大阪社保協FAX通信   1079号 2014.10.15

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1015日、大阪市社会福祉審議会高齢者福祉分科会開催〜第6期「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)」示される。給付見込から新総合事業は29年度実施か。

本日1015日午後、大阪市社会福祉審議会高齢者福祉分科会が大阪市役所において開催され、第6期「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)」が示されました。

素案は4つの資料として示され、総論・各論等では非常に抽象的な理念が並びますが、「介護保険給付に係る費用の見込」が具体的に示されたため、来期計画の内容を知ることができます。

 

1 大阪市第5期給付実績と第6期給付見込 単位 億円

 

5期計画期間

6期計画期間

6期間合計

24年度

25年度

26年度

27年度

28年度

29年度

26-29伸び率

介護保険給付 

1,915

2,032

2,129

2,282

2,372

2,411

13%

7,065

 

居宅サービス費

1,109

1,194

1,254

1,274

1,299

1,268

1%

3,841

 

施設・居住系サービス費

700

723

752

876

930

990

32%

2,796

 

その他費用

106

115

123

132

143

153

24%

428

地域支援事業 

36

36

40

42

42

109

173%

195

20141015日大阪市高齢福祉分科会資料から大阪社保協で作成

 

 表1からわかることは・・・・

    地域支援事業は第6期の最終年度の29年度に給付額が大きくなっているので、新総合事業をはじめる計画である。

    居宅サービス費は第5期最終の26年度から29年度を比べると殆ど伸びない。つまり、要支援の訪問介護サービスと通所介護サービスを新総合事業に置き換えることで居宅サービス費の抑制効果が出ていると見込んでいる。

 

2 大阪市居宅サービス給付見込

 

 

 

 

 

5期実績

6期見込

24年度

25年度

26年度

27年度

28年度

29年度

既存サービス以外に移行見込 

介護予防訪問介護

/

21,301

22,176

24,440

27,112

29,554

16,046

13,508

介護予防通所介護

/

7,296

8,916

9,817

10,881

11,852

6,431

5,421

20141015日大阪市高齢福祉分科会資料から大阪社保協で作成

 

 さらに表2の要支援12の予防給付訪問介護と予防給付通所介護の第6期給付見込は、28年度に比べ29年度が大幅に人数が減らされており、その差が既存サービス以外の給付に移行すると見込んでいることがわかります。

★給付見込から第6期介護保険料を試算してみると・・・・月額6,534円!

 さらに、表1の給付見込をもとに第6期の介護保険料を試算することが出来ます。

 

大阪市高齢者数(人)

27年度

28年度

29年度

676,000

679,000

683,000

 

計算式は

6期介護保険給付見込7,260億円(介護給付7065億円+地域支援事業195億円)×0.22(第6期の第一号被保険者の負担分)÷高齢者数の3年間平均679,000人=年額78,408円÷12ケ月=月額6,534

となります。

 さらに、大阪市が年度途中に大阪府財政安定化基金からの借り入れをしていれば、その返済額が給付費にプラスされて保険料はさらに値上がりするということになります。

 

★大阪市は11月中庁内検討を進め、125日の次回高齢者福祉専門分科会で「計画最終素案」提案、12月中旬から1ケ月パブコメ募集というスケジュール

 

 別紙が本日の分科会で示されたスケジュールです。

次回125日の分科会では最終素案が出されると言うテンポです。ただし、新総合事業などの詳しい内容は何も決まっておらず、あと2年間の猶予があるということになります。

 大阪市はかなり早いテンポで進んでいるとは思いますが、いずれにしても各市町村では12月末には「計画素案」が出てパブコメ実施となります。各地域社保協は介護保険事業計画策定委員会日程をつかみ、傍聴することと、計画分析や懇談や説明会の申し入れを行いましょう。具体的な要望書案は以下です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

各市町村に対する緊急要望案

 

1.総合事業への移行については改正法では条例により「平成29年度まで」に実施することが出来るとされているので、拙速に実施せず、十分な準備・検討期間を確保するようにしてください。

2.総合事業への移行にあたっては、現在サービスを提供している事業所に早くから情報提供を行うとともに、その意見を聴く場を十分に保障し、一方的にすすめず、関係者の理解と合意を得て行うようにしてください。

3.現在、介護予防訪問介護と介護予防通所介護を利用している要支援者 の実態(心身の状況、日常生活自立度、世帯状況、所得状況、サービス内容、サービス効果など)を十分に把握した上で検討してください。

4.総合事業への移行にあたっては、介護予防訪問介護・介護予防通所介護を住民ボランティアなど「多様なサービス」に置き換えるのではなく、現行サービスを維持した上で、「プラスアルファ」として新たなサービス・資源を作るという基本方向を堅持してください。そのため、下記のことについて厳守してください。

 

@   すべての要支援認定者には移行後も介護予防訪問介護・介護予防通所介護と同じサービスが継続して利用できるようにしてください。

A   サービスについては、利用者の希望に基づく選択を保障してください住民主体ボランティア等への移行を押し付けるように指導を行わないでください。

B   利用者の負担について、現行より重くならないようにし、さらに軽減してください。

C   介護保険利用の相談があった場合、これまでと同様に要介護認定申請の案内を行い、「チェックリスト」による振り分けは行わないでください。総合事業サービス利用を希望する場合でも要介護認申請を受け付けた上で、地域包括支援センターへつなぐようにしてください。被保険者の要介護認定申請の新政権を侵害するようなことはしないでください。

D   サービス事業所に対する事業費の支給は現行の予防給付の倍以上の単価を保障し、サービスにみあったものにしてください。

E   指定事業所によって提供されるサービスについては、現行基準を緩和させず、質を担保してください。指定事業者の基準は現行予防給付と同一とし、「緩和した基準によるサービス」は導入しないでください。

 

大阪府に対して府内市町村「第6期介護保険事業計画における介護サービス見込み及び保険料推計」ワークシート全資料を公開請求。

厚生労働省は8月の段階で全国都道府県を通して全国市町村の「第6期介護保険事業計画における介護サービス見込み及び保険料推計」ワークシートをおろしています。本日大阪府介護支援室に確認したところ、10月7日を締め切りに厚生労働省に送ったとのことですので、本日公開請求しました。公開され次第、整理し発信します。

 

学びなくして動きなし、動き無くして前進なし!!地域で、組織で学習会を企画しよう!!

大阪社保協では、学習会講師派遣を行っています。10月以降講師派遣をしているのは以下の通りです。「医療・介護総合確保法学習会」の講師派遣については、大阪府保険医協会からも講師派遣をしていただいております。

学びはたたかいの基本です。特に介護保険学習会などでは地域の介護保険事業者の方たちにも声をかけて企画しましょう。

「講師依頼」については、大阪社保協ホームページの講師依頼文書をダウンロードしていただき、大阪社保協あてメールまたはfaxをしてください。

http://www.osaka-syahokyo.com/gakusyu/kousiirai20110816.doc

 

201410月以降の講師派遣状況】

   105日(日)生協労連パート部会総会「介護保険学習会」(日下部)

   1011日(土)紀南介護事業者連絡会「介護保険学習会」(日下部)

   1015日(水)社会福祉法人コスモス結いの里「介護保険学習会」(日下部)

   1018日(土)第22回和歌山県高齢者大会(寺内)

   1019()羽曳野社保協「介護保険学習会」(日下部)

   1024() 消費税廃止滋賀県各界連絡会「税と社会保障大津学習会」(寺内)

   1025()ohしよう。もろもろNETおもしろ介護保険学習会(日下部)

   1031()京都医労連・福保労「介護保険学習会」(日下部)

   111日(土)民医連近畿地協「介護職集会プレ企画」(日下部)

   111日(土)みなと医療生協「生存権学習会」(寺内)

   117()福岡県高齢者のつどい(日下部)

   117()消費税廃止滋賀県各界連絡会「税と社会保障彦根学習会」(寺内)

   118()くまとり社保協「介護保険学習会」(寺内)

   118()吹田市亥の子谷コミュニティ協議会「エンディングノート学習会」(日下部)

   119()一般社団法人小規模ケア研究会「介護保険学習会」(三重県、日下部)

   1114日(金)介護保険をよくする飯伊の会(長野県)「医療介護総合推進法・介護保険学習会」(日下部)

   1115()介護保険の改善をめざす和歌山実行委員会「介護保険学習会」(日下部)

   1122()介護保障を求めるひろしまの会総会と講演のつどい(日下部)

   1125()北区社保協「介護保険学習会」(寺内)

   1129日(土)堺・介護1万人アピールシンポジウム(パネラー 日下部)

   1129()福岡市南区社保協「生活保護学習会」(寺内)

   1129()松原社保協総会「今後の医療・介護はどうなるのか」(大阪府保険医協会に依頼)

   1130日(日)岐阜県民医連「第6回介護保険の明日を考える学習会」(日下部)

   123日(水)介護者家族の会泉州ブロック交流会(奥村

   1211日(木)奈良県社保協「国保学習会」(寺内)

   1213()岡山市職員労働組合「介護保険学習会」(日下部)

   131日(土)富田林男女共同参画フォーラム「生活困難者・こどもの貧困学習会」(寺内)

   211日(水)障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会「介護保険学習会」(日下部)

   221日(土)京都民医連「介護保険学習会」(日下部)

                      

 

「大阪市の生活保護でいま、なにがおきているのか〜情報公開と集団交渉で行政を変える!(全国調査報告集)」

11月初旬発行です!!

多くのみなさんにご参加いただいた528日・29日に実施した「大阪市生活保護行政問題全国調査団報告書」がかもがわ出版から書籍として発行されることとなりました。11月初旬には出来あがり、書店やアマゾンでも購入できることとなります。

A5151頁、本体価格1400円です。ご期待くださいね!!

 

【目次】

★はじめに

★調査団でやってきたこと

★第1章 大阪市の生活保護でいま、なにがおきているのか

★第2章 大阪市の生活保護行政の問題点

★第3章 どう調査活動をすすめたか

★大阪市ケースワーカー覆面座談会

★おわりに 全国いたるところで生活保護全国調査をやりましょう