大阪社保協FAX通信   1042号 2013.6.10                                       

 

社会保障制度改革推進法が介護保険改悪で具体化される〜そして2025年、このままでは介護保険はつかえない?・・制度改悪の検討内容と地域での運動をみんなで考える学習会にぜひご参加ください。

社会保障制度改革推進法の第二条には以下のように「基本的な考え方」がかかれていますが、これを読んだだけでも社会保障制度とは全く似ても似つかないものであることが書かれています。 68日に開催された「社会保障改悪と消費税増税に怒る大阪府民集会」記念講演で伊藤周平・鹿児島大学大学院教授は、「社会保障制度改革推進法は、国民の生存権を謳った日本国憲法25条の『解釈改憲』であると同時に、自民党の『日本国憲法改正草案』(2012年4月27日決定。以下「改憲草案」という)の考え方をベースにした、自民党改憲案の社会保障版といってよい。」と指摘しました。

 

社会保障制度改革推進法(抜粋)

 (基本的な考え方)

第二条 社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。

 一 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

 二 社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること。

 三 年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること。

 四 国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすること。

 

 

★「介護保険『軽度』切り離し」報道に激震走る

55日の読売新聞は「介護保険『軽度』切り離し」と報道し、同日のNHKニュースでも報道されたため、「本当か」「もう決まったのか」「どうなるのか」という不安の声が全国の自治体、そして大阪社保協にも寄せられています。これまで、マスコミでも介護保険見直し議論については殆ど報じられていなかったこともあり、この日を境に介護保険事業者や利用者の動揺が広がっているのは事実です。

介護保険は3年ごとの見直しが法で定められている制度ですが、次期第6期(2015年)の見直し議論は、これまでとは全く違う形で進められています。

20128月に消費税引き上げと同時に成立した「社会保障制度改革推進法」は「考え方」は明記されていますが、法律そのものには殆ど具体的なことが書かれていないのが特徴です。この法律の中身を決めるために「社会保障制度改革国民会議」が2013年に入ってから毎月数回開かれています。

介護保険については推進法第7条に「保険給付の対象となる介護サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図る」と明記されました。

「適正化」とは介護サービスの範囲を「狭める」ことで、「効率化」とは費用がかかると非効率なので費用を削るという意味、さらに「重点化」も対象を絞り込むという意味です。

 2012年制度改定では盛り込めなかったサービス削減や利用者負担引き上げを次の改定では何としてもやろうという基本方針を定めたのがこの条文です。

次期(2016年度)介護保険見直しはこの国民会議と同時進行で社会保障制度審議会介護保険部会で審議がされているのですが、実質的には国民会議に縛られた見直し作業となっています。

 

 

大阪社保協介護保険ブックレット「2025年介護保険は使えない?〜今なら間に合う 老後のためにできること」を発行、18日納品予定。

 

大阪社保協介護保険対策委員会では、次期介護保険改悪にむけたたたかいは、2025年をも左右するたたかいになると考えています。逆にいえば、いま、何も知らずに、何もしなければ、介護保険は「制度は持続するけれども、全く使えないもの」となる可能性もあると強い危機感を抱いています。

今回の「介護保険ブックレット」は2011年に発行した「改正介護保険緊急解説〜何が決まり、いま何ができるか」の後継本として発行しました。スタンスは同じく、まず、今何が決まっているのかを正しく理解し、そのうえでそのままあきらめるではなく、運動によって改悪を止め、流れをかえるための一冊です。

この本の構成はこのようになっています。

第一章は、現在の介護保険制度について解説をしています。

第二章では介護保険制度が具体的に老後を守るものになっているのかどうかの検証をしています。

第三章は第6期にむけての改悪スケジュールと現在議論されている内容を解説します。

第四章は介護制度改革への提言と地域での運動課題です。

 

★6月21日にブックレットを使った学習決起集会を企画

いま、国民会議で、そして社会保障制度審議会介護保険部会で何が議論されてるのかを正しく知ることがなによりも重要です。そのうえでどんなたたかいを地域で作っていくのかをみんなで考えるための学習決起集会を企画しました。ぜひ積極的にご参加ください。

 

2025年このままでは介護保険は使えない!?

いま何が議論され何ができるのかを考える学習決起集会

☆日時 2013621日(金)午後6時半〜9

☆会場 大阪府保険医協会М&Dホール

☆資料代1000円 「介護保険ブックレット」定価1300円をこの学習会に限り1000円販売とし資料とします。

☆講演 「介護保険大改悪の議論内容と地域での運動課題」

     日下部雅喜 大阪社保協介護保険対策委員

☆主催  大阪社会保障推進協議会 Tel 06-6354-8662 fax06-6357-0846

 

2013年度自治体キャラバン行動「要望書と懇談申入れ」を発送〜626日「スタート学習会」に地域社保協から必ず参加を!!

 71日からの自治体キャラバン行動スタートにむれて、大阪社保協では現在準備をすすめています。

 すでに要望書については、吹田市と八尾市(いずれも地域社保協が独自実施)と羽曳野市(9月中旬以降実施)、そしてくすのき広域連合を除いて全市町村には要望書(1.国保と救急医療2.特定健診・がん検診3.介護保険4.生活保護5.子ども施策)と懇談の申し入れを以下の日程で発送しました。すでに自治体からの延期要請も入っており、日程決定はまだまだこれからです。カコミのところは今日現在決定しているところです。

【スケジュール表】1.1000-1200 2.1400-1600 

71日(月)            2.熊取町

72()1.四条畷市 →   2.大東市    

78日(月)            2.柏原市 

710日(水)1.富田林市 →  2.千早赤阪村

711日(木)1.豊能町 →    2.箕面市 

712日(金)1.泉南市  →   2.阪南市

716日(火)1.門真市  →   2.守口市

717() 1.和泉市  →   2.忠岡町

719日(金)1.寝屋川市 →  2.枚方市

722日(月)1.太子町  →   2.河南町

723() 1.交野市   

724日(水)1.高槻市  →  2.島本町

725()            2.岸和田市

726()1.泉佐野市  →   2.田尻町

730() 1.河内長野市 

731()1.高石市   →  2.泉大津

85()1.摂津市  →    2.茨木市

86()1.藤井寺市  →  2.大阪狭山市      

87()1.松原市  

88日(木)1.岬町    →   2.堺市

89日(金)             2.能勢町

 

    日程が変更となるところ

東大阪市(819日以降で調整)、池田市、豊中市、貝塚市

 

☆今年度の地域での事前学習会は、基本は「ブロック開催」で

すでにお知らせしているとおり、大阪社保協が一人専従体制となっているため、これまでのように地域社保協ごとの事前学習会が出来ない状況となっています。そのため、626日に「スタート学習会」を企画しましたので、地域社保協から必ずご参加ください。早い日程の地域にはこの日に資料集をお渡しします。

 

2013年度自治体キャラバン行動スタート学習会

日時 2013626()午後6時半〜

会場 国労大阪会館3階大会議室

内容 自治体キャラバン行動での中心課題と資料説明、及び意思統一

※日程の早い地域にはこの場で資料集を配布します。

 

すでに決定しているブロック別事前学習会

628日(金)北河内ブロック事前学習会(1830-寝屋川市民会館)

78日(月)河南ブロック行動事前学習会(1830-富田林市職労会議室)

716日(火)泉州ブロック事前学習会(1830-岸和田福祉センター)

727日(土)河南ブロック行動事前学習会(1900-松原民商)

 

  ブロックでなくても隣接社保協との合同開催もぜひご検討ください。

 

大阪社保協第3回常任幹事会

日時 2013年6月20日(木)午後6時〜8時

場所 国労会館2回円卓会議室

議題 1.2013年度自治体キャラバン行動

   2.社会保障制度改革推進法に対するたたかい〜介護保険・国保・生活保護

   3.その他

 

 

 

介護保険ブックレット発行記念

 

2025年このままでは介護保険は使えない!?

いま何が議論され何ができるのかを考える学習決起集会

 

 5月に入って各マスコミが「厚生労働省が軽度者を介護保険の対象から切り離す検討に入った」と報道したことから「本当か」「決まったことか」との動揺が広がっています。

 介護保険は2015年が次期の改定ですが、昨年8月、消費税値上げと同時に成立した社会保障制度改革推進法で「保険給付の対象とする介護サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図る」(第7条)という基本方針が定められています。現在国民会議と社会保障制度審議委介護保険部会との同時進行で「改悪」内容が議論されており「軽度者はずし」もその一部で、介護保険は「社会保障制度改悪」の標的となっています。

大阪社保協ではいま何が議論され、地域でどんな運動ができるのかについてまとめた「介護保険ブックレット」を発行します。この内容を学び7月からの自治体キャラバン行動でどのような運動を展開していくのかを意思統一するための学習決起集会にぜひ参加ください。

 

☆日時 2013621日(金)午後6時半〜9

☆会場 大阪府保険医協会М&Dホール

☆資料代1000円 「介護保険ブックレット」定価1300円をこの学習会に限り1000円販売とし資料とします。

☆講演 「介護保険大改悪の議論内容と地域での運動課題」

     日下部雅喜 大阪社保協介護保険対策委員

☆主催  大阪社会保障推進協議会 Tel 06-6354-8662 fax06-6357-0846

     

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6.21介護保険学習決起集会に参加します

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