向性は決定事項。詳細はこれから。
北摂豊能地域の保険料は高くならざるを得ない。市民と接する立場としては上げたくないが、事業費納付金は被保険者数と所得で割り振られるので茨木市は多くならざるを得ない。
また、現在は一般会計法定外繰入を行っているが、この取り扱いも微妙で、繰入してはいけないとなったらどうなるか、納付金100%納付が義務付けられているので・・・・
(保険料の賦課権限は茨木市にある。茨木市として大阪府と違うこともできるのではないか)
やはり、大阪府に財源を握られているということが大きい。なにかペナルティーがあるのではないか、収入減らされては困るとの思いもある。
(だいたい、どれくらいの保険料になるのか)
大阪府に早くから試算してほしいと言っているが、結局10月までできないようだ。
(減免もすべて統一するということに対してはどうなのか)
茨木市は減免制度がそれほどあるわけではないので、「共通基準」がよいものになればとはおもっているが・・・・
(いまでも滞納世帯が多いと聞いている。高くなったら、滞納世帯がもっとふえるのは自明ではないか)
7000世帯が滞納(39000世帯のうち)している。
★吹田市〜現行法体系では賦課・給付権限は市町村にあるので行使していく
(調整会議や予備ワーキングメンバーでない自治体への説明は?)
最終案については先日大阪府所管課長会議があり大まかな説明がされた。また4月11日の大阪府市長会医療福祉部長会議もあり、何点か質問させていただいた。また本日(4月17日)、今年初めての大阪府市長会が開催され、大阪府から市長にはじめて説明がされる。
(吹田市としての考えは?)
吹田市としての議論はこれからだが、担当者としては現在の法体系の中で賦課・給付の権限は市町村にあり、それを行使していきたいと考えている。統一という風に傾きつつありとは思うが、最終的には議会にも市民にも説明していく責任がある。
統一保険料については平成22年に橋下大阪府知事と市長会メンバーのとの話し合いの中で大阪府統一国保料をめざすという合意があったが、その後の事務担当者レベルで無理だということとなり、統一保険料にできる法体系にしていくということとなった。そして、今回の法改正でも賦課権を都道府県にもっていかなかった。
我々は法の体系の中で仕事をしていく。国は医療費と所得をみながら納付金を算定するが、大阪府は医療費をみない。医療費格差1.4を年齢調整をして1.2とし、それが1とイコールといっているがそれはどうだろうか。
(減免制度まで統一するという案に対しては)
また減免制度の統一については10月の中間とりまとめには出てきていなかった。減免制度は各市町村の57年間の国保の歴史の中で出来上がってきたもので、それを6年間で統一していこうというのは乱暴ではないか。
(10月の試算でどれくらいの保険料になるのか)
吹田市は医療費は平均なみだが、国保被保険者の所得が大阪府内で一番高いので・・・・
(茨木市の担当者は大阪府が財源を握っているのでと言っておられましたが、いまペナルティー的に交付して市町村を縛っている大阪府第二号調整交付金は保険者支援制度との関係でどうなりますか?)
なくなるはず。
(吹田市は累積赤字がありますが、これはどうされますか?)
平成24年度〜33年度で解消する計画。大阪府国保となっても一般会計法定外繰り入れで解消していく予定。
(吹田市単独、または北摂ブロックで反対意見を出していくという動きはありますか?)
現在、北摂ブロックで意見をだそうという動きはない。吹田市としては、うちの保険料が高くなるから反対ということにはならない。やはり、世論の後押しがなければ反対できない。
(このような統一保険料、統一国保、となって果たして市町村は健診事業、がんばるでしょうか)
もちろん、頑張りますが、やりにくくなるだろうと思います。
★摂津市〜数字がでてこないと判断のしようがない
(大阪府からどのような説明をうけているのか)
昨年11月のブロック会議に大阪府による報告があった。3月に大阪府課長会があり説明がされたが、議会中のため出席できなかった。『方向性』は決まったと聞いている。
(なぜ統一国保にするのか)
平成30年から大阪府が財政責任を担う。財政の効率化、事務の効率化がはかられる。保険利用・税の違い、賦課割合の違うなど様々な違いがいまはあるが、統一されればわかりやすくなる。
(統一国保にすると摂津市の場合はどうなるのか)
摂津市はスタンダードなところが多いのであまり影響がないと考えている。あるとすれば、保険料率と減免。ただ、保険料率については数字がでてこないとどういう影響がでるのか考えにくい。
保険料率は結局納付金で決まる。摂津市は所得水準が全国平均より高い(北摂では低いが)ので多くなることが予想される。共同事業では激変緩和措置があったとしても拠出超過となっている。ただ、医療費水準は高く1を超えるので、医療費が反映しないのはありがたい。
いずれにしてもデメリットがどれだけのものになるか、数字が出てこないと判断できない。保険料が大幅に上がるということになれば市独自でも激変緩和したい。
(北摂ブロックで反対意見を出していくということを以前言っていたが・・)
平成27年度の幹事市は摂津市だったが今年度は豊中市。茨木市、豊中市に意見を言ってもらうということになっている。北摂ブロック課長会議は去年は3回集まり、今年も4月に開催した。また国・府への要望もいつも取りまとめて出している。
★島本町〜市町村の思惑が違うので府にイニシアチブを取ってもらいたい
(島本町は調整会議メンバー。取りまとめ案はどのような位置付けか)
2010年の統一保険料にむけての合意があり、町としてもこの案ですすめていってほしいという話をしている。医療費を加味せず統一保険料率でいくというのであれば、目標収納率設定もこれまでの高い収納率も加味してもらいたい。つまり、収納努力をしているところは実績をみてもらいたいと意見をだしている。
(統一国保にすると島本町の場合はどうなるのか)
数字がでていないのでわからない。
島本町は医療費は高く所得も高い。ほかの自治体が法定外繰入をしなくなるとどれくらい引き上がるのか、数字としてはわからない。
(10月に簡易システムが大阪府におりるので試算ができるようになると言われているが)
現在システム改修をしているが、来年3月末までかかり、試算に必要なデータも10月までには吸い上げられない。国の国保標準システムは導入しない。これだけを入れても他のシステムと連携させることができないから。大阪府にあげるデータは当初600項目と言われていたが170項目に減った。ツールが大阪府から示される。
(なぜ統一国保にするのか、最終的な賦課権限は市町村にあるはずだが)
大阪府国保のもとで市町村としても協力体制をとらないといけない。各市町村から意見がだされれば調整はあるとは思うが、この取りまとめ案に沿った形で「統一化」を目指すこととなる。
(一般会計法定外繰入は島本町はしていないが、どう考えているのか)
現在しているところとしていないところがあるが、統一になると歳出は大阪府全体でもつことになるのに一般会計法定外繰入をすると他の自治体に負担を求めることとなるためすべきではない。市町村の思惑が違うので結論は出ないだろう。大阪府にイニシアチブをとっとまとめてもらうしかない。
★箕面市〜広域化は賛成だが保険料率には医療費を反映すべき
(調整会議メンバーでない箕面市は大阪府からどのような説明をうけているのか)
調整会議及びワーキングメンバーの豊中市、茨木市から報告をうけている。大阪府からこの取りまとめ案についてわざわざの説明はない。担当課長会議でもかいつまんでの説明はあった。「統一保険料」をめざすとの方向性だが、最終的にもっていけるかどうかはこれから。
(取りまとめ案についての箕面市の考え方は)
広域化には賛成のスタンス。ただし、広域化にむけて保険料算定の際にあたっては人数と所得だけで計算するというのではなく、医療費の実情も汲み取ってやってほしい。市長も先の市町会(4月17日)でそう発言した。
箕面市は健診事業に力をいれて医療費水準を低く抑えている。そうしたインセンティブを受けたい。
(保険料はどうなると予想しているか)
各市町村は情報を大阪府になげて10月頃試算がでる。当初はものすごくあがるという話だったが、そうはならないかも。下がるかもしれない。
(平成26年度累積赤字18.6億円・一人当54145円の解消は)
平成30年度にも9〜10億円の累積赤字が残る見込み。時前でなんとかしないといけない。一般会計法定外繰り入れで解消してほしいと現課では要望しているが・・・
(調整会議と9月に条例で制定される大阪府国保運営協議会との関係は)
大阪府国民健康保険運営方針策定にむけて調整会議はたたき台をつくるところで、そのたたき台を諮問し答申をだすのが大阪府の運協。
(統一国保料にするとインセンティブが働かなくなり医療費の適正化という本来の目的が果たせなくなると思うが)
「統一統一」と大阪府に刷り込まれている部分がある。ただ、情報が少なく、調整会議メンバー以外は議論し意見する場がない。
★豊能町〜「統一国保」大賛成。激変措置なしで初めから統一で行くべき
(とりまとめ案について)
町村長会から出ている太子町から話を聞いている。豊能町としては丸っぽ賛成。統一であるべきだ。我々のように小さい自治体では財源もなく一般会計繰り入れもできないので、なしにしてもらうと不公平感が減る。もっと統一してほしい。6年の激変緩和はいらない。
(保険料はどうなると予想しているか)
府内で最も安いる保険料なので・・・
現在、一般会計法定がいやっているつもりはないが1000万円はある。それを今年度0にして、保険料が上がった場合の激変緩和が受けられるようにする。医療費水準が入らないということであれば、所得と人数だけなので保険料はあまりあがらないかと考えている。
現在収納率が97.43%ある。標準収納率を町村は94%にすると聞いているので、差の3%分の2000万円がインセンティブとしてもらえるので特定健診の上乗せ分として使って行ける。さらに払っていない2%を何とかしたいと考えている。徴収室ができた。
(標準システムについて)
導入したいと考えている。導入にかかる費用は全額国持ちとなる。
★豊中市〜北摂7市の声を反映する立場で出ていない
(豊中市は調整会議メンバー。どのような立場で選出されているのか)
北摂ブロックからの代表としての選出ではなく、大阪府市長会保険年金部長会の副幹事としての選出。
(とりまとめ案の位置付け、豊中市の考え方は)
あくまで考え方の方向性が「統一保険料をめざす」ということ。平成28年度はこの考え方の方向性に基づいて考えていく。豊中市としてはこの方向性は概ねまちがいではないと考える。
(保険料はどうなると予想しているか)
10月に具体的なシュミレーションがでるが、おそらく上がる傾向となるだろう。
(「統一国保」は地方自治の放棄になるのではないか、その考え方は市長も同じか)
市長も概ね同じ考え方。
(「大阪府国保運営方針」のとりあつかいは)
調整会議で大阪府全体できめたものとなる。なんでもかんでも統一ではない。保健事業はそれぞれの自治体が力を発揮することになる。短期保険証や資格証明書のとりあつかいもこれから検討する。
(「統一国保」の議論の中で「医療費適正化」の論議されていないのではないか)
6月からはじまる事業運営ワーキングには保健事業のメンバーにも入ってもらってそのあたりの議論もはじまる。
(豊中市の保険料の条例減免はすぐれているが、統一で後退するのではないか)
これからの「共通基準」の議論の中で出来るだけレベルの高いものになるよう意見を出していく。
(取りまとめ案の中で共通基準の原資は納付金・保険料となっている。いい制度にすればするほど保険料が高くなるというのでは共通基準が高くなるはずがないのではないか)
いいものでスタートできるように意見を述べたい。
★能勢町〜小規模自治体として広域運営には理解する
(とりまとめ案に対する能勢町としての考え方は)
小規模国保の場合、高額医療などの方が国保に移ってこられると分母が小さいためにすぐに給付が跳ね上がり、影響が出やすいので、広域運営については一定理解できる。
(保険料はどうなると予想しているか)
大阪府の試算をみないとわからないが、能勢町の保険料は高い目なので安くなるのではないかとの淡い期待をもっている。
(試算のためにもシステム改修をしないといけない島本町から聞いているが)
4月8日、国保連から新システムのインターフェイスが提示されたが、導入するかどうかとても悩んでいる。はっきり言って、いまある行政内部システム、税システム、国保システムの国保連からり新シ79万円理解できる人間が町内にいない。
(統一国保になって健診事業など今以上にやるか)
担当として、町として、もちろん給付の適正化、予防事業など頑張っていきたいが・・・
(納付金にも保険料にも医療費が反映されないとなると自治体は医療費そのものに関心をもたなくなるのではないか)
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(そのうえでインセンティブは収納率向上だけになるのではないか)
小規模自治体だと収納に専任を置くのは無理がある。現在は職員3人、事務嘱託2人で業務をしている。
★キャラバンでわかったこと
□各自治体で非常に温度差がある。
□いままで一度も試算を大阪府がしていないため、保険料もどうなるのかどの市町村もはっきり分かっていない。保険料が高いところは「安くなるんではないか」とぼんやりと淡い期待を持っている程度。
□さらなる情報として、4月18日の市町会で、高槻市長が吹田市とほぼ同じ趣旨での発言をしたとのこと。
□大阪府が財政を持つことで調整カギ・ワーキングにおいても高圧的な態度で市町村を押さえこんでいる印象。
★泉州ブロックも、調整会議メンバーである泉佐野市中心にキャラバンを5月31日に実施。
一方、泉州ブロック、特に泉南地域の社保協からは、「医療水準の格差が厳然としてあるのに、保険料が統一されるなどとんでもない」「統一保険料というなら大きい病院を泉南地域に持ってくるのか」「泉州地域では賦課限度額が低い(2015年度全国基準85万円、泉南市64万円、和泉市67万円、岸和田市73万円、泉大津市77万円、忠岡町一保険料というなら大きい病院を泉南地域に持ってくるのか」「泉州地域では賦課限度額が低い(2015年度全国基準85万円、泉南市64万円、和泉市67万円、岸和田市73万円、泉大津市77万円、忠岡町79万円等々)のに、統一されたらそれだけで一気に上がるのではないか」などの声が上がっています。
北摂豊能ブロックの動きもうけて、泉州ブロックでも調整会議メンバーである泉佐野市を中心として懇談を行うこととしました。
日時 5月31日(火)@10時〜 泉佐野市(集合9時半 市役所1階ロビー)
B15時半〜 泉南市
★河南ブロックは6月1日に「大阪府統一国保問題学習会」開催
河南ブロックでは6月1日(水)18時半〜羽曳野市民会館で寺内事務局長を講師に学習会を企画しています。
★今後は大阪市・堺市・東大阪市との懇談が早急に必要
大阪府人口の半分は大阪市・堺市・東大阪市の3市が占めています。標準保険料率ははっきり言ってこの3市の保険料がどうなるのかが大きな影響を与えます。例えば大阪市の2014年度一般会計法定外繰入141億8千万円を大阪府全体の被保険者240人で割ると1人当6200円となり、大阪市が一般会計法定外繰入をしなければ大阪全体で平均保険料は6200円上がることになります。
今後、大阪市内ブロック、堺社保協、東大阪社保協と相談しながら、懇談に取り組んできます。