大阪社保協FAX通信 第1124号 2016.1.22
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本日、支援サービス見直し・新総合事業移行問題で大阪市と交渉〜事業所・利用者の声聞かず 報酬切り下げ画策する大阪市に怒り心頭!!
大阪社保協と同大阪市内ブロックは、1月22日、「新総合事業」問題について交渉を行いました。
大阪市は高齢福祉課の近藤・認知症施策担当課長代理、佐藤係長らが出席、社保協側は、西成区、住之江区、中央区、鶴見区、港区の社保協や事業者のみなさんと大阪民連から11人が参加しました。
要支援者のホームヘルプ・デイサービスの新総合事業移行問題について、昨年12月22日に大阪市長あてに「要望書」を提出し、今年1月8日に「文書回答」がされました。しかし、その内容は「本市といたしましては、国のガイドラインを踏まえ、平成29年4月までの間に事業を実施することができるよう、現在、検討を進めているところです。」とだけのもので、いっさい中味のないものでした。
一方で、1月27日(午後2時から市役所P1会議室で開催)に大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会が予定されており、そこに新総合事業のサービス類型案を示すとしていました。
★大阪社保協として、次の追加質問書を提出し、大阪市当局に対し回答を求めました。
質問内容 |
答弁要旨 |
横浜市、倉敷市は「現行相当サービスのみ」で実施し、厚労省のセミナーでも「『みなし指定』のみ移行が望ましい」としている。大阪市も現行相当のみで実施できないか |
厚労省は早期実施の方策として「現行相当のみで移行可」と説明している。大阪市としては、経過措置期間を利用して検討し、メニューを準備して実施したい |
昨年10月に大阪市が実施した訪問介護事業所アンケート結果は |
集計ができたので情報提供する 996件回答(回答率51.1%) 人員基準緩和サービス参入意向有 731件(73.4%) そのうち 単価7〜8割でも参入意向有 618件 |
通所介護事業所の報酬は昨年20%以上、下がっており、これ以上の引下げは事業所を疲弊させることになる。サービス提供時間や形態での基準緩和もおこなうべきではない。 |
人員の基準緩和の余地はないということは国にも言ってきた。要支援者の中には入浴などのニーズもある。現行の介護予防訪問介護は3時間〜5時間での利用を想定。入浴だけのような3時間未満での単価設定を検討している(70%との考え方) |
横浜市は、「基準緩和は通所では設定しない」としており、大阪市もそのような選択はできないか |
大阪市も横浜市と同様に人員配置での基準緩和の余地はないとの考え方だが、3時間未満の短時間での緩和を検討している |
大阪市として、通所介護、訪問介護の事業所経営実態を把握しているか。また、把握していないのなら、今後調査する予定はあるか |
国において報酬改定のための経営実態調査をしている。大阪市としては直接調査はしていない。予定もない |
訪問介護で資格要件を緩和すれば人材が確保できるというのはどのような根拠があるか |
10年後には介護人材が大きく不足する見込みなので新たな人材確保を新たな領域に広げていくために資格要件を緩和した |
介護認定申請と並行して希望者にのみチェックリストを実施するという選択肢はとれないか |
窓口では説明した上で認定申請かチェックリストかを選んでいただく |
「市民への説明資料」はどのような内容か |
まだ作成していない |
各区での基本チェックリスト実施見込み件数及びその場所、実施にあたる職員の体制は |
要支援者約6万人、新規認定者約5千人そのうちどれだけが対象になるかといったところ。現在の利用者は既得権的に現行サービスを利用することになるので主に新規認定者の一部と考えられる |
大阪市として地域ケア会議等を通じたサービスからの「卒業」、多様なサービスへの誘導等を行うべきではない。現時点では考え方は |
ケアマネジメントを通じて目標達成型を目指していきたい。元気な高齢者を増やしてサービス利用を減らして行く考えはあるが、地域ケア会議を通じてケアマネジャーをどうこうということは考えていない |
★資格要件を外せば人材確保できるか
大阪市は、単価設定について、管理的経費は下げずに無資格者雇用で人件費はさげられるとの考え方を示し、それでいけば現行の75%程度になりかねません。参加者からは様々な追及がされましたが、大阪市はどれ一つまともに返答できませんでした。
○介護人材が不足するので、無資格でもホームヘルプサービスというが、ヘルパー資格保有者数は把握しているのか
大阪市「把握していません」
○1500円の時給でも応募がまったくない、無資格にしても時給が下がって人が来ると思うのか
大阪市「募集を続けていただくしかありません」
○どのような人をどのような研修で確保するというのか
大阪市「期待しているのは65歳超えても元気な方」「研修は検討中」。「事業所にも教育をお願いしたい」
○生活援助は単なる家事代行ではない。ヘルパーが入ることで生活が成り立っている専門的な支援をどう考えるのか
大阪市(回答なし)
大阪市は、人材確保について具体的な調査も基礎資料の把握もせず、「無資格にすれば人があつまるだろう」レベルの安易な発想でしか検討していないことが明らかになりました。
★単価引下げは事業所の経営悪化につながる
大阪市は、通所介護(デイサービス9について人員基準緩和しないとしながら、3時間未満は3割もダウンするような案を検討しています。要支援のデイサービスは20%も報酬ダウンとなっており、さらに引き下げるようなサービス類型は事業所の経営をますます悪化させることにつながります。
参加者からは「短時間にすればそれだけ送迎回数が増え人手がかかる」という指摘もありましたが、大阪市からの返答はありませんでした。事業所の経営実態もつかまないまま、単価引き下げ案を検討するのは許せません。
★現行相当のみ実施を判断せよ
1月27日の大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会へ出す案については、検討しているような安易な引下げ案でなく、「現行相当サービス」のみでの実施案とするように強く申し入れました。大阪市側は「参考意見として承る」と述べるにとどまりました。
★1月27日(水)14時〜市役所P1会議室で開催の「大阪市社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会」を傍聴しよう!!
大阪市介護保険新総合事業(案)を学ぶ学習会 〜介護事業者と利用者をまもれるのかどうか検証をしよう〜 大阪市は、介護保険制度改定による「要支援者サービスの見直し」(介護保険給付から「総合事業」への移行)を2017年(平成29年)4月から開始します。その内容は今年度(2016年3月まで)中に決めるとしています。 いまだその内容は非公開ですが、1月27日に開催される「大阪市社会保障審議会高齢者福祉分科会」で初めて公となります。 昨年11月6日に大阪社保協が行った「大阪市ヒアリング」で得た情報では、@ヘルパーは、無資格者でも可能とし、事業所に対する報酬は現在の7割〜8割に大幅カット Aデイサービスはサービス提供時間などで基準を緩め報酬をカット、というようなものです。 すでに要支援サービスは、2015年(平成27年)4月の国の報酬改定で、デイサービスはで20%もの引き下げ、ヘルパーも5%近く下がっており、事業所の中には大幅な赤字に陥り、閉鎖するところも出てくるほどです。大阪市が独自に報酬を大幅に切り下げれば多くの事業所はやっていけなくなります。 大阪社保協では大阪市の事業案を学び事業者と利用者をまもれるものかどうか検証する学習会を開催いたします。多くのみなさんに参加を呼びかけます。 ★日時 2016年2月8日(月)午後6時半〜9時 ★会場 エルおおさか南館ホール(地下鉄天満橋下車徒歩5分) ★内 容 1月27日の分科会で出された内容について解説・検証します ※大阪市高齢福祉課担当者に説明をしていただくよう出席を要請しています ★参加費 資料代1000円 ★規 模 200人(先着順) ★申し込み 必ず以下の申し込み用紙ご記入の上、faxにて事前申し込み願います。 ★主催 大阪社会保障推進協議会 06-6354-8662 fax06-6357-0846 メールosakasha@poppy.ocn.ne.jp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.8大阪市介護保険新総合事業(案)を学ぶ学習会申込用紙 ふりがな (あいうえお順で名簿を作成します) □氏名 □事業所・団体名 □種別 訪問介護 ・ 通所介護 ・その他(
) □連絡先 п@ fax |