大阪社保協FAX通信   1096号 2015.3.2

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来年度市町村国保会計について大阪府からレクチャー〜「来年度国保料は値下げになるはず(大阪府談)」というが・・・・

226日付「大阪社保協fax通信1095号」で、来年度から国保は財政共同安定化事業1円化と低所得者対策として保険者財政支援制度の拡充としての1700億円投入がされることをお知らせしました。

では、現在各市町村の3月議会で提案される2015年度国保特別会計予算の中でどう反映されるのでしょうか?

本日、先に大阪府に対して公開請求していた「平成27114日付厚生労働省保健局国民健康保険課長通知『平成27年度国民健康保険の保険者等の予算編成にあたっての留意事項について』」が公開され、その内容についてレクチャーをうけましたので以下報告します。

対応していただいたのは、大阪府国保課の上島総括主査と堀田主査です。

 

★保険財政共同安定化事業1円化で市町村国保会計はどう変化するのか?

まず、基本的な国保特別会計の費目を知る必要があります。市町村国保特別会計は以下のようになっています。

≪国保特別会計の費目≫

 

 

 

 

 

 

収 入

費目

 

 

 

 

 

 

支 出

費目

保険料()

総務費

国庫支出金

保険給付費

療養給付交付金

後期高齢者支援金

前期高齢者交付金

前期高齢者納付金

都道府県支出金

老人保険拠出金

一般会計繰入金(法定分)

介護納付金

一般会計繰入金(法定外)

保健事業費

共同事業交付金

共同事業拠出金

直診勘定(国保診療所)繰入金

直診勘定繰出金

その他

その他

基金繰入金

基金積立金

前年度繰入金

前年度繰上充用金

市町村債

公債費

 

 財政共同安定化事業が「1円化」(保険給付費の1円から80万円が市町村国保助け合い事業になる)するといっても、来年度支出で保険給付費が0になるわけではありません。収入として「保険料()」があり、支出として「保険給付」、つまり市町村から医療機関への支払いは国保連合会を経由しますが、来年度以降もあります。そのため保険給付費はこれまでどおり計上されます。

 金額が大きくなるのは、収入では共同事業交付金、支出では共同事業拠出金で、これは全国ベースで2014年度の3倍になるといわれています。大阪市の場合でみると2014年度予算の共同安定化事業拠出金は301億円ですが、2015年度予算では870億円となっています。

 

★保険者財政支援国ベース1700億円は大阪ベースでは150億円の交付

それでは、1700億円はどうなるのでしょうか。

国は1700億円と一言でいっていますが、全額が国庫負担となるわけではありません。国2:大阪府1:市町村の負担割合となります。会計上は、国負担は「国庫支出金」に、大阪府負担は「都道府県支出金」に、市町村負担は「一般会計法定分」として計上されます。

国ベースで1700億円だと大阪府ベースでどれくらいになるのでしょうか。大阪府によると150億円ほどだということでした。そして、その交付方法は、各市町村の法定軽減(7割、5割、2)の対象者数で交付されるとのことですので、当然低所得者の多い大阪市に多く配分されることとなります。

 

★実は1700億円は現時点で来年度予算に反映されていない・・・・

しかし、通知ではこの1700億円のことについては全く触れられていません。

大阪府にこの点を訪ねると、「実際の交付は10月にならないとわからないため、各市町村の予算には反映していないのではないか」とのことでした。

 

★国は1700億円投入で一人5000円の財政効果があるというが・・・

厚生労働省はこの1700億円投入で被保険者15000円の経済効果がある、つまり保険料()5000円下がると言っています。このことを大阪府に尋ねてみると、「大幅に保険給付が伸びるなどの要因がない限り、150億円の収入が増えるので、当然値下りするはずです」とのこと。

2012年度の大阪府全体の国保被保険者は250万人です。単純に150億円を250万人で割ると6000円ですから、一人6000円の保険料引き下げになるはずだというわれですが、果たして来年度保険料値下げになる市町村はどれくらいあるでしょうか。

さらに、この理屈が通るためには、現行の一般会計法定繰入を2014年度と同規模で継続して行うことが必須となります。

各地域社保協のみなさん、ぜひ来年度国保特別会計の予算がどうなっているのか、注視願います。

 

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@   27年度から消費税増収分を活用して約1700億円(負担割合は国1/2、都道府県1/4、市町村1/4)を投入。低所得者を多く抱える保険者に重点的に配分。被保険者一人当たり年0.5万円の財政効果があるとする。

A   後期高齢者支援金総報酬制導入により浮く国庫負担2400億円のうち1700億円を29年度から投入。

 

@    Aは3400億円となり、現在の全国での一般会計法定外繰り入れとほぼ同額となり、1人当たり1万円の財政効果となる、つまり、1万円保険料が引き下がるとしています。しかし、これは市町村が現行の一般会計法定外繰り入れをそのまま続けるという前提が必要で、やめてしまえば、ひき下がることはありません。

 

★Aの1700億円は無条件で交付するわけではない

 「とりまとめ」をよく読むと、@の1700億円は低所得者対策として投入されますが、Aの1700億円はそうではないということがわかります。ではどのようにするのでしょうか。

 

B   27年度にまず200億円の国費を投入して都道府県に設置する財政安定化基金の造成を開始する。同基金は29年度までに2000億円まで積み増しし、30年度から活用できるようにする。この基金は都道府県や市町村に交付または貸付をする。都道府県が市町村に支払う保険給付を分賦金で賄えない場合は都道府県が、収納できた保険料では都道府県に収める分賦金に足りない場合は市町村が同基金を活用できる。造成は全額国費で賄うが、交付により目減りした場合は地方にも負担を求め国、都道府県、市町村で1/3ずつ負担する。

 

C   調整交付金の増額による財政調整機能の強化

D   自治体の責めによらない要因による医療費増・負担への対応

 

新たに創設される財政安定化基金は、立ち上げについては全額国費で2000億円が積み上げられますが、その後については国・都道府県・市町村負担が111となります。また、交付と貸付としていますが、どういう場合に交付になるのかは不明、貸付であれば、償還が必要となりますので保険料引上げの要因となります。

30年度からはC+Dに700800億円投入。具体的にはDは、精神疾患の医療費、子どもの被保険者数、非自発的失業の保険料軽減などに着目し増額される特別調整交付金での配慮の検討としています。

 

E   保険者努力支援制度の創設

さらに30年度からEに700800億円投入。具体的には、医療費適正化等に努力する保険者への支援として、後発医薬品の使用割合や全高齢者の一人当たり医療費、保険料収納率など客観的な指標に基づき財政支援。さらに特定健診・保健指導の実施率に基づく後期高齢者支援金の加算・減算に代わるインセンティブとしての活用も想定されており、この投入はまさに「医療費削減」「収納率向上」のためのアメであり、被保険者の保険料引き下げに寄与するとはとても考えられません。

 

★都道府県と市町村の役割分担・・・市町村業務はいまと全く変わらず

 

都道府県と市町村の役割分担は以下となります。なお、大阪の場合は大阪府単位もしくは二次医療圏ごとのでの統一保険料設定の動きに注意する必要があります。

 

≪都道府県≫

□「国保運営方針」を策定し、市町村実務の効率化標準化、広域化や医療費適正化にむけた取り組みを推進

□医療給付費見込み、所得を加味した分賦金を決定

□市町村が決定した保険給付の支払い、保険給付の点検

□保険料の標準化を進める仕組みとして、標準的な保険料算定方式や市町村規模別の収納目標など市町村が保険料率を決定するときに参考となる標準を設定し、それに基づき市町村ごとの標準保険料率、全国統一ルールで算出される都道府県単位の標準的な保険料率しめす。

□保険料率は市町村で設定する枠組みを基本とするが、地域の実情に応じて二次医療圏単位や都道府県単位での保険料率を統一することも可能とする

□新たに国保特別会計を設置

□国保運営の重要事項を審議するために国保運営協議会を設置

 

≪市町村≫

□標準保険料率などを参考にそれぞれの実情に応じて保険料算定方式などを選択して保険料率を決定し、保険料の賦課・徴収を行う

□資格管理や保険給付の決定、保健事業、地域包括ケアシステム構築のための医療介護連携など地域のきめ細かな事業を行う

□資格管理や保険給付に関しては窓口業務にとどまらず、証明書の交付や現物給付の支給決定といった処分性を有する行為も引き続き市町村が責任主体となる方向

□国保特別会計や積立金基金は存続

 

27年度からの@1700億円は大阪の市町村にはどう配分されるのか?

114日付で厚生労働省から「平成27年度国民健康保険への保険者等の予算編成にあたっての留意事項について」という通知が出ています。ネット上では確認できないので、219日付で大阪府に開示請求をしました。2週間で開示されますので、@の1700億円がどう国保特別会計予算に反映するのかなどについても大阪府から説明を受けますのでお知らせしたいと思います。

 

大阪社保協2015年度総会に参加を!!

★日  時      201537日(土)午後1時開場/2時開会/530分閉会

  ★場        大阪府保険医協会M&Dホール5階 

  ★資料代      無料  なお、当日資料配布希望の団体は当日12時までに120セット会場にお持ちいただき袋詰め作業にもご協力ください。昼食も用意いたします。

  ★当日の総会での発言については「発言通告制」になります。全体討論は1人5分で15人程度を予定しています。発言の準備をお願いいたします。