大阪社保協FAX通信   1085号 2014.12.8

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大阪市第6期介護保険料案6,998円、20259,900円、新総合事業2017年開始〜128日大阪市高齢者福祉専門分科会で「第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画案」だされる。

本日128日午前、大阪市役所において大阪市高齢者福祉専門分科会が開催され、次期「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画案」が提案・説明されました。概要を以下紹介します。

★大阪市の高齢者の特徴1〜ひとり暮らし高齢者が圧倒的に多い

大阪市の高齢者の特徴の一つは一人ぐらしが圧倒的に多いということ。計画素案の中では全国と政令市比較もされており、65歳以上高齢者世帯の4割を超えているのは大阪市のみです。

 表1)平成2465歳以上高齢者世帯 全国・政令市比較(%)

 

一人暮らし世帯

夫婦のみ世帯

その他世帯

全国

24.8

28.6

46.6

大阪市

41.4

25.5

33.4

東京都区

36.5

26.2

37.3

神戸市

34.7

31.3

34.0

福岡市

34.6

28.1

37.3

北九州市

32.2

31.1

36.7

札幌市

31.5

28.8

39.7

京都市

31.5

28.8

39.7

名古屋市

30.7

30.1

39.2

広島市

29.8

33.8

36.4

堺市

29.6

32.4

38.0

川崎市

29.2

29.0

41.8

横浜市

27.1

32.7

40.2

岡山市

26.2

30.4

43.4

千葉市

25.2

34.1

40.7

仙台市

24.0

29.7

46.3

さいたま市

23.8

30.9

45.3

相模原市

23.1

32.3

44.6

静岡市

20.4

25.8

53.8

新潟市

19.1

24.5

56.4

浜松市

17.6

25.9

56.5

                       出所)大阪市資料:国勢調査

 

 

★大阪市の高齢者の特徴2〜要介護認定率が高い

  一人暮らし=世帯内に介護者がいないということですから、当然介護保険制度に頼らなければ生きていけないということとなります。そのため、要介護認定率も全国平均に比べて5%近く高くなっています。

2)大阪市と全国要介護認定人数と率比較(%)

 

223月末

233月末

243月末

253月末

263月末

大阪市

121,447

127,844

134,438

143,841

152,718

    

20.0

21.0

21.7

22.5

23.2

全国

484.6万人

505.9

530.3

561.1

580.3

 

16.2

16.9

17.3

17.6

17.8

出所)大阪市資料 介護保険事業報告

★認知症高齢者は65歳以上高齢者の9.4% 6万人

認知症高齢者については全国比較がなかったので大阪市データのみですが掲載します。65歳以上高齢者の9.4%、75歳以上高齢者の17.3%が最新の認知症高齢者の出現率です。

3)大阪市の認知症高齢者の推移

 

2009年度

2010年度

2011年度

2012年度

2013年度

65歳以上認知症等(人)

48,310

51,121

54,736

57,521

60,534

前年増加率(%)

1.04

1.10

1.07

1.05

1.05

65歳以上人口割合(%)

8.1

8.5

9.1

9.2

9.4

75歳以上認知症等(人)

41,637

44,175

47,631

50,170

52,759

 75歳以上人口割合(%)

15.7

16.3

16.8

16.9

17.3

出所)大阪市資料 要介護認定をもとに「認知症高齢者日常生活自立度U」以上高齢者数

 

★新総合事業は平成29年度(2017年度)スタート

4からは、地域支援事業は第6期の最終年度の29年度に給付額が大きくなっているので、新総合事業をはじめる計画であることがわかります。

 

4 大阪市第5期給付実績と第6期給付見込 単位 億円

 

5期計画期間

6期計画期間

6期間合計

24年度

25年度

26年度

27年度

28年度

29年度

26-29伸び率

介護保険給付 

1,915

2,032

2,129

2,279

2,369

2,407

13%

7,055

 

居宅サービス費

1,109

1,194

1,254

1,270

1,295

1,264

1%

3,829

 

施設・居住系サービス費

700

723

752

876

930

990

32%

2,796

 

その他費用

106

115

123

133

144

153

24%

430

地域支援事業 

36

36

40

42

44

110

173%

196

2014128日大阪市高齢福祉専門分科会資料から大阪社保協で作成

 

 

 

★第6期介護保険料は6,998円!!保険料段階は今期と同様の11段階設定で

多くの高齢者は介護保険料だけ年金から天引きされています。第6期の介護保険料については、基準額は「6,998円」、つまり7千円というとんでもない金額が試算されています。一方、段階は今期と同様に11段階が設定されており、市民の要求である「多段階化」は想定されていません。

さらに、平成32年(2020年)度保険料は8,200円程度、平成35年(2025年)度保険料は9,900円程度になると書かれています。

5 大阪市第5期介護保険料段階と料率・人数 人数は大阪社保協調査2014.3末現在

段階

条件

料率

 

金額  (月額)

金額   (年額)

人数

1

生活保護世帯及び老齢福祉年金受給者 

0.50

2,948

35,382

66,786

2

世帯全員が市民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円以下の人

0.56

 

 

3,302

 

39,628

 

141,325

3

世帯全員が市民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が120万円以下の人

0.65

 

3,833

 

45,997

 

54,520

4

世帯全員が市民税非課税で第2、第3段階以外の人

0.75

4,422

53,073

54,541

5

被保険者本人が市民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計額が80万円以下の人

0.85

 

5,012

 

60,150

 

76,708

6

被保険者本人が市民税非課税で第2.3.4.5段階以外の人

1.00

5,897

70,764

47,527

7

被保険者本人が市民税課税で合計所得金額が125万円未満の人

1.1

 

6,486

 

77,841

 

70,013

8

被保険者本人が市民税課税で合計所得金額が125万円以上200万円未満の人

1.25

 

7,371

 

88,455

 

62,622

9

被保険者本人が市民税課税で合計所得金額が200万円以上400万円未満の人

1.50

 

8,845

 

106,146

 

46,323

10

被保険者本人が市民税課税で合計所得金額が400万円以上700万円未満の人

1.75

 

10,319

 

123,837

 

12,400

11

被保険者本人が市民税課税で合計所得金額が700万円の人

2.00

 

11,794

 

141,528

 

11,168

★委員からも保険料や新総合事業について意見多数だされる

委員からは「新総合事業をいかに具体化するのかについて考え方はいいが具体的にどうしていくかが問題。もっと検討が必要ではないか」「地域で多様なサービス、サービスと書かれているが地域に要求されてもとても応えられない」「これほど高い介護保険料になって高齢者もボランティアになってというのは、区ごとに説明会を開いて丁寧に説明しないと市民の納得は得られないのではないか」「55歳以下の世代が急激に減っている中で最前線で動いている人たちはいま6580歳代。もう限界にきている。地域組織が2年前から変わってきてやる気がなくなってきているのも問題だ」など、非常にまともな意見が多数出されました。

★パブリックコメントは1225日〜126日。大阪市内ブロック主催「パブコメ書き込み学習会」を116日(金)18時半〜保険医協会で緊急企画!!

大阪市は今後1225日から126日の1ヶ月間、この計画案についてのパブコメ募集をします。大阪社保協大阪市内ブロックでは116日(金)午後6時半から大阪府保険医協会において「パブコメ書き込み学習会」を緊急企画しました。前回は大阪全体で200程度しか出ていなかったといいます。大阪市内の地域社保協のみなさん、加盟団体のみなさん、ぜひ学習し、意見を多数出しましょう。