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3月1日「大阪社保協第24回総会」に74人が参加〜平和といのちとくらしを守り、貧困を解決することを最大の目標に中長期的な展望をもってこの一年をたたかう年にしようと意思統一。
大変遅くなりましたが、3月1日開催の「大阪社保協第24回総会」報告をします。
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★井上賢二会長 主催者挨拶
集会参加の皆さん、ご苦労様です。
この国をめぐる情勢は緊迫してきています。
安倍内閣は本性を表し「戦争する国」へと暴走しはじめました。憲法を守る国民とのせめぎあいの時代になってきました。消費税、TPP、基地問題に見られるように、アベノミクスとは国民犠牲の財界とアメリカの言いなりの政治です。社会保障は持続可能な制度にすると言っていますが国や企業の責任を回避して、「自立、自助」とし、市場化、もうけの対象にしようとしています。
これまで私たちの先輩たちがたたかって勝ち取ってきた権利としての社会保障を否定するものです。社会保障の解体への内容については情勢報告で詳しく述べられていますので、ここでは省略します。
全国各地で医療・介護の現場からは悲痛な声や要求、たたかいが起こっています。
私たちの反撃も広がってきています。
生活保護費の引き下げに対して1万人、年金切り下げでは10万人の不服審査請求運動、秘密保護法の反対では全国の良識ある学者やジャーナリスト、弁護士等が立ち上がりました。大阪でも橋下市長の都構想に反対した堺市長選挙、岸和田市長選挙での勝利、今回の橋下市長の辞職による市長選挙では市民の過半数が反対しています。なんの大義も道理もないことが市民にも理解されてきています。徹底して宣伝し、本来の自治体の姿、住民の命、福祉、生活を守る防波堤としての役割を取り戻しましょう。
さて運動の展望ですが、私たち大阪社保協は「21世紀は社会保障の花ひらく世紀に」のスローガンを掲げてたたかってきました。21世紀が終わるまでにはまだ84年あります。3世代にわたる運動を続けて行かなければなりません。しかし国民の過半数がたち上がれば、「アラブの春」に見られるように一瞬にして変わるかもしれません。それには地域でも過半数の運動を作っていかなければなりません。1.社会保障の花開く国づくりは自治体づくりから。キャラバン運動をもっと多くの人たちの参加で成功させましょう。2.学習を基礎に、国の政策、府や市の政策を学び確信にかえること。知識を「知恵」に変えていきましょう3.活動の拠点は地域です。1人の犠牲者も出さないよう「助け合い」「相談活動」を。こどもの「保険証ないねん、シップくれ」の声が国を動かしました。声なき声を運動に。4.すべての市町村に地域社保協を作っていきましょう。
最後に信念があれば夢は実現できます。
人が沢山集まれば勇気が湧いてきます。
今年1月19日普天間基地の辺野古への移設が争点で行われた名護市長選挙では移設は反対の稲嶺さんが圧勝しました。これは沖縄県民の歴史的勝利です。地元新聞の見出しには「地域の未来は私たちできめる」と。「私たちの未来は私たちできめる」「あんたにとやかく言われることはない」。
以上で挨拶といたします。
★来賓挨拶は中央社保協・住江憲勇代表と日本共産党・清水ただしさん
★大阪社保協第24回総会への祝電・メッセージ(敬称略/順不同)
大阪府歯科医師会会長 太田謙司・富田林市長 多田利喜・泉南市長 向井通彦・羽曳野市長 北川嗣雄・岸和田市長 信貴芳則・貝塚市長 藤原龍男・田尻町長 原明美・和泉市長 辻みちひろ・茨木市長 木本保平・吹田市長 井上哲也・大阪狭山市長 吉田友好・枚方市長 竹内脩・泉大津市長 伊藤晴彦・豊能町長 田中龍一・堺市議会議長・東大阪市議会議長・八尾市議会議長・大阪狭山市議会議長・和歌山県社保協・長野県社保協・奈良県社保協・神奈川県社保協・東京社保協・茨城県社保協・福井県社保協・福島県社保協・全大阪消費者団体連絡会事務局長 飯田秀男
★報告と議案提案
2013年度活動総括、2013年度会計報告、2013年度会計監査について報告があり、さらに2014年度活動方針(情勢と方針)、2014年度予算の提案がありました。この内容については、大阪社保協ホームページにアップします。
★いきいきとした17地域社保協・団体からの発言
@西成区社保協「住吉市民病院の廃止を成果とする橋下・維新の会の無責任な宣伝に抗議します」
Aくまとり社保協「くまとり社保協立上げ後の現状について」
B城東社保協「城東区における運動〜城東区民会議に社保協から11人が参画
C豊中社保協「豊中での国保料引下げ運動について」
D大東社保協「いのちとくらしを守る市民相談センターの活動について」
E生野区社保協準備会「生野区社保協再建総会にむけて」
F堺社保協「学ぶこと、つながることを重点にしつつ今後は具体的に目に見える形での市との話し合いをもとに成果をつくっていく方向へ」
G藤井寺社保協「こどもの医療費助成制度年齢引き上げについて」
H富田林社保協「こどもの医療費助成制度と河南ブロック会議、介護保険と障害者施策について」
I茨木社保協「茨木社保協の取り組みについて」
J大生連「生活保護制度の改悪をめぐるたたかいについて」
K大阪府保険医協会「2014年度診療報酬点数改定について」
L大阪民医連同仁会耳原ケアプランセンター・ケアマネジャー「介護保険利用者の声に耳を傾けてください。『明日はわが身』にしないために今できること」
Mきょうされん大阪支部「障害者施策と介護保険〜いわゆる65歳問題について」
N福祉保育労「福祉現場の現状と今後の取り組みについて」
O大商連「大阪市長選挙をめぐる状況について」
以上のように17地域社保協・団体から報告がありました。いくつか、原稿をいただきましたので紹介します。
◆城東区における社保協の活動と区民共同のとりくみ
2012年6月に再建した城東社保協の運動は、大阪都構想を掲げ「大阪市解体、市民のくらし破壊」に突き進む橋下維新市政とのたたかいの連続でした。
同時に2012年8月鳴り物入りで就任した公募区長に対しても「市民・区民のくらしを守れ」の運動を「区段階」で抑え込み、「橋下市長への批判」を逸らし「たちはだかる」防波堤の役割を果たしているにすぎないとの立場で城東区政への運動も重視してきました。
毎月1日(土日の場合は繰り延べ)の区役所前宣伝は常時10〜20名の参加で続いています。赤バス廃止に対しても「要望書」の提出・交渉など城東区に対する取り組みを強め1年間ではあったものの代替措置を実施させました。
公募に踏み切った「区政会議」を重視し、町会長など地域住民との共同のとりくみ
2013年3月の大阪市議会で「区政会議の運営の基本となる事項に関する条例」が成立し、それまで、「区政会議」の運営は各区に委ねられており、殆どの区が委員の公募は行わず、連合町会や官制団体、各種職能団体からの推薦で委員を構成していました。(城東区は16の連合町会と医師会などの職能団体と区民会議4名の36名で構成していた。)条例は6月に施行され、委員の10分の1以上は公募しなければならないとされ、任期は2年、連続して3期以上は委員になれないと規定されていす。これを受け多くの区で「区政会議」委員の公募が実施されました。
城東区では10名が公募され、城東社保協では「区政」への参画を重視し、加盟団体に呼び掛け「区政会議・委員」への公募を組織的に取り組み11名が応募しました。
11名全員(女性は6名)が「区政会議・委員」に任命
公募が10名であったのに、社保協関係11名を含む17名の公募委員が任命され「条例上限いっぱいの50名」の区政会議が誕生しました(因みに上限の50名は城東区と浪速区のみ。公募委員数も城東区と大正区の17名が最高で、女性の委員は城東区の16名を筆頭に12名の生野・港、10名の浪速・東成と続き、西・淀川では1名となっています)
このように運営要項を変えてまで私たちを全員任命という事態となったのは、この間の城東社保協の運動に対し、城東区が「排除できない勢力」と認めざるを得なかったのではないでしょうか。
「まちづくり」「防災」「福祉」の部会が設置
50名の大部隊では論議の時間が確保できないとの理由で3つの部会が設置され、委員が希望して各部会に参加する事になりました。教育問題は福祉で論議するとの事でしたので「福祉部会」を重視して社保協関係者8名が福祉部会に参加しました。
福祉部会で討論をリード、副部会長にも就任、共同と世論づくり
50分の11という勢力は「それなり」の勢力です。10月に開催された第1回の区政会議では発言の殆どが公募委員であり、これまでの区政会議とは異なる雰囲気となりました。福祉部会には社保協関係者8名が参加し、20分の8という構成となりました。
その後に部会が2回開催され、福祉の副部会長に年金者組合の中居さんが選任され、1月の福祉部会は20名の委員のうち7名が欠席し、13分の8という中でコミニティバス、学校選択制問題では振興町会長の人たちを含め「市政・区政」に対して批判的意見が出される状況をつくりだしました。
条例化された区政会議は第10条で「委員の3分の2以上の多数をもって決議されたときは、区長はこれを尊重しその権限の範囲内で適切な措置を講ずるよう努めなければならない」と規定されており不十分ながらも区民が区政に参画できる組織です。過大評価することなくあらゆる機会を捉えて住民の声を反映する取り組みの一つとして、さらには振興町会長や官制団体の代表など「保守層」とよばれる人々と親しくなり、共同や世論づくりに有効な「場」として大いに参加していくことが求められているのではないでしょうか。
(城東区社保協 副会長 中居多津子)
◆介護保険利用者の声に耳を傾けてください。この声が、「明日は我が身」にならないために、今、私たちにできること
「介護の社会化」はどこに
2000年4月に介護保険がスタートし、あれから14年、要介護者の生活や介護者の負担はどこまで改善されたでしょうか?
依然として、介護殺人、介護心中、高齢者虐待の報道は後を絶ちません。むしろ、日常的に耳にするようになりました。特別養護老人センターの入所を待つ高齢者、いわゆる介護難民は40万人にものぼっています。介護の解放どころか、ますます家族介護への逆行を物語っています。
しかし、政府が取り組もうとしている改革は、当事者や介護労働者の要求に逆行し真っ向から否定する内容になっています。
歪められた「自立」
そのうえ、「自立支援」や「負担の公平化」等、ことば巧みに世論を惑わせ、正当化しようとしています。東日本大震災以降、「絆」や「助け合い」ということばが美化され、「公助」は影を潜め、「自助」「互助」がますます強調され、弱音を吐かず他人に頼らずに自分でがんばることを美徳し、本来の「自立」の意味を大きくゆがめてしまいました。その結果、要介護高齢者に攻撃の矛先が向き、介護保険サービスの利用者に対する風当たりはさらに強くなりました。
現場実態を物語る当事者の悲痛な声
「年寄りに、これ以上、何をがんばれいうねん。まるで怠け者のようにいわれるけど、好きで歳取ってんやない。好きで介護保険使ってる訳やない。こんなからだで、何をどうがんばればいいんや」
「長生きは犯罪ですか。年寄りは役立たずの税金泥棒ですか。年寄りは生きる価値もないのでしょうか」
「保険料払ってるし、介護費用は食費を切り詰めて払ってても、『無駄なサービスを使い過ぎるから保険料が上がる』と嫌味をいわれます。なんでこんな肩身の狭い想いしながら生き続けなあかんのやろう」
「年寄りがいつまでも長生きしたら迷惑かける。早くあの世に行かないと嫌われる。こんな歳まで生きるつもりなかったのに。戦争の時に、夫と一緒に死んでた方が良かったといつも思う」
「無理やり高い保険料を取られ、いざサービスを使いたい時にはあれもだめこれもだめといって使わせず、『必要なら自費』といわれる。用無しの年寄りは早く死んでしまえといわれてるみたいや」
利用者の悲痛な声が胸に突き刺さります。これらの声そのものが、介護保険の現状そのものです。「利用者本位」や「尊厳の保持」は、「自立支援」に打って変わり、「介護保険からの自立」にすり替えられてしまいました。
介護現場ではこんなことも
2月の初めにこんなことがありました。夕方、辺りが暗くなり始めた頃、ヘルパーから一本の電話が。「ご利用者のAさん宅の蛍光灯が切れてます。ヘルパーは蛍光灯の交換はできませんからケアマネさんの方でよろしく」と、一方的に切れました。
すぐにAさん宅に駆け付けると、Aさんは真っ暗な部屋でテレビの明かりだけを頼りに冷たいままのお弁当を食べていました。視力障害のあるAさんは、身動きが取れず台所に行って電子レンジを使うこともできなかったのです。Aさんのそんな姿を見て涙が溢れました。こんな惨めなわびしい想いをさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいでした。それでもAさんは私の顔を見るなり「よう来てくれたなぁ。忙しいのにありがとう。寒かったやろう」と、私の両手をさすってくれました。恨みごとひとついわず、笑顔でねぎらってくださるAさんを見ていると胸が苦しくなりました。
健気に懸命に生きている高齢者に対して、あまりにも残酷な仕打ちでなないでしょうか。
当事者の声と住民の要求で制度を変える
人生の終着地まで、その人らしい生き方を支援することが介護保険の本来の目的のはずが、今では、介護保険が暮らしと権利、そして笑顔を奪う結果になってはいないでしょうか。高齢者の暮らしを制度に合わせるのではなく、高齢者の生活実態にあった制度でなければならないのです。そして、それを実現するためには平和な社会でなければなりません。介護労働者の善意や熱意だけでは介護保険はよくなりません。介護労働者の犠牲の上に成り立っている制度自体がおかしいのです。これは、高齢者を大切にしない日本の政治を変えない限り真の解決にはつながりません。ただ待っていてもよくなりません。
長い歴史からみても、社会福祉制度を作り発展させてきたのは国民の要求運動の力です。
私たちの先輩が、血を吐きながら国家に対して要求して勝ち取ってきたものであり、今後も私たちが要求し続けなければ維持できないものです。
「たたかいは裏切らない」を合言葉に
ケアマネジャーとして、高齢者のみなさんの「生きてたって仕方ない、はよ死にたい」という声を「生きていく、もっと長生きしたい」という声に変えたいと思っています。高齢者の人生に価値をもたらしいのちがキラキラ輝く介護、そして、長生きを共に喜び合える社会を実現したいと願っています。いずれ介護を受ける当事者になった時に、被害者ではなく「主人公」になれる制度をみんなで要求しましょう。
私は、ケアマネジャーの経験を通して学んだこと、それは「いのちに優劣はない、どの人のいのちにも価値がある。老化も病気も介護も貧困も個人の責任ではない」ということです。ですから、誰もが困った時に、いつでも、どこでも、お金の心配をすることなく、必要なだけ受けることができる社会福祉をめざします。
社保協の活動を通して学んだこと、それは「当事者の声と住民の力が行政を動かす。たたかいは絶対に裏切らない」ということです。社保協は、おかしなことをおかしいといえる団体です。地域社保協はじめ、たくさんの支え合える仲間がいます。みんなで団結してたたかいましょう。「たたかいは裏切らない」を合言葉に、みんなで手を取り合って…
(大阪民医連同仁会耳原ケアプランセンター・ケアマネジャー 内海聡子)
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事務局長まとめ〜今年一年は、とにかく徹底的に学び、みんなが参加したいと思うような魅力的な社保協活動を!!
寺内事務局長は最後に、「地域社保協からは豊かな地域での活動報告が、団体からは医療・福祉・介護現場からの最新の状況が語られました。とにかく運動の最前線は、地域、現場、職場です。そして科学的にたたかうためには、学びがどうしても必要です。今年一年、徹底的に学びの場を作ってください。そして、とにかくいのちを救う活動と制度を作り拡充する活動を両手に握りしめ、3年5年10年を見据えた粘り強いたたかいを進めていきましょう」「3人寄れば地域社保協ができますが、5人集まれば仲間がひろがり、10人集まれば地域でたたかいができ、100人集まれば地域が変ります。さあ、ご一緒に、参加してみたいと思うような魅力ある社保協運動を作り上げて行きましょう。」とまとめました。
大阪社保協への講師派遣要請一覧(2014.317現在) □
3月7日(金)八尾社保協「国保学習会」(19:00- 寺内) □
3月11日(火)大阪市内ブロック主催「介護保険学習決起集会」(6:45- 日下部) □
3月15日(土)和泉社保協「社会保障学習会」(13:30- 寺内) □
3月18日(火)豊中社保協「国保広域化問題学習会」(18:30- 寺内) □
3月23日(日)岸和田共産党後援会「介護保険学習会」(13:30- 寺内) □
3月25日(火)消費税の増税に反対する関西連絡会「介護保険学習会」(13:30- 寺内) □
4月5日(土)天王寺社保協総会「介護保険学習会」(10:00- 寺内) □
4月5日(土)生野区社保協再建総会「介護保険学習会」(14:00- □
4月12日(土)池田社保協再開総会「社会保障学習会」(14:30- 井上会長) □
4月19日(土)くまとり社保協「医療保険学習会」(井上会長) □
4月19日(土)けいはん医療生協「介護保険学習会」(10:00- 日下部) □
4月22日(火)新婦人羽曳野支部学習会(13:30- 寺内) □
4月26日(土)西成社保協「介護保険学習会」(18:30- 西成区民センター 寺内) □
4月27日(日)交野社保協総会「介護保険学習会」(14:00- 寺内) □
4月27日(日)日本共産党南東後援会「社会保障プログラム法と介護保険学習会」 □
5月10日(土)東淀川社保協総会「地域社保協を考える学習会」(14:30- 寺内) □
5月31日(土)自治労連介護労働者全国集会(日下部) □
5月31日(土)枚方社保協総会「こどもの医療費助成制度学習会」(14:00- 寺内) □
6月8日(日)岸和田社保協総会「診療報酬改定と医療・介護一括法案を学ぶ学習会」 |