大阪社保協通信

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第1279号　2024.3.6

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大阪社会保障推進協議会

大東市～粘り強い運動で、ため込んだ保険料の約9割を還元、介護保険料引下げを実現　

　大東市は、今年4月からの3年間（第9期。2024年度～2026年度）の介護保険料を公表しました。基準月額は現在の6420円から6352円へと引下げになりました。大阪府内で大幅な引上げが相次ぐ中で、15年ぶりの引下げです。

　大東市では2016年度以降、要介護認定が申請しにくくなり、要支援１，２と認定されてもデイサービスやホームヘルパーが使えないなどサービスの切り捨てが進み、高齢者から集めた介護保険料が余って「基金」として貯めこまれてきました。

　大東社保協は、利用しやすい介護保険に改善するよう求めるとともに、貯め込んだ介護保険料を高齢者に還元し、保険料を引き下げるよう3年間にわたって運動を取り組み昨年3月には3580筆の署名を集めて市に要望してきました。

　大東市は「基金の取崩しは慎重に検討する」としてきましたが、今回ようやく約14.5億円の「基金」の約9割に当たる13億円を3年間で取崩すことになり、介護保険料を引き下げることになったのです。

　また、国の所得段階別保険料見直しにより、低所得者の保険料はさらに軽減されることになりました。

　介護保険料は今回引き下げられたとはいえ、大東市が見込んだ今後3年間の介護費用の伸びが大きいためわずかな引き下げにとどまりました。

　今後、介護費用の動向を注視するとともに、公費の負担割合を増やして介護保険料をさらに引き下げるよう求めていく必要があります、

また、依然として利用しにくい大東市の介護保険を改善させていくため今後とも運動を強めていくこととしています。

（参考資料）大阪府内の第９期介護保険料動向　

参考１)　政令指定都市（大阪市は確定値、堺市はパブコメ時の暫定値）　大阪市は異次元の額です

参考２)　各市の動向

・豊中市

基準月額　６３６７円　→：６９９８円　　　　（＋９．９％、６３１円引上げ）

基金積み立て額は約20億2300万円の見込み、このうち第９期では16億6300万円を取り崩し、3.6億円の基金は積み残す。

・枚方市　

　　基準月額　５９０２円　→：６２７６円　　　　（＋６．４％、３７４円引上げ）

　　　基金２５．６億円　全額取崩し　保険料軽減効果は６４１円

参考３)　大東市　貯めこみ続けていた基金14.5億のうち13.0億を取崩し、わずかですが引下げさせました。（大東社保協と議員団の3年間の運動の成果です）

	第８期	第９期	増減額	増減率
大東市	6,420	6,352	-68	-1.1%

参考４)　阪南地域の　8市４町の状況（暫定値含む。岸和田市の資料から作成）

　引上げ９市町　　１．６％～１５．６％

　据え置き２市町　（泉南市、田尻町）

　引下げ　１町　（忠岡町）

横をにらみながら基金取崩額で調整しているところがあります。高石市・熊取町は基金をもっと取り崩せば据え置きか引下げになるはずです。岸和田市・貝塚市も基金を100％取崩せば引上げ額を圧縮できるか据え置きできる可能性があります。