大阪社保協FAX通信   1035号 2013.4.15                                       

 

社会保障を「自助+助け合い」にするなど歴史に逆行も甚だしい〜さあ、学び、語り、動こう!!

20128月に消費税率アップとともに可決された「社会保障制度改革推進法」(推進法)ですが、国民はもとより、大阪社保協の加盟団体の構成員も誰も知らないというのが実態です。

推進法は非常に短い法律で、現在国民会議で具体化についての議論がされており、44日には第8回目を終え、今月は19日、22日と開催され、現在、医療・介護についての議論が行われています。

以下は推進法の第二条(基本的な考え方)です。「社会保障」とは名の通り、社会(国・自治体)が生存権を保障するものですが、推進法での考え方では、自助と助け合いの制度に落とし込み、財源は消費税でとしているのです。これは、戦後60年の社会保障の歴史に逆行しているとしかいいようがありません。

 

社会保障制度改革推進法(抜粋)

 (基本的な考え方)

第二条 社会保障制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。

 一 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。

 二 社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること。

 三 年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること。

 四 国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすること。

 

「推進法」廃止を求めるたたかいについては、大阪労連からの呼びかけで、「社会保障制度改革推進法廃止を求める大阪実行委員会」を立上げ大阪的な取り組み(学習・署名・宣伝等)をはじめています。

 大阪社保協では、生活保護・介護保険・医療・年金改悪と推進法廃止のたたかいを一体的に取り組むこととし、具体的な学習会も企画しています。

 大阪社保協に関わる人々ひとりひとりが、いかに力をつけ、語り、動くか・・・・そのために456月に様々な学習会を企画しています。6月初〜中旬には介護保険での学習決起集会も企画する予定です。

 

◆学ぶことからたたかいは始まる 社会保障講師養成学習会

日時 2013423()午後7時〜9

会場 大阪府保険医協会M&Dホール 講師 井上賢二・大阪社保協会長

資料代 無料

主催 大阪社会保障推進協議会 

※社会保障講師養成学習会の詳細 http://www.osaka-syahokyo.com/bira/20130423-syaho.pdf

 

◆国保滞納処分問題大学習会

★日時 2013年4月27日()午後1時半〜4時半

★会場 大商連会館大会議室

★企画 講演「大阪でのたたかいについての総括と現時点での到達点について(仮称)

    楠晋一弁護士(京橋共 同法律事務所)

    活動報告・意見交換

★主催 大阪社会保障推進協議会(大阪社保協) osakasha@poppy.ocn.ne.jp

★共催 大阪商工団体連合会(大商連)

★参加費 無料、大阪社保協「住民運動のための国保ハンドブック2012」を使いますのでお持ちください。ない方は当日販売いたしますのでご購入ください(1冊800円)

※国保滞納処分問題大学習会の詳細 http://www.osaka-syahokyo.com/bira/20130227-kokuho.pdf

 

◆第1回近畿社会保障学校〜近畿はひとつ ともにまなび、つながり、そして動こう

★日時 2013512日(日)午前10時〜午後4

★会場 神戸市勤労会館(三宮)4階

★企画

10時〜12時 記念講演「マルクス経済学者からみたアベノミクスと安倍政権の行きつく先」

石川康宏・神戸女学院大学教授

13時〜16時 分科会:介護保険・生活保護・医療国保

★資料代 500

★規模  120(大阪で40人をめざしています。)

★主催 社保協近畿ブロック懇談会

※詳細は http://www.osaka-syahokyo.com/bira/20130512shaho-school.pdf

 

◆大阪の貧困と生活保護バッシングを考えるシンポジウム

★日時 2013525()午後1時〜4

★会場 大阪府保険医協会M&Dホール

★講演 中塚久美子 朝日新聞大阪本社記者

「貧困の中でおとなになるこどもたち〜深刻化する実態と記者としての問題意識」

大阪の貧困の実態とバッシングを考えるシンポジウム

★参加費 無料

★主催 大阪の生活保護を考える会(大阪自治労連・大生連・大阪府保険医協会・大阪府歯科保険医協会・大阪民医連・大阪社保協)

※シンポジウムの詳細  http://www.osaka-syahokyo.com/bira/20130525-hinkon.pdf

 

◆社会保障の改悪、消費税増税に怒る6.8大阪府民集会

★日時 68日(土)13時半開場・14時開会 

★場所 クレオ大阪中央(地下鉄「谷町線」四天王寺夕陽丘駅)

★企画 ・第1部「憲法25条のはたしてきた役割を検証し、自民党の改正案を斬る」

講演 (伊藤周平・鹿児島大学法科大学院教授)

・第2部「推進法は何を狙い、私たちはどう運動していくのか」スピーチ

規模 1200

主催 社会保障制度改革推進法廃止を求める大阪実行委員会

 

410日、大阪社保協・井上賢二会長が北区社保協で学習会講師に〜“推進法”は構造改革の総仕上げ!

 4月10日、北区社会保障推進協議会の主催で「消費税増税と社会保障『一体改革』&TPP混合診療について」の学習会が大阪市南森町のいきいきエイジングセンターで開催され、20人が参加しました。

 講師は大阪社会保障推進協議会・井上賢二会長が務めました。

井上会長は「地域社保協にはお金がなく学習会開催が難しいと聞いた。それで私たちがボランティアで地域を回っていこうと決めた」と冒頭あいさつし、「医療構造改革の総仕上げとして推進法が強行された」「今後この法律に基づいて国民の声も聞かず、『国民会議』の議論をへて社会保障の解体が実施されようとしている」「TPPのターゲットは日本」であることを詳しく解説しました。

続いて「社会保障制度改革推進法」が社会保障の基本法となれば、「国の責任を放棄し、憲法25条を否定すること」になり、「しかも財源は保険料と、国と地方の負担は消費税でまかない、都道府県ごとの医療費適正化計画、診療報酬改定で誘導していく」という道筋を明らかにしました。

 さらに、「医療も介護も給付を狭める、風邪などは患者7割負担にする。シップ薬など保険給付を外した部分は民間保険でカバーしてもらう」ことを狙っており、「軽度医療も高度先進医療も公的医療保険の給付範囲から外すことで、アメリカの巨大製薬会社や保険会社が日本市場で一儲けしようと待ち構えている」と指摘し「推進法」と「TPP」との関連をひも解きました。

 最後に今後の運動の展望について、国民的な運動を構築していくために「大きな運動も小さな運動から始まる」と語りかけました。地域から社会保障を守る取組みを実践していこうとユーモアを交えながら講演を締めくくると、参加者からは大きな拍手が起こりました。

 学習会は嘉村会長があいさつ、行動提起を北区社保協・和田事務局長が行い、北区社保協として消費税増税や推進法、TPP参加阻止にむけての宣伝行動や請願署名に活発に取組むことなど提案が行われ、参加者の拍手で確認されました。

 

「神経痛で通院。医療費は今でも高いのに」〜413日枚方市駅前で保険医協会枚方・交野支部が宣伝行動

 保険医協会枚方・交野支部と枚方社会保障推進協議会は4月13日に枚方市駅前で「消費税増税反対」「社会保障制度改革推進法廃止」などを訴える街頭宣伝を行いました。保険医協会役員、枚方社保協関係者など20人が参加しました。

 街頭宣伝では保険医協会が作成した「医療・生活・介護いったいどうなるの?」リーフレット、署名付ティッシュと6月8日「府民集会」チラシを通行する市民に配布しました。

 訴えでは住江憲勇全国保険医団体連合会会長が「消費税増税、70歳から74歳の2割負担への引上げ、混合診療解禁などで、市民の生活が苦しくなるどころか生活が成り立たなくなる。財政的に厳しいというのなら、所得再分配の原則に帰って法人税の引上げ、所得税の累進性強化をまず行うべきだ」と述べ、保険医協会が取り組む署名への協力を訴えました。

 また、小山栄三枚方社保協会長が「TPPと混合診療について詳しく訴え、さらに維新の危険な主張について」解説、野田隆治事務局長も「生活保護基準の引下げで他制度にも影響がでること。一体改革で予定されている医療・介護の負担増の改悪メニュー」を具体的に知らせました。

 リーフレットを受け取った女性は「今も病院から帰ってきたところ。足の神経痛で長時間は歩けない。医療費は今でも高くなっているのに2割にされたら困る」と話しました。

 また「TPPに反対する署名ですか?」とリーフレットを受け取り、中身をじっと読む市民の姿もありました。

 今後も保険医協会は地域での街頭宣伝に取り組む予定です。     (大阪府保険医新聞より)